炭本 力 さん

略歴

1996年3月 北陽高等学校(現・関西大学北陽高等学校)卒業
2000年3月 京都産業大学外国語学部言語学科ロシア語専修 卒業
勤務先:(株)たかはしや 販売部長
(2010年7月現在)


 月日が経つのは早いもので、私が京産大を卒業して11年になろうとしています。

 正直に申し上げて、卒業してからの私の生き方が在校生の皆様にとって何の参考になるのかと思いましたが、このような考え方の卒業生がいてこんな仕事をしている、と軽く受け取って頂ければ良いと思います。

 私は京産大を卒業後、様々な方々との繋がりや縁のお陰もあり、現在「(株)たかはしや」というグループで独立して営業活動を行っています。内容は、百貨店やスーパーマーケット、温浴施設等での海鮮加工品の催事販売業です。現地での販売は勿論、日程の調整、売場の新規開拓、アルバイトの管理、冷凍車のメンテナンス等、全て自己責任で行います。

 また、常設の店舗ではありませんので、催事の日程が近付けばその施設に赴きますので、決して楽をして稼ぐ商売ではありません。同じ様に会社を退職して催事販売業を始めても、頓挫し諦めてしまった者も多いです。周囲の人間は当初、「この不景気な時代に…」と訝しげな反応でしたが、私は周囲が思っている程不安は感じておりませんでした。単純に商品が並んでいて、それを買います売りますというものではなく、購入に至るまでの買う側の心理を読み取って購入してもらうという催事販売業の特徴と利点を生かせば、この商売でもやっていけると感じたからです。

 こういった催事販売業での利点としては、自分で自由に売場を決め、スケジュールを立てられる事です。日程を詰めて働いても、1週間休みにしても構いません。現在は週2〜4の休日をとっています。売場を選択できますので、その地方の名所を観光したり、特産品を安く購入したり、様々な方や業者の方と繋がりができ、メリットになる部分も多いです。

 現在、催事販売で訪れた地域は大阪を拠点に、東は埼玉から西は岡山と徐々にエリアが広くなっています。それに伴い売上も少しずつながらも伸びてきておりますが、一番重要なのは人との繋がりであると実感しております。

 私が在学していた4年間は、特にロシア語を熱心に勉強するような学生ではなく、褒められたものではありませんでした。4年間で卒業できるのかといった様な学生でしたが、卒業後はこうなりたいと漠然と考え始めたのが3回生の終わりと卒業前にロシアに旅行した辺りからだと思います。日本とは違う独特の雰囲気、売っている商品や売り方、建築物、物価の違い、考え方など全てが自分にとって新鮮なものだったので、その後の自分のあり方を考え始めたきっかけになりました。

 私は在校生の皆様に、独立・起業を特に勧める気はありませんし、就職する事が絶対良いとも言いません。大学院に進んで学問を追求するのも良いですし、海外に放浪の旅に出て異なる価値観に触れるのも素晴しいと思います。アルバイトをしながら手に職を付け、その後社員登用を考えるという道もあります。

 いずれの道を選択するにしても、周囲の意見に耳を傾けながらも、最終的には自分が本当に納得する所で決めて下さい。結論を急がずに、5年後や10年後どうありたいかというビジョンを定めて色々試しながら目的へ辿り着いても構わないと思います。  重要なのは自分で納得して行動する事です。

 人間は100%死ぬのですから、コウデナケレバナラナイと変に凝り固まった考えをせずに、楽しく人生を納得できれば良いのではないでしょうか

 
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