日本経済リレー講義

「経済学への羅針盤として」

今ほど情報が豊富ではなかった時代、羅針盤を持たずに航海へ出ることほど危険なことはありませんでした。同じように、大学において方向性の見えない授業に出続けることほどツマラナイことはないでしょう。

「経済学部の授業は抽象的な議論が多くて、現実の経済との関わりがどうなっているのか分かりにくい!」
学生からよく聞く声です。でも、本当は、それぞれの講義は現実の経済社会の動きと密接な関連を持っているのです。ただし、実際の経済は非常に複雑なので、経済学には多かれ少なかれ、ある程度の抽象化が必要となってくるのです。自分の興味ある問題、勉強したいテーマ、そういったものがはっきりしていない学生は、往々にして抽象的な議論の波に流されてしまいがちです。それはまさに、羅針盤を失ってしまった大海の中の小さな舟のようなものです。
「できれば、そのような学生を1人でも少なくしたい!」
「より多くの学生に、興味を持って経済学の授業に臨んで欲しい!」
こんな教員たちの思いから生まれたのが、この「日本経済リレー講義」です。

現実経済の様々な問題、そしてそれらが経済学ではどのように扱われているのか。学部の早い段階からこのような点に興味を持ってもらい、上級年次での経済学に取り組めるような、経済学への羅針盤となるような授業を、この講義では目指しています。

この講義では、1年次生を対象に、経済学部教員がそれぞれの専門分野の立場から「日本経済は今どのような問題をかかえているか」という共通テーマについてリレー式でわかりやすく話をします。講義を通じて、日本経済の現状の理解を深め、現実の経済の動きに興味を持ってもらうとともに、上級年次で受講する経済学の専門科目へのステップとしてもらいたいと思います。

以下の順番で、海外と日本、経済政策の問題から、都市・環境・労働などの個別分野に議論が及び、最後に日本経済全体をまとめるという構成になっており、各教員の専門分野の内容を概観すると同時に、「やさしい日本経済入門」になっています。

2021年度講義内容

【日本経済リレー講義A】

講義回 担当者
4月19日 藤井 イントロダクション
4月26日 イケダ 自然災害リスクと減災に向けた地域の役割
5月6日 大坂 途上国の経済発展
5月10日 梶谷 労働時間規制の根拠:長時間労働の何が問題か?
5月17日 加茂 「決め方」の話:社会選択論への誘い
5月24日 川越 貿易政策
5月31日 北村 流行を創造する企業の経営戦略
6月7日 倉本 地域の交通問題とその対策
6月14日 企業活動とマクロ経済学
6月21日 武田 環境経済学
6月28日 寺崎 地域間格差の現状と対策
7月5日 西村 金融に関する最近の話題について
7月12日 広田 国民経済計算で見た日本経済
7月19日 八塩 日本の国家財政の現状と課題
7月26日 藤井 まとめ

【日本経済リレー講義B】

講義回 担当者
9月27日 坂井 イントロダクション
10月4日 飯田 公共部門の役割とその課題
10月11日 大川 国際経済統計から見た日本経済
10月18日 大西 伝統とハイテクが共存する京都産業の魅力
10月25日 後藤 日本の経済体制
11月8日 菅原 京都市財政の診断結果
11月15日 「世界的経済循環」から見る21世紀後の中国と世界の経済関係
11月22日 関田 人口の変化と日本経済
11月29日 田中 人的資本論 教育の経済的効果
12月6日 玉木 高度経済成長と集団就職
12月13日 寺井 日本経済と物価
12月20日 並松 食料問題と農業政策
1月6日 松尾 経済成長と政府の役割
1月17日 山内 明治維新の大変革ー土地は誰のもの?ー
1月24日 坂井 まとめ

履修上の注意

毎週講義のスピーカーが代わるので、経済学部にどのような教員がいるかを知る意味でも楽しい講義になると思われます。毎週の講師が何にポイントをおいて話そうとしているのか、興味を持って授業を聞くことが重要です。なお、授業内容と目的から、履修登録できるのは経済学部1年次生に限ります。
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