先輩の学び(基礎導入教育)
経済のしくみを一から学び
経済学が身近な存在に。
京都産業大学の経済学部は日本経済から世界経済までさまざまな分野の先生方がいらっしゃることや、基礎導入教育で経済学の基本から丁寧に学べることが魅力です。経済学とは、お金やモノの流れを分析し、世の中の経済活動を理解するための学問のことです。基礎導入教育では「需要と供給によって価格が決まる」という、誰もが一度は聞いたことがある経済のしくみからスタートし、しっかりと学びの土台をつくっていきます。
私も基礎を固めたことで、ミクロとマクロの、両方の視点で社会のさまざまな動きを捉えられるようになりました。そして、その成果は「労働経済学」の授業中に実感しました。労働者の社会的立場に着目すると、さまざまなワークスタイルがあることが分かります。例えば大学生は、自分を成長させられるように、限られた時間から、学業のための時間とアルバイト(労働)時間、余暇(休暇)を決めています。他のワークスタイルと比べて緩やかな制約のもと、どれかへ偏らずにバランスをとるように、時間を配分しています。一方で子どもがいる家庭では、個人のことだけを考えるのではなく、家族全体のことを考えて、家族間でどのように協力して労働時間と家庭での時間を使うのか考えるようになります。つまり、ライフステージが変われば、考慮するべき事柄が変わり、時間の使い方も変わります。このように多様な視座で労働者に注目すると、社会のリアルな動きが見えてきました。物価高騰の背景にある円安ドル高の動向や、国や自治体の経済政策にも関心を持つようになり、日々のニュースにもアンテナを張っています。他にも、データの収集や分析、Excelを用いた計算など、社会で生かせるスキルが身に付きました。こうした学びを通して、これまで縁遠いと思っていた経済学がどんどん身近な存在になっていると感じています。
経済学科 3年次
飯田 響介さん
※掲載内容は取材当時のものです。
経済学の土台になる大切な基礎。
1年次に全員が受講する基礎導入教育科目の「経済学入門Ⅰ・Ⅱ」や「データ処理セミナー」などでは、ミクロ・マクロといった経済学の軸となる知識からExcelを使ったデータ分析の手法まで、経済学を学ぶうえで欠かせない基礎をしっかり学ぶことができます。
経済学は文系でありながら、金利や株価など数字が絡んでくる場面が多々あります。私自身もそうでしたが、数学が苦手だと最初は身構えてしまうかもしれません。しかし、その数字の先にあるのはすべてリアルな社会。たとえばスーパーで売っている野菜の価格が高騰したり、紛争が起きた国の株価が急激に下落したり。身近で起こっていることも世界で起こっていることも、すべて数字から読み解くことができます。そんなふうに世の中を見渡す面白さに気付くと、数字に対する苦手意識もだんだん薄れていきました。
2年次以降はどんどん学びが発展していきますが、たとえ複雑な計算や分析が飛び出しても基本に立ち戻れば「あ、そういうことか」と理解しながら前へ進めます。2年次秋学期から始まるゼミで実践的な学びにチャレンジできているのも、1年次にしっかり固めた土台があるからこそ。今振り返っても、経済学初心者にとってすごくありがたいカリキュラムだったと思います。
経済学科 3年次
森脇 梨花さん
※掲載内容は取材当時のものです。
経済学を学ぶための土台をつくる。
文系の学生が経済を学ぶ最初の壁は、数式や計算かもしれません。1年次に出会う経済学の基礎「ミクロ経済学」「マクロ経済学」でも数式を用いた計算が必須です。
特に家計や消費の動きをたどるミクロ経済学では「平均費用=総費用÷生産量」など、経済学の用語と数式が組み合わさることで、余計複雑に感じられるかもしれません。
また登場する数字の桁が大きいことから、直感的に理解しにくい面もあります。10や100ではなく、1,000,000や1,000,000,000など数百万、数十億の単位は頭では桁が大きいだけだとわかっていても、計算間違いのリスクや複雑さを無意識に感じ取ってしまうのです。
ただし、これらは最初こそ及び腰になっても、現実的には「慣れ」で解決できるというのがポイントです。日々の経済ニュースを意識して見ることでも違ってきます。
ミクロ経済学は数式やグラフと向き合い、マクロ経済学は経済用語が頻出して用語の取得がメインになる学びです。裏を返せばそれらの学びこそ経済学の土台であるということ。
1年次のスタートダッシュでミクロ・マクロ経済学を徹底的に学び、あわせて、データ処理セミナーで、Excelなど分析ツールを使えるようにさえなれば、一気に経済学が身近に感じられます。
基礎導入教育は、基礎でありながら初めて経済学に触れる1年次生にとっては意外な発見も多い学びです。ぜひ楽しんで受講してください。
経済学科 2年次
武田 陸人さん
※掲載内容は取材当時のものです。
土台づくりのフォローが手厚い。
「これって何の役に立つんだろう…」。ミクロ・マクロ経済学は、経済学部の学びで最初にぶつかった壁でした。
まだ理論の段階なので、実社会とのつながりもピンとこない。数字の扱いもコツをつかむまでは苦戦しましたが、少人数制のため先生はどんな質問にも丁寧に答えてくれました。また、大学のWebシステム上に授業のレジュメが掲載されているので、予習や復習もすごくしやすかったです。
そんな風に1年次の春学期からフォロー体制が整っていたおかげで、着実に基礎知識が身に付いていく実感がありました。また秋学期の「日本経済リレー講義」では、経済学という広い分野をテーマごとに俯瞰して見ることができ、自身の関心を探るきっかけにもなりました。
大学で学ぶ経済学は「ミクロ」「マクロ」の基礎理論から、国家の財政や貿易など専門的な領域へとシフトしていきます。思えば3年次にCO2排出量問題などを経済の視点で分析した「環境経済学」や、都市の就業率や人口移動を学ぶ「都市経済論」など、やりたい学びに挑戦できたのも、1年次の土台があったからこそ。今なら悩んでいた1年次の頃の自分に、それは越えるべき価値ある壁だと胸を張って伝えられます。
経済学科 4年次
守屋 諒さん
※掲載内容は取材当時のものです。