研究機構長からのメッセージ

大学は、学生が学ぶ場であると同時に、新しい知識や技術を生み出す「研究の場」でもあります。そのため、大学の教員は「教育者」としてだけでなく「研究者」としても活躍し、学生にとって質の高い学びを提供しています。本学は、こうした教育と研究の両輪を重視し、これまでも新しい知見を教育に還元しながら、将来の社会を担って立つ人材の育成に取り組んできました。2001年4月には、研究のさらなる発展を目指して、研究機構を設置しました。
その後、大学を取り巻く環境が大きく変化し、社会や産業との繋がりがますます求められるようになってきました。本学もこの流れに応じて、学内ではさまざまな研究支援制度を整え、現在では7つの研究所と4つの研究センターを設置し、人文・社会・自然科学および学際領域も含め、社会のニーズに応える研究を行っています。その成果は科学研究費や、NatureやScienceといった世界的な学術誌への論文掲載など、目に見える形で表れています。今後も、新たな研究分野への挑戦や産学官連携の強化、グローバル化への対応を図ることで、優れた成果が期待できる分野については、研究所や研究センターの設置を進めていきます。
最近では2023年10月に「神山宇宙科学研究所」を開設し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や民間企業と連携しながら、太陽系や小惑星の探査、さらに超小型衛星の観測機器の開発にも取り組んでいます。また、この研究が未来のビジネスにも活用できるよう、イノベーションセンターとも協働し、研究成果の実用化と次世代の人材育成も目指しています。
本学では、2030年の行動指針として「むすんで、うみだす。」を掲げています。研究機構も大学の理想像を見据えながら、本学の研究成果を学内外の研究と「むすんで」、そこから優れた成果を「うみだす」ことを目的として、産学連携の強化や研究成果の実用化を積極的に支援し、社会や産業界に新たな価値を創出する研究活動を推進してまいります。また、学内外の人材交流や共同研究を推進し、オープン・イノベーションの創出にも取り組んでいきます。多様な分野の研究者が集まり、互いの知見を共有する機会を提供することで、本学の研究活動がさらに発展し、広く社会に貢献することを期待しています。
研究機構長 中島 伸介