寺田 美紀 さん

略歴

在住国:インドネシア共和国
勤務先:インドネシア・エプソン・インダストリー
略歴:滋賀県立八日市高校出身
外国語学部言語学科インドネシア語専修(2001年3月卒業)
外国語学研究科言語学専攻(2005年3月修了)
(2002年3月から2004年3月まで大学院を休学して、在外公館派遣員として在インドネシア日本国大使館で勤務していたため、大学院修了は2005年3月となります。)
2005年4月インドネシア・エプソン・インダストリー入社 現在に至る
(2007年9月現在)


 皆さん、こんにちは。2001年3月に外国語学部インドネシア語専修を卒業した寺田美紀です。

 

 私は現在、ジャカルタ郊外の工業団地にある、日本人駐在員約30人、インドネシア人従業員約1万人規模の日系企業(プリンター製造工場)で総務部門のアドバイザーとして働いています。私の仕事内容は、総務部門のスタッフが自立・自走できるような仕組みを構築することがメインで、その他、社長秘書業務(スケジュール管理、アポイント取り付け、来客対応等)、通訳・翻訳業務、日本人駐在員及び日本や他国からの出張者・技術支援者の滞在サポート等、多岐に渡ります。

 

 このように現在インドネシアで働いている私ですが、学生時代、日中は大学で講義を受け、夕方からはアルバイトをしたり、サークル活動に参加したりして、平凡な毎日を送っていました。ただ、海外旅行をしたいという気持ちがとても強かったので、長期休暇を利用してインドネシアをはじめ東南アジアの国々を旅行していました。それらの旅行を通して得た経験は、今でも私の心の財産となっています。

 

 大学3回生の後半から、特にインドネシアを旅行したときの経験や、日本に留学中のインドネシア人学生とその家族との交流を通して、もっと深く言語を勉強したいと思うようになりました。また、ただ漠然と「大学でインドネシア語を専攻してきて、学んだことを活かせない仕事に就くのはもったいない。どうせなら、学んだことを活かせるような仕事に就きたい」と思うようになりました。しかし、それと同時に、「今の語学レベルは、仕事で通用しないだろうから、大学卒業後すぐにインドネシア語を使えるような仕事には就けないだろう」とも感じていました。そこで、言語をより深く勉強できる大学院に進学することにしたのです。

 

 大学院では、言語学、インドネシア語学、日本語学などをより専門的に学び、言語をいろいろな視点や角度から見ることで、言語の持つ魅力を知ることができました。本格的に修士論文の執筆に取り組み始めたのは大学院2年目からで、資料収集のため夏にインドネシアへ行ったりしました。
 大学院在学中には、力試しのつもりで受けた在外公館派遣員の試験に運良く通り、在インドネシア日本大使館で2年間勤務したりもしました。

 

 現在、私の上司は毎週「社長メッセージ」と題し、自分の想いや従業員に対する期待をWeb上で全従業員に発信します。上司からのメッセージは日本語ですので、それをインドネシア語にタイムリーに翻訳することも私の大切な業務です。
私にとって翻訳している時間というのは、大学そして大学院で学んだことが活かされているなとひしひしと感じる瞬間でもあります。学生時代に多くの語彙や文法をしっかり学べる環境にいたおかげで、今では辞書や文法書を何度も見ることなく翻訳することができるようになりました。

 

 また、学生時代にはインドネシアの言語だけではなく、文化や習慣を深く学ぶ機会に恵まれました。国籍に関わらず、人とコミュニケーションする際、相手の国の文化や習慣を理解して接する場合と理解せずに接する場合とでは、意思疎通の点では天と地の差があると思います。私にとって、仕事を進めていく上で、また生活していく上で、インドネシア人とのスムーズなコミュニケーションはとても大切な要素となります。

 

 最後に、参考になるかどうかわかりませんが、社会人になった私が皆さんに学生の間にしておいたほうがいいなと思うことを2点お伝えします。

 

 まず1点目は、興味のあることは何でもトライしてみることです。そして、自分が決めた道をまっすぐ進んでいくことです。たとえ途中で失敗したと感じても、必ずそこから得られるものがあり、それはさらに次のステップへの掛け橋となります。チャンスはどこに転がっているかわかりません。ひょんなことがきっかけで予想もしていなかった道や世界が広がることがあります。
 私自身、大学生の頃は自分が近い将来、海外で働くなんて思ってもみませんでしたが、大学院に進学し、在学中に運良く在外公館派遣員としてインドネシアで勤務する機会を得て、大学院卒業後、再びインドネシアで勤務することになりました。今の職場では、大学や大学院で学んだ知識や学問が求められているのはもちろんのこと、在外公館派遣員としてのインドネシアでの勤務経験も、現在仕事をする上で大変役に立っています。

 

 2点目は英語の勉強です。私の職場では、フォーマルな場では英語を使います。学生時代に英語の勉強を怠っていた私は、社会人になった今「学生時代にもっと英語を勉強しておけばよかった・・・」と心から後悔しています。特に海外で働こうと考えておられる方は、時間に融通の効く学生時代に英語の勉強に力を注がれるといいと思います。

 
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