教員紹介齊藤 国靖
担当科目
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プロフィール
2004-2006年 京都大学大学院 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 修士課程
2006-2008年 株式会社ディー・エヌ・エー
2008-2011年 京都大学大学院 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 博士課程
2011-2015年 Faculty of Engineering Technology, University of Twente(オランダ)ポスドク研究員
2016-2017年 東北大学 材料科学高等研究所 助教
2018-2020年 東北大学 数理科学連携研究センター 准教授
2020-2024年 京都産業大学 理学部 物理科学科 准教授
2024年-現在 京都産業大学 理学部 物理科学科 教授
2020年-現在 京都大学 基礎物理学研究所 協力研究員
研究内容
特別研究※(ゼミ)テーマ・内容
統計力学
多数の粒子から成る粒子系の物性を調べます。特に、身の回りにある古典的な粒子に着目し、粉末状の食品や薬品、化粧品に代表される粉体や、泡や油滴(エマルジョン)、コロイドなどのソフトマターが研究対象です。また、生物の集団をモデルとするアクティブマターや、パーコレーション、フラクタル、複雑ネットワークなど、より抽象的な概念に基づいた複雑系も対象です。この様に、当研究室の特別研究では、物理学に限らず、化学、生物学、社会科学にも関わる分野横断的なテーマに取り組むのが特徴です。これらの研究を支えているのはコンピューターを用いた数値計算であり、平衡系の統計力学に加え、非平衡系の統計力学を基礎とするデータ解析も行います。
特別研究に取り組むことで、統計力学に基づいた統計的手法や数理科学的なデータ解析手法を習得することができます。また、コンピューターを使って研究を行うため、C言語などのプログラミングスキルや、ソフトウェアを使った数値データのグラフ化、シミュレーション結果の可視化など、データ解析に関するスキルも習得できます。さらに、研究成果の発表や報告を行うことで、文書作成やパワーポイント作成のスキル、人前でのプレゼンテーション能力も身に付けることができます。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
非平衡物理学
物質の非平衡状態を扱う非平衡物理学が当研究室の大きなテーマです。特に、粉体や泡、エマルジョンやコロイドなど、巨視的な粒子の集まりである散逸粒子系について理論と数値計算の両面から研究に取り組んでいます。散逸粒子系には個々の粒子がエネルギーを保存しないという特徴があり、外力によって駆動することで、エネルギーの注入と散逸がバランスした非平衡定常状態が実現されます。この特徴を用いて、散逸粒子系の非平衡状態における輸送現象やレオロジー、粒子変位の乱流構造や動的不均一性、応力鎖の組み換えや非局所的レオロジーなどを調べ、これまでに確立した非平衡物理学をさらに拡張しようと試みています。また、散逸粒子系の状態変化にも注目し、液体状態からアモルファス固体への変化であるジャミング転移が、散逸粒子系の固有振動と弾性および粘弾性に果たす役割を明らかにしようとしています。