修学支援
未来は「小さな種まき」から、ぜひ、一歩を踏み出してほしい
ボランティアセンター
ボランティアコーディネーター
井上 泰夫
2016年から京都産業大学に勤務。学生時代からボランティアに取り組み、ボランティア活動が持つ学習効果を自ら体現してきた。休日は子どもたちと自然の中で遊んで過ごす。
社会で役立つ実感が、学ぶ意欲になる
私たちのくらす社会にはたくさんの課題があり、若者の力が期待されています。ボランティアコーディネーターという私の仕事は簡単に言うと、こうした社会の課題と、学生がこんな活動をしたいという想いの、2つの「ニーズ」をうまくマッチングさせることです。私自身が、人生を通じてボランティアから多くのことを学びました。それがきっかけでボランティア活動を支援することを仕事にしています。教室で得た知識は、社会で活かせた時に輝き出すもの。とりわけ低年次の学生のみなさんは授業を受け身で受講する場合も多く、なぜこの学びが必要なのかを理解できずに学習していることも少なくありません。学んでいることを社会でどう活用できるかが見えた時、学びのステージへと上がることができるんだと思います。そして、困っている人に手を差し伸べるだけでなく、その人を困らせている社会のメカニズムを見つけ、その状況を変えたいと思う時に、人として大きく成長していくはずです。また、社会で自分が役立っていることを実感できると、「もっと学びたい」という意欲にもつながるでしょう。それが、ボランティアが持つ大きな効果だと思います。
お互いに変化が生まれるのがボランティア
大学生活のなかで、学んだ知識を社会のフィールドで試せる機会はなかなか少ないもの。ボランティアには、社会や人に貢献しながら、自らも成長でき、あったらいいなと思う社会をカタチにできる喜びがあります。ボランティアを通じて「学ぶ意味がわかった」とか、「やりたいことが見えてきた」といった変化を学生が話しに来てくれると純粋にうれしいもの。同時に、地域からも感謝の声をいただき、一方的な奉仕ではなくお互いに変化が生まれることが、私のやりがいでもあります。2012年の夏、大学生たちと岩手県沿岸部をボランティア活動で訪れました。東日本大震災による津波の被害があまりに大きく、「私たちにできることの小ささ」に途方にくれていました。その時、宿泊所の小学校の体育館で見つけたのが「未来への種まき」という言葉です。その言葉どおり、今は小さな取り組みであっても、未来はそんな小さな種まきからつくられるんだと強く励まされました。だからこそ、「ボランティアをしたいけど、どう始めたらいいかわからない」という学生のみなさんも、私たちのところへぜひ一度足を運んでください。1日体験プログラムもあります。ぜひ、小さくても未来へとつながる第一歩を踏み出してほしいと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。