【理学部】物理科学科 齊藤 国靖 教授がデルフト工科大学との共同研究で多分散粒子系のジャミング転移に関する学術論文を出版し、表紙に選出されました
2025.02.21
研究成果
理学部 物理科学科の齊藤 国靖 教授が、デルフト工科大学(オランダ)と共同で多分散粒子系のジャミング転移に関する理論研究を行い、ジャミング転移点近傍における物理量の臨界スケーリングと固有振動が粒径分布に依存しないことを発見しました。この研究成果は学術誌Soft Matterの論文として掲載され、学術誌の表紙に選ばれました。
掲載論文
著 者 : Kuniyasu Saitoh and Brian P. Tighe
題 目 : Jamming transition and normal modes of polydispersed soft particle packing
掲載誌 : Soft Matter 21, 1263 (2025)
DOI : 10.1039/D4SM01305K
URL : https://doi.org/10.1039/D4SM01305K
題 目 : Jamming transition and normal modes of polydispersed soft particle packing
掲載誌 : Soft Matter 21, 1263 (2025)
DOI : 10.1039/D4SM01305K
URL : https://doi.org/10.1039/D4SM01305K
研究概要
土砂を眺めると大小様々な粒が集まっていることがありますが、自然界にある粉体の構成粒子の大きさは幅広な粒径分布に従うと言われています。この様な系を多分散粒子系といい、粒径分布の違いが粉体のマクロな物性にどう影響するかが注目されています。そこで、本研究では数値シミュレーションを用いて多分散粒子系の力学的平衡状態を再現し、粒径分布の幅を変えたときの粒子構造やマクロな物性の変化を調べました(図1)。
まず、ミクロな観点から粒子の配位数や応力鎖を調べると、これらの分布は粒径分布の拡がりと共に裾の広い分布関数に変化することが解りました。また、多分散粒子系のジャミング転移点(系に剛性が発生する密度または充填率のこと)は粒径分布に対して強い依存性があり、粒径分布の拡がりと共に冪的に増加することが解りました。
一方、ジャミング転移点近傍におけるマクロな物理量の臨界スケーリングは粒径分布の影響を全く受けず、固有振動の状態密度も余剰配位数にコントロールされるだけで、粒径分布とは無関係であることが解りました。つまり、ミクロな粒子構造は粒径分布に強い依存性を示しますが、ジャミング転移に関わるマクロな物理量の臨界的な振る舞いは粒径分布に左右されず普遍的であることが明らかになりました。
これらの研究成果は学術誌の論文として掲載されると同時に、学術誌の表紙にも掲載されました(図2)。
まず、ミクロな観点から粒子の配位数や応力鎖を調べると、これらの分布は粒径分布の拡がりと共に裾の広い分布関数に変化することが解りました。また、多分散粒子系のジャミング転移点(系に剛性が発生する密度または充填率のこと)は粒径分布に対して強い依存性があり、粒径分布の拡がりと共に冪的に増加することが解りました。
一方、ジャミング転移点近傍におけるマクロな物理量の臨界スケーリングは粒径分布の影響を全く受けず、固有振動の状態密度も余剰配位数にコントロールされるだけで、粒径分布とは無関係であることが解りました。つまり、ミクロな粒子構造は粒径分布に強い依存性を示しますが、ジャミング転移に関わるマクロな物理量の臨界的な振る舞いは粒径分布に左右されず普遍的であることが明らかになりました。
これらの研究成果は学術誌の論文として掲載されると同時に、学術誌の表紙にも掲載されました(図2)。


参考
- 京都産業大学 教員紹介ページ:齊藤 国靖 教授