産学協働教育科目群(PBL系)
O/OCF-PBL(オーシフピービーエル)とは
「O/OCF-PBL(On/Off Campus Fusion-Project Based Learning)」とは本学のキャリア形成支援教育科目の中で、PBL系に位置づけられるものであり、課題解決活動を通じて実社会で必要となる心構えや能力を身につけるために設定された科目です。大学での学び(On Campus)と実社会(Off Campus)での学びとを融合(Fusion)させた、実践指向型の課題解決型学習(PBL:Project Based Learning)にて、1年次から2年次まで体系的な能力伸長を図るものです。特に、「O/OCF-PBL2」においては、「企業からいただいた課題の解決」と「主体性や社会性の涵養をはじめとする能力の伸長」とを同時に達成することが目標となります。
O/OCF-PBLの流れ
O/OCF-PBL1
対象年次 | 1年次 |
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開講時期 | 秋学期 |
「個からグループ、グループからチームへ」
大学生としての学修意欲と態度を形成した学生が、「個からグループ、グループからチームへ」を目指して段階的に設定された課題に挑戦します。実践的な課題に取り組むための準備段階として、「社会人基礎力」を発揮するための様々な行動スタイルを学内(On Campus)にて学びます。On Campusを中心とした学びを通じて、自分への信頼を培い、自ら行動できて、意欲的に他者との関係が作れるようになることを目指します。自己成長トレーニングシステムを通して個からグループ、グループからチームに向かうための人間関係構築力を育成・強化します。


O/OCF-PBL2
対象年次 | 2年次 |
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開講時期 | 集中(4月~10月) |
「O/OCF-PBL1」で培われた力をベースにして課題に挑戦
企業や行政機関から提供された課題に対して、チームで課題解決に挑み、最終成果報告会でその成果を報告します。課題解決の体験を通して「社会人基礎力」「自他肯定感」「自在に人と関わる力」「問題解決力」を身につけます。学内(On Campus)だけでなく、学外(Off Campus)での活動が積極的に求められます。


PBL課題事例・活動報告書・書籍
PBL課題提供企業等事例
企業名 | 課題(テーマ) | |
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1 | 株式会社JTB京都支店 | JTBのリソースを利用し、社会課題を解決するビジネスモデルを構築せよ |
2 | 株式会社ユーシン精機 | 若手・中堅社員の確実な成長を促進するための研修プログラムはどのようなものか? |
3 | TOWA株式会社 | スマホアプリなどのメディアを使った「楽しく手軽に学べる」半導体教育ツールを企画しよう! |
4 | 京阪ホールディングス株式会社 | 京都・伏見の「新しい歩き方」について! |
5 | 京都市動物園 | 生物多様性って何?どうして大事なの!?-生物多様性の大切さを知り、わかりやすく伝えてほしい- |
6 | 株式会社イシダ | デジタルコミュニケーションを活用し、イシダの知名度をアップさせよう! |
7 | シミズ薬品株式会社 | ベビーからお年寄りまで:多様なお客様の「正解」を探したくなる教育プログラムの開発 |
8 | 京都市交通局 | 観光客の京都駅前バスターミナルへの一極集中を解消する施策を考案せよ |
9 | 株式会社フラットエージェンシー | コロナ終息の状況でどのように集客・効率化を目指すか。様々な角度から提案してください。 |
10 | 日新電機株式会社/株式会社日新システムズ | 地域住民間でコミュニケーションが図れる参加率の高いイベントを企画してみよう! |
O/OCF-PBL2活動報告書
課題解決型授業への挑戦 ●プロジェクト・ベースト・ラーニングの実践と評価

本書は、キャリア形成支援教育科目「O/OCF-PBL」という、課題解決型授業(PBL)として企業等から提供される課題の解決活動を通じて、実社会で必要とされる心構えや能力を身につけることを目的に設定された科目について、その背景や運営方法、成果をまとめました。企業等から提供された課題を基にした授業の実践例や、PBL等のキャリア教育の受講における就職活動への影響などをデータや図表で掲載しており、このようにPBLの全容を体系的にまとめた書籍はほとんど前例がありません。なお、当該科目は、経済産業省「社会人基礎力を育成する授業30選」にも選ばれるなど、全国的に見ても注目を集めています。
監修・編著
監修:後藤 文彦(ごとう ふみひこ)京都産業大学名誉教授
編著:
伊吹 勇亮(いぶき ゆうすけ)京都産業大学経営学部准教授
木原 麻子(きはら あさこ)京都産業大学現代社会学部准教授
登録情報
単行本(ソフトカバー): 272ページ/出版社: ナカニシヤ出版 (2017/4/30)
言語:日本語/ISBN-10: 4779511658/ISBN-13: 978-477951165
出版年月日:2017/4/14/定価:本体 3600円+税
商品パッケージの寸法:21x14.8x 2.5cm
チームビルディングや チームワークの経験を発展させ 成果に結びつけることができました。

1年次でのOCF-PBL1の受講を経て、2年次でOCF-PBL2を受講。8名のチームで「JTBのリソースを利用して社会課題を解決するビジネスモデルの構築」に取り組みました。環境問題などは規模が大きく、一企業の取り組みでは解決が難しいため、ビジネスとして成立しないことに気づきました。結論が出ないまま迎えた中間報告で担当の方から「身近な問題から考えてみては?」とアドバイスを受け、JTBが地方自治体などと連携している点もリソースとして捉え直すことで、課題と解決方法を見出していきました。困難もありましたが、PBL1で学んだチームワークの経験を活かし、各々が得意分野を発揮して補い合える関係づくりをより発展させられたと感じています。
伊藤 淳仁(いとう あつひと)さん
現代社会学部
現代社会学科 2年次生
先輩の学び
企業人と学生のハイブリッド
対象年次 | 2年次~4年次 |
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開講時期 | 秋学期 |
リアルな仕事の流れを企業の若手社員とのプロジェクトで体感
企業の若手社員と学生とのハイブリッド(Hybrid:混成、融合)による、人材育成を目指した授業です。企業の若手社員1名と学生3名が1つのチームになり、企業が抱える「リアル」な課題に挑戦し、リーダーシップ、プロジェクト・マネジメント、倫理的思考などを学びます。課題解決に向けた過程では、実社会で必要となる知識・スキルを培えることに加えて、「働く意義」についても理解を深めることができます。


葛藤や困難を乗り越えて チームワークで優秀賞を獲得。将来に向けた深い学びの経験に。

若手社員の方1名と学生3名のチームで、「新晃工業の効果的な新卒採用方法の提案」に取り組みました。学生同士の議論では、当初意見が活発に出なかったり、アプローチ方法に悩み迷走したりと葛藤がありました。議論を重ね、中間発表にこぎつけたものの、大きく見直しを迫られることに。でも、社員の山本さんをはじめメンバーの結束力や意欲も高まっていて、見直した方がよい提案になると納得。積極的に情報収集を行い、見つけ出したアプリケーションソフトで実践的な課題解決案を作成できました。4カ月間の活動で、チームワークはもちろん企業のあり方や仕事への姿勢、人との接し方など多くの深い学びがあり、とても意義ある経験となりました。
加田 鈴奈(かだ すずな)さん
現代社会学部
現代社会学科 3年次