宮里 健一 さん

略歴

1991年3月京都産業大学外国語学部フランス語学科卒業。
大阪市住吉区在住。
全日本空輸株式会社運航本部乗員室大阪乗務センターB767乗員部所属。
大阪府立住吉高校普通科卒業。
(2009年6月現在)

近況

高校現役での大学受験には失敗し、浪人時代はアルバイトしながら自宅で勉強し、週に2日1回1時間から1時間半、近所の英会話学校に通い始めました。
英会話学校の先生に英語で日記を付けることや毎日ウィークリーを購読する事やラジオ講座を勧められ、以後、大学卒業まで続けました。
ラジオ講座はNHK以外に百万人の英語を聞いていました。

2浪後、希望学科のある京都産業大学外国語学部フランス語学科に入学しました。

一般教養科目にも興味深いものが多くあったのでほぼ休むことなく大学に通いました。
フランス語の授業も楽しく、ジェモン先生との温泉ゼミ旅行、末次先生の和楽器演奏会、柴山先生とのお食事会や湟野先生のご自宅訪問など良い思い出です。

授業の合間には新しくできた図書館で色んな映画のビデオを見たり詩を書いたりしました。
学外では引き続き週2回の英会話とラグビーやテニスを楽しみ、生花市場や宅配のアルバイトをしていました。

通常の大学の講義以外にも希望講義で英語会話、フランス語会話やスペイン語会話の授業を受講し、ヨーロッパへの興味が沸いていました。

そして、3回生の春休みに生まれて初めてパスポートを取得し、約1ヶ月間ユーレイルパスを使ってバックパックを背負ってヨーロッパ1人旅に出ました。

宿泊は主にユースホステルや列車の車中で、そこで出会った人たちから情報を得たり、食事や飲み物をいただいたり大変お世話になりました。

ロワール川沿いの中世の古城、モンサンミッシェルの威風堂々の光景、2000年以上も前に建設された渓谷に立つ古代ローマ時代の水道橋ポンデュガールの壮大さ、サグラダファミリア、プラド美術館で見たピカソのゲルニカ、グラナダの街並みとアルハンブラ宮殿の美しさ、ピサの斜塔、フィレンツェ、ベネチアでの観光、シャモニモンブランのブレヴァンでの絶景のスキー、レマン湖に佇むシヨン城、ウィーンの天井桟敷でのオペラ初鑑賞、『ドナウの旅人』を読んで憧れていたハンガリーのブタペストでの温泉やチェコのビール、『フランダースの犬』の舞台であるアントワーペンとホーボーケン、ドーバー海峡、ブライトンのクラブでのジャズライブ、パリでの博物館美術館巡り、ベルサイユ宮殿、エッフェル塔、セーヌ川の流れ、ノートルダム大聖堂、おいしいクスクスとボルドーワインやムフタール通りでの昼食などとても思い出深い自分自身の一冊の旅行記が完成しました。
4回生になって就職活動は旅行業を中心に商社やフランス系航空会社なども受けました。

就職活動中に自社養成パイロットの事を知り、自社養成操縦士訓練生の採用試験を行っていた当時の日本の航空会社3社を全て受験しました。

最終的に全日空に自社養成操縦士訓練生として採用の内定をもらい、大学卒業後の1991年4月に入社しました。

入社後は熊本で座学訓練を受け、アメリカアリゾナ州フェニックス近郊のグッドイヤーにて操縦訓練を行い、航空級無線通信士、事業用操縦士、計器飛行証明、陸上多発機の資格を取得しました。

その後、地上研修として福岡空港にて旅客係員をして、熊本にて応用訓練後、ボーイング767の訓練を東京や下地島訓練所で行い、型式証明を取得し、旅客機に実際にお客様を乗せて副操縦士昇格訓練を行い昇格審査に合格。入社から約3年6ヶ月でした。

訓練自体は厳しいものですが、訓練同期生みんなでまとまって乗り越えてきました。

副操縦士に昇格して約5年半後に、ボーイング747型機に移行し約5年間ジャンボ機に乗務しました。その間に二度転籍して日本貨物航空に約2年半在籍していました。 機長に必要な資格である定期運送用操縦士の学科試験、技能審査もこの間に受けました。

ボーイング767の復帰訓練を受けて半年後から機長昇格訓練に入り、審査に合格し2005年8月に機長としてデビューしました。

アラスカの氷河、北極近辺の流氷、グリーンランドの広大な雪景色、シドニーの夜景、広大なロシアの大地、沖縄の青い海、晴れた日の富士山など上空からの景色は格別なもので、宿泊の際の観光や食事もとても楽しみです。

半年毎の航空身体検査や技能審査、その他の最低気象条件の審査、路線拡張や空港の資格審査などがあり、日々変化する気象状況や運航環境に対応することが求められますが、とてもやりがいのある楽しい仕事です。

就職後に一度フランスを旅行し、ナンシー、ストラスブール、オランジュ、アヴィニョン、アルル、カルカッソンヌ、ナント、レンヌ、そしてパリを観光しました。
前回同様にフランスバカンスパスを使ってユースホステルに泊まり、旅行記を書きました。
パリでは同級生のお宅にお邪魔してフランス人の旦那様とお子様にもお会いしました。

仕事に直接フランス語が必要なわけではありませんが、学生時代に過ごした日々は所々で活かされていて私は今の人生を謳歌しています。

以上

注)当時と現在では訓練施設、訓練体系は異なっています。
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