Pick up ゼミナール
日本経済の観察と分析
関田 静香 ゼミ
基礎的な経済理論とデータに基づいて経済を楽しく学ぶ

このようなゼミ活動を通じて身に付けられる能力は少なくとも5つ考えられます。1つ目は、「経済理論」を用いて物事を考えられるようになることです。関田ゼミでは非常に多くのトピックを扱いますので、それぞれについて高度な経済理論を用いることは不可能ですが、基礎的な経済理論を土台に経済事象について考えることができるようになります。2つ目は、毎回の課題を通して、「新聞」を読むことが習慣となり、経済情勢にアンテナを張ることができるようになることです。3つ目は、「データ収集・分析能力」です。信頼性のある客観的なデータを収集し、それを用いて分析することで、建設的な議論をすることができます。これは、データサイエンスに通じる学びと言えます。4つ目は「学術論文の読み書き」です。自分の研究テーマに関連する多くの先行研究を読み、自分の論文を何度も推敲することからこのような能力を得ることができます。5つ目は「プレゼンテーション能力」です。大会や報告会に向けて、自分の論文を聞き手に効果的に伝えるためにスライドや話し方を工夫します。
皆さんは大学卒業後、社会人になった時に、さまざまな課題に直面すると思います。関田ゼミで得られる5つの能力は強力な武器となり、皆さんの人生の助けとなるでしょう。
日本の金融・資本市場
西村 佳子 ゼミ
BtoB企業への訪問を通じて、金融の本質を理解する

ゼミ生は企業活動の全体像をデータで捉えるため、訪問の数カ月前から財務データ、株価、競合他社のデータなどを調査・分析し、事業の規模を数値として理解します。それでも実際に企業を訪れると、事前の想像をはるかに上回る工場の規模や高度な技術に圧倒されます。そして見学後に社員の方から、技術開発や製品化にかかった長い時間や開発費用、開発に注力したのに売れなかった製品の話、海外事業の難しさなどについて伺うと、事業のリスクの大きさを実感します。
このゼミでフィールドワークを重視する狙いは、株式市場が「企業の事業リスクを投資家が資金面から分担する場である」という気付きを得ることにあります。事業のリスクも高度な技術も、製品開発の成否も株価に反映されている、と気づくと、ただの数字が持つ多くの情報に興味がわくでしょう。こうして、データと現実の企業活動の両方を眺めながら行うゼミ活動で獲得する知識や物の見方は、就職活動での企業選びなど、社会で生きていくうえでゼミ生の力になるはずです。
経済学をリアルな社会に結び付ける
倉本 宜史 ゼミ「まちづくりや地域活性化を経済学で考える」
地域が抱える問題をあぶり出し、経済学の手法で切り込む

例えば、赤字が問題になっているローカル鉄道があったとします。鉄道会社からも「利用者が少ないので廃線にしたい」との声があり、地元住民も仕方なく受け入れざるを得ない状況において、鉄道マニアからは「価値があるから残してほしい」と反対の声が上がる。しかし、維持するために経済的な負担を強いられるのは地元の人たちです。感情的に訴えるばかりではなく、鉄道を残す具体的なメリットを提示しなくてはなりません。
ゼミでは交通だけにとどまらず、地域が抱える課題全般を経済学の手法で解き明かすことをテーマにしています。まずは、経済学の考え方の1つである「市場の失敗」をもとに問題を提起。「市場の失敗」とは「子どもが遊べる公園がない」や「騒音が発生している」など、人々の経済活動の中で生まれる悪影響を意味します。
2年次にはフィールドワークを中心に実際の問題を発見する力を磨き、3年次にはデータ分析や論文執筆を通じて、問題の解決策を考え、ステップアップしながら研究を進めます。
地域経済を考えるということは、地元の人たちがどうしたら幸せになるのかを考えることです。そして問題があれば、論理的な考え方と客観的根拠を組み合わせて、いかに説得力のある解決策を提案できるかが重要です。
ゼミでの学びを通じて、これらの力を存分に伸ばしてください。
地方財政を立て直すための政策を提案
菅原 宏太 ゼミ「地方自治体の財政問題についての研究」
地方は未来の社会を映す鏡マクロな視点から経済を捉える

今年は京都府宮津市の協力を得て、学生が実際に現地を訪問。フィールドワークで感じた問題点や、財政を立て直すための政策を自治体に向けてプレゼンテーションしました。
国家経済をマクロな視点で捉えると、地方経済は国家を組み立てる1つのパーツ。ジェンガのように積み重なった地方が1つでも崩れると、国家全体がバランスを崩してしまいます。地域の実情を近い将来の社会全体の縮図として捉え、そこから国や世界の経済へと視野を広げてほしいと思います。
わが国の経済問題と政策
松尾 美紀 ゼミ
経済問題を解決する実践力を身に付ける

経済学科 4年次 荒川 紗碧さん

フィールドワーク
北村 紘 ゼミ
“うれしさ”の価値は—。

経済学科 2年次 中山 莉奈さん

京都って、場所によってお茶の値段が違ったり、季節で着物のレンタル代が変わったりするんです。
観光地だからと言ってしまえば簡単だけど、その背景には、人がどんなときにお金を出すかを考えるヒントが隠れています。
同じ商品であっても、受け取る人の気持ちで価値が変わる。
「久しぶりに家族で旅行に来たから」、「大好きな友達と一緒だから」。
少し高くても買ってもいいと思うのは、例えばそんな「うれしさ」が背中を押すから。経済学って単に数字を扱うだけじゃなく、データの裏側にある気持ちの部分にも目を向けてみるとすごく面白いんです。
都市と地域の 経済分析
寺崎 友芳 ゼミ
地域の課題を分析する力と、解決策を提案する力を身に付ける

こうした学びの中で、Uターン就職を志すようになる学生も少なくありません。
経済学科 4年次 山崎 寛斗さん

経済学科 4年次 佐々岡 美帆さん

日本経済と金融
坂井 功治 ゼミ
金融の基礎を学び、経済動向を考察

経済学科 4年次 西川 風雅さん

21世紀の社会保障
福井 唯嗣 ゼミ
社会保障をテーマに研究を深め、プレゼンテーション能力を磨く



に参加 ※ Inter-university Seminar for the Future of Japan
これから生まれ来る世代にも配慮した社会保障制度を模索する
ゼミ生インタビュー
柚木さん:保険、年金、介護、医療など、社会保障に関するしくみを理解しておけば、自分の将来に必ず役立つと思ったのが、先生のゼミを選んだきっかけです。
福井教授:もちろんしくみを理解することも大切ですが、少子高齢化が進むわが国では、増え続ける給付の財源をどこに求めるかが今後の大きな課題です。
平野さん:私たちの人生に大きく関わる問題ですね。
福井教授:その通りです。しかも、誰もが納得する解決策を見い出すのが難しい課題でもあります。
柚木さん:それだけに、やりがいも感じますね。
小松さん:私たちも、昨年は社会保障制度改革について研究に取組み、論文をまとめて、ISFJ(日本政策学生会議)※で発表しました。
平野さん:「分科会賞」を獲得することができました。
柚木さん:研究内容をまとめるのは本当に大変ですが、グループで作業していくのが、もっと大変でした。
小松さん:与えられた仕事だけではなく、自分で考えて行動することの大切さを学びました。
福井教授:実はそれがゼミの狙いです。社会人に必要となるスキルを就職活動までに身につけること。研究だけではなく、協調性、忍耐力、持続力など多様な力を磨いてほしいと思って います。
柚木さん:福井ゼミは、ディスカッションやグループワークが本当に多いですね。
平野さん:個人ではなく、グループで作業をする場合、最初は自分の考えを正しく相手に伝えることに苦労しました。でも全員の意見がうまくまとまったり、試行錯誤の末に論文が形に なったりしたときの喜びは大きいですね。
小松さん:私も伝える技術が磨かれました。
柚木さん:それに加えて、自分が今求められていることを考える力も身についたと思います。
小松さん:福井先生は、具体的なことは言わなくて、みんなに考えさせますね。
福井教授:そう、わざと言わないのです。自ら考えることが大切ですから。答えを出してはだめでしょう?
柚木さん:その厳しい指導のおかげで、社会人に必要な考え抜く力はしっかり身につきました。
小松さん:特に、人を説得する力が身につきました。
平野さん:社会保障制度に関する知識はもちろん、ゼミで培ったプレゼンテーション能力を活かして、社会に出てもがんばります。