【理学部】宇宙物理・気象学科 安藤紘基准教授が「令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」において「若手科学者賞」を受賞しました
2025.04.17
文部科学省が2025年(令和7年)4月8日(火)に発表した「令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、「電波掩蔽法と数値モデルを用いた金星大気の研究」の業績により、「若手科学者賞」を受賞しました。

地球・火星・金星の大気を比較して汎惑星気象学を構築する試みは古くからあり、前二者の大気は比較的良く調べられています。一方で、金星には分厚い雲層があるため、光学機器では特定の高度帯しか観測できず、特に大気の鉛直構造に関する観測的知見が極めて乏しい状況にありました。
安藤准教授は、独自構築したアルゴリズムにより惑星の気温を高精度で測定できる電波掩蔽観測データを解析し、雲層の上から下まで気温を導出して金星大気の鉛直構造を全球的に示しました。また、簡易的な雲物理過程を導入した数値モデルを構築して金星の雲量分布を再現し、観測で得られた知見を基に、熱構造や大気運動を司る金星雲システムの包括的なモデルを提示しました。
本研究成果は、最先端の観測データと精巧な数値モデルを融合して金星大気の熱構造・運動・雲形成を包括的に論じた先進的なものであり、汎惑星気象学構築の先駆けになると期待されています。
安藤准教授は、独自構築したアルゴリズムにより惑星の気温を高精度で測定できる電波掩蔽観測データを解析し、雲層の上から下まで気温を導出して金星大気の鉛直構造を全球的に示しました。また、簡易的な雲物理過程を導入した数値モデルを構築して金星の雲量分布を再現し、観測で得られた知見を基に、熱構造や大気運動を司る金星雲システムの包括的なモデルを提示しました。
本研究成果は、最先端の観測データと精巧な数値モデルを融合して金星大気の熱構造・運動・雲形成を包括的に論じた先進的なものであり、汎惑星気象学構築の先駆けになると期待されています。
安藤准教授のコメント
この度は、このような名誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。本研究成果は決して私一人の力によるものではなく、国内外の共同研究者の皆様からの御指導やサポートの賜物です。心より感謝申し上げます。
一昨年、本学に神山宇宙科学研究所が設立され、学内における惑星大気研究が益々活発になっています。また、2030年代には欧米による3つの新しい金星探査が実施予定であり、本分野の発展に向けた期待が高まっています。これまで支えて下さった方々への感謝の気持ちと謙虚さを忘れることなく、今後の金星大気科学の発展に少しでも貢献できるよう、より一層研究に邁進する所存です。
一昨年、本学に神山宇宙科学研究所が設立され、学内における惑星大気研究が益々活発になっています。また、2030年代には欧米による3つの新しい金星探査が実施予定であり、本分野の発展に向けた期待が高まっています。これまで支えて下さった方々への感謝の気持ちと謙虚さを忘れることなく、今後の金星大気科学の発展に少しでも貢献できるよう、より一層研究に邁進する所存です。
主要論文
過去3年間での理学部教員の受賞歴
2022年度
- 安藤 紘基 准教授/宇宙物理・気象学科 地球電磁気・地球惑星圏学会 大林奨励賞
- 渡辺 達也 教授/数理科学科
日本数学会 第15回 日本数学会 函数方程式論分科会 福原賞 - 安藤 紘基 准教授/宇宙物理・気象学科
宇宙科学振興会 宇宙科学奨励賞
- 勝股 審也 教授/数理科学科
令和6年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)