瀧 達 さん

略歴

1995年:兵庫県立夢野台高等学校卒業
2000年:外国語学部言語学科スペイン語専修卒業
NGO団体 Intervida Ecuadorにて勤務
(2008年12月現在)




現在の仕事について

 私はNGO団体に所属しており、団体としては学校建設、教育支援、医療供給、産業促進などの活動を行うために世界の様々な国に事務所を構えています。現在は同団体のエクアドル事務局に配属されていますが、この原稿を書いている時点(2008年12月)は研修の一環としてエルサルバドルに1カ月間滞在しています。私が担当している仕事内容は、団体の目的である活動(上記の学校建設など)を実現するための資金集めです。具体的にはNGOの活動に出資する公的機関や、社会貢献の一環として寄付先を探している民間企業を見つけ出し、我々がどういう団体でどのような目的で活動を行っているのかを説明し、団体の活動への出資者を募る事です。

 私自身この仕事を始める前は、NGOというと途上国の現場で太陽の下汗水流して地域住民と建設現場で働くといったイメージを持っていましたが、実際には様々な分野の専門家がいて、私のようにデスクワークを専門とするスタッフもいます。とはいえ我々のようなNGOにとっては現場での支援活動が第一ですので現場視察や現場の専門家との話し合いを経て必要な知識を得たりしています。事務局に所属する日本人は私1人だけで、当然ながらスペイン語ですべての仕事を処理しなければなりませんし、ましてや「スペイン語のネイティブではないので・・・。」といった言い訳は通用しません。仕事をする上でも団体が手掛けている教育、医療、建築、農業、環境といった分野に加え、国の政治、経済、産業、社会についても専門家やスタッフと対等に話ができるように語学だけではなく、各分野の知識もある程度必要となります。私自身もまだまだ語学を向上させなければなりませんし、自分が思い描いているような段階にはまだまだ達成できていませんが、むしろこのような状況が刺激的であり、いい緊張感があります。自分が「できなかった」と落ち込む気持ちを「次こそは」という向上心に変えて、モチベーションを保つようにしています。

学生時代について

学生時代は率直に言って優秀な学生ではありませんでした。成績も後ろから数えた方が早い、というよりむしろ最後尾を争っていたと思います。大きな原因として、自分が何をしたいのかがはっきりと分からないまま学生生活を送っていたので勉強に対するモチベーションが低かったからだと思います。そんな学生生活を過ごしていましたが、当時できたばかりの派遣留学制度でメキシコ自治大学へと留学させていただいた事が大きな転機となりました。成績が芳しくないにも関わらず、派遣留学をさしていただいた事は今でも大学並びにお世話になった先生方に大変感謝しています。私の場合はたまたま非常に運が良かっただけで派遣留学できたのですが、結果としては私自身の視野と可能性を大きく広げる事ができたと自負しています。留学以前は将来について何のビジョンも持っていませんでしたが、この時の経験から将来的に海外で活躍できるようになりたいと思うようになり、少しずつ進路の問題について取り組むようになりました。

学生時代に大学を卒業した後の進路に対する明確なビジョンをなかなか持つ事できない方もいらっしゃるかと思います。実際私自身もそうでした。ですが改めて言うまでもなく、いずれは誰もが自分自身の進路に直面しなければならない時が来ると思います。私も現在の職を得るまでには紆余曲折を経てきましたが、そのなかで学んだ一番大切な事は、「人との繋がりを大切にする」という事です。私自身も以前していた仕事の関係からの紹介で面接を受け、NGOで働く事になりましたし、一人ではできない事も人から色々な事を教えてもらったり、助けてもらったり、共に問題に取り組む事で乗り越える事ができると思います。色々な人と関わり合いながら生きていくという事を忘れずに学生生活を楽しんでください。

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