教育・研究

毎日こんなに楽しくていいんだろうか、研究に没頭した大学時代。

生命科学部
先端生命科学科 教授

千葉 志信

タンパク質膜組込装置YidCがもつ重要な性質を明らかにした研究は、世界で権威ある学術雑誌「ネイチャー」に掲載される。趣味は生物の写真撮影、研究室のメンバーとの釣り。

学園祭のような毎日、1冊の本との出会い

私の大学時代を振り返ると、研究室に入ってから劇的に生活が変わりました。所属したのは、アフリカツメガエルを使って細胞周期の研究を行う研究室。生物が好きだったことから自然豊かな北海道の大学に進学した私にとって、生物を飼育して実験する研究作業のすべてがまるでイベントのようで、毎日が学園祭みたいでした。生活の中心が研究になり、「毎日こんなに楽しくていいんだろうか」と思うくらい研究に没頭しました。また、大学時代に読んだ1冊の本、リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』との出会いも当時の私には衝撃的でした。これまでの生物への先入観が覆されたからです。生物の進化や行動は遺伝子によって支配され、人や動物など、この世のすべての生物は遺伝子が存続するための「器」でしかないという学説に触れ、これまでの人間を主役にとらえた生物学へのアプローチを転換するきっかけになりました。大学で研究の楽しさを知り、生物の奥深さに触れたことが、間違いなく今の研究者としての人生につながっていると思います。

「自然からともに学ぶ」がモットー

研究は楽しいことばかりではなく、もちろんプレッシャーや生みの苦しみもありますが、未知の現象や原理の発見は、人類において自分しか知り得ないこと。そう思うと、発見した直後は興奮して眠れないほどです。また、国を越えた研究者との交流があり、自分の人生観を変えるほどの優秀な研究者との出会いも数多くあります。ノーベル賞を受賞した研究者と会話できるなんて、大学時代には想像もしなかったこと。彼らと同じステージに立ち、「世界のトップをめざす」という高い目標があるからこそ成長もできるんだと思います。だから特に理系のみなさんには、私がそうであったように、まずは大学時代に研究の楽しさを味わってほしい。そして、私ができなかったこととして、早くから海外に目を向けてほしい。
京都産業大学には「グローバル・サイエンス・コース」もあるので若いうちから英語にも力を入れてほしいと思います。とはいえ、「世界トップの研究」を目指ししながらも、私の研究室は生物好きの穏やかなメンバーが集まり、とてもアットホームです。空き時間には自然探索に出かけることもあります。「私が教える」というよりは「自然からともに学ぶ」というモットーのもと、教員も学生も対等のスタンスでサイエンスの楽しさや素晴らしさを味わっていきたいと思います。
在学生へのメッセージ!

自分や他者について考えるうえで、いつも私の根底にあるのは「一人ひとりの人間は奇跡的な存在」であるということ。人間も遺伝子レベルから見れば「偶然の産物」に過ぎません。そういう生命に対する視点を持てば、人との出会い、あるいはあなたの大学生活が、また別の側面から見えてくるのではないでしょうか。

会いたい!」と思った人はここへ

タンパク質の誕生・成熟・局在化に関する研究を行っています。

※掲載内容は取材当時のものです。

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