【理学部】物理科学科 齊藤 国靖 教授が変形する柔らかい粒子のジャミング転移と固有振動に関する解説を粉体工学会誌に掲載しました
2025.04.11
研究成果
理学部 物理科学科の齊藤 国靖 教授が、粒子自身の変形も考慮した理論モデルによってジャミング転移の研究を行い、ジャミング転移点近傍における物理量の臨界スケーリングや固有振動における粒子の変形の効果を明らかにしました。この研究成果は粉体工学会誌の解説記事として掲載されました。
掲載論文
著 者 : 齊藤 国靖
題 目 : 変形する粒子のジャミング転移と固有振動
掲載誌 : J. Soc. Powder Technol., Japan, 62, 164-170 (2025)
DOI : 10.4164/sptj.62.164
URL : https://doi.org/10.4164/sptj.62.164
題 目 : 変形する粒子のジャミング転移と固有振動
掲載誌 : J. Soc. Powder Technol., Japan, 62, 164-170 (2025)
DOI : 10.4164/sptj.62.164
URL : https://doi.org/10.4164/sptj.62.164
研究概要
私達の身の周りにある粒子の中には、それ自身が大きく変形できるものがあります。気泡や油滴は典型的な例として挙げられますが、これらの粒子も粉体など他の巨視的な粒子と同様、ある臨界密度においてジャミング転移することが知られています。ところが、これまでのジャミング転移の理論研究においては、粒子自身の変形は全く無視されており、図(a)の様な変形しない粒子の数値シミュレーションを使って調べることがほとんどでした。
そこで、本研究では変形する柔らかい粒子の理論モデルを分子動力学法に適用し、臨界密度や物理量の臨界スケーリング、固有振動の状態密度など、ジャミング転移に関わる重要な性質を数値シミュレーションによって詳しく調べました。図(b)は変形する粒子の数値シミュレーションの結果であり、図(a)の変形しない粒子に比べ、一つ一つの粒子が互いに押し合って変形している様子が解ります。変形する粒子の数値シミュレーションは従来の分子動力学法に比べて複雑な計算が必要になりますが、本研究ではこれを克服し、粒子の変形がジャミング転移や固有振動などの性質にどう影響するかを明らかにすることができました。
そこで、本研究では変形する柔らかい粒子の理論モデルを分子動力学法に適用し、臨界密度や物理量の臨界スケーリング、固有振動の状態密度など、ジャミング転移に関わる重要な性質を数値シミュレーションによって詳しく調べました。図(b)は変形する粒子の数値シミュレーションの結果であり、図(a)の変形しない粒子に比べ、一つ一つの粒子が互いに押し合って変形している様子が解ります。変形する粒子の数値シミュレーションは従来の分子動力学法に比べて複雑な計算が必要になりますが、本研究ではこれを克服し、粒子の変形がジャミング転移や固有振動などの性質にどう影響するかを明らかにすることができました。

参考
- 京都産業大学 教員紹介ページ:齊藤 国靖 教授