本学卒業生の名前が小惑星に!

2017.04.17

世界中の天文学者からなる国際天文学連合では、2017年4月13日付けで、二つの小惑星にそれぞれ、本学卒業生の小林 仁美さん(本学理学研究科・博士後期課程 2011年度修了)と新中 善晴さん(本学理学研究科・博士後期課程 2014年度修了)の名前を付けたことを発表しました。


 私たちの太陽系の中には、直径が数百km以下の主に岩石からなる小惑星が多数、存在しています。その多くは火星軌道と木星軌道の間に存在しており、「メインベルト小惑星」と分類されています。さまざまな天体の命名は、国際天文学連合で行われますが、小惑星の場合は、著名な研究者や神様の名前、有名な地名などが命名されています。今回、そうした小惑星のうちの二つに、それぞれ本学の卒業生の名前が付きました。
一人目は、本学理学研究科・博士後期課程を2011年度に修了して博士(理学)の学位を取得された、小林 仁美さんです。小林さんは現在、宇宙天文関係の業務を行う会社Estristaを自ら起業され、様々な分野で活躍する一方、研究者としても精力的に論文を出版されています(2017年3月にも、宇宙空間における化学反応に関する重要な成果を論文として出版されています)。小林さんの名前のついた小惑星は、正式名称「(11457) Hitomikobayashi」となっており、1981年3月1日に S. J. Bus博士*注によって発見された小惑星でした。予想される直径は約2.7kmです。
二人目は、本学理学研究科・博士後期課程を2014年度に修了して博士(理学)の学位を取得された、新中 善晴さんです。新中さんは、現在、日本学術振興会特別研究員PDとして、国立天文台に所属されており、日本における彗星研究の若手ホープとして活躍されています。新中さんの名前がついた小惑星は、正式名称「(11809) Shinnaka」となっており、1981年3月2日にS. J. Bus博士によって発見された小惑星でした。予想される直径は約3.5kmです。 

お二人は共に、神山天文台において彗星の研究を行って博士号の学位を取得され、現在も世界で活躍されています。さる2017年3月26日には、本学理学部と神山天文台のコラボ企画として「天文を学んで働くには?」と題したトークイベントをオープンキャンパスで開催しており、多くの在学生や受験生たちが小林さんと新中さんを含む4名の本学卒業生のお話に耳を傾けていました。
今回の小惑星への命名について、小林さんと新中さんの大学院時代の指導教員であった河北教授(神山天文台長)は、「大変、すばらしいことです。今後も、ますますのご活躍をお祈りします」とコメントし、「本学卒業生たちの中から、お二人に続くような方たちが現れることを願っています」と将来にむけた期待を語っています。
 

小林 仁美さん(本学理学研究科 博士後期課程 2011年度修了)
新中 善晴さん(本学理学研究科 博士後期課程 2014年度修了)
*注…S. J. Bus 博士-多くの小惑星を発見し、また関連する重要な論文を多数出版している小惑星の研究者。小惑星の命名については、発見者に命名の推薦権があり、発見者が当該分野で貢献した研究者、神様の名前や有名な地名などから命名の経緯について述べた推薦文を国際天文学連合に提出し、それが認められることにより命名されます。3年ごとに開催される「小惑星・彗星・流星に関する国際研究集会」(Asteroids, Comets, Meteors 2017)において、今回の命名が発表されました。
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