聴覚障害者の国際大会「デフリンピック」に出場
スポーツ-
経済学部 1年次
笹島 航太さん
自信と実力を培ってきた、1年半の代表候補期間。
デフリンピックとは、4年に1度開催される聴覚障害者のためのオリンピックのこと。普通の会話が聞き取りにくいレベルの聴力、正確には55デシベル以上の音でなければ聞き取れない聴力であることが参加条件のひとつです。聴力の差が影響しないよう、試合中は補聴器などの使用が禁止され、審判はジェスチャーを使って進行します。硬式テニスの場合、日本代表選手に選ばれるには地方大会での優勝と全国大会ベスト4を満たす必要があります。私は高校時代にこの条件をクリアし、代表候補選手として毎月1〜2回の代表合宿に参加し続けてきました。京都産業大学に入学してからは、硬式テニス部に所属し健常者向けの大会にも参加しており、強い選手から積極的にアドバイスをもらうなど、試合を通じて成長できるように意識しています。時には健常者向けとろう者向けの試合が重なることもあるので、体力的にキツイこともありますが、とにかく“勝ちたい”という気合いで試合に臨んでいます。代表候補入りしてから約1年半。7月19日から開催されるデフリンピックに出場するため、着実に実力を伸ばしてきたという自信を胸に、開催地のトルコへと向かいました。
日本のろう者テニスを世界トップレベルに引き上げていきたい。
私にとっては初めての国際大会。全力を出し切ろうと心に決め、男子シングルスと男子ダブルスに出場しました。しかし、海外の壁はやはり高かったです。日本はアジアでは比較的レベルが高いと言われますが、欧米に比べるとまだまだ。私も思うような結果を残せず、悔しい思いをしました。ですが、自分の競技人生はこれからが本番。目標は40歳まで現役として活躍し、日本のろう者テニスのレベルを引き上げることです。そしてその後は監督として、後輩選手の育成に貢献したいと考えています。今回の悔しさを忘れずに、今後練習だけでなく、ろう者、健常者を問わず強い選手との試合経験を積み、さらに実力を高めていきます。まずは自分が世界で戦える選手になることを目指し、努力し続けたいと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。