法学部 刑法ゼミ対抗 「ハイブリッド刑法討論会」を開催

2020.12.07

11月11日(水)、SR210教室で「ハイブリッド刑法討論会」が開催されました。
「刑法討論会」は、法学部の刑法をテーマとする4つのゼミが対抗する討論会です。事前に公開された架空の事件について、どの行為がどのような罪にあたるのか、また、その根拠が何なのかについて立論と質疑応答を行い、教員の審査と聴講者の投票により優勝が決まるという討論イベントです。
今年度は新型コロナウイルス感染予防のため、各ゼミの発表は対面で実施し、聴講する学生はオンラインで自宅や複数の教室で参加しました。

ゼミを代表して登壇する学生たち
今回対戦したのは、岡本ゼミ・奥谷ゼミ・中村ゼミ・増井ゼミの代表4チーム。聴講者として、刑法関連の授業を受けている学生約200名が参加しました。
今回は、「非科学的な手法による難病治療を標榜していたXは、Ⅰ型糖尿病に罹患していたV(7歳)の完治を願い自己に縋ってきたVの母Yに対し、完治のためと称して、糖尿病治療に必須であるインスリン投与の不実施を指示し、これを信じ込んだY及びXの指示をY経由で聞き、その指示に半信半疑ながらも従ったVの父Zにより、Vへのインスリンの投与が中止された結果、Vが死亡した」というストーリーの事案を扱い、X・Y及びZの3名はいかなる罪責を負うかについて、議論が交わされました。
別室で討論会を視聴するゼミの学生たち
発表した学生たちは、約1か月の間、教員からのアドバイスは一切なしに自分達だけで過去の判例や法律を調べ、準備を進めて来ました。発表を終え、教員の審査及び聴講者からの投票結果により、2年連続で岡本ゼミが優勝となりました。自分たちの考えを上手く整理し、着実に準備を重ねたことから自信満々な発表となり、多くの支持を受けていたようです。

運営担当の中村教授からのコメント

討論終了後、中村教授(刑法)がコメント

今回は刑法総論を受講する1年生もオンラインでたくさん参加してくれていると思います。ですので、なぜ法学部で刑法を学ぶかということについてもお話しておきたいと思います。
多くの学生は社会に出てからも実際には刑法を使うということはほとんどないと思います。法学部の卒業生も民間企業に就職する人の方が多いわけですが、民間企業で刑法を使うというのは普通ではないでしょう。しかし、今回の討論テーマのように、同じ問題でも登壇した4つのチームがあれば、それぞれ見解が分かれたように、社会では唯一絶対の答えがない課題の方が多いと言えます。

だから、自分の考えを、論理的に筋道を立てて説得的に説明する力、そして異なる考え方の人と議論する力はその後の社会に出てからもきっと役に立つものになると考えます。今回、刑法討論会で登壇する先輩たちを見て自分たちもこういう議論をしてみたいと思った方は是非、刑法のゼミを履修していただければと思います。

優勝した岡本ゼミのみなさんのコメント

  • 今年は、2年連続登壇させて頂いて、岡本ゼミとして初めて連覇することが出来ました。この結果は、岡本先生をはじめとして、ゼミの皆んなが協力してくれたからこそ実現出来たものであると思います。2回生には、この経験を糧にして来年も頑張って欲しいと思います。(3年次 中森さん)
  • ゼミ生皆で一団となり全力で取り組むという岡本ゼミの良さが、優勝という形で残せたのでとても嬉しいです。この伝統が続いて欲しいと思います。(3年次 篠田さん)
  • 優勝することができて、踊りたいくらいに嬉しかったです!しかし、大会後にご指摘を受けた点も多々あったので、次の機会にはこの反省を生かして臨みたいです!(2年次 青柳さん)
  • 登壇者だけでなく、ゼミ全体で取り組む姿勢が私たちのゼミらしくて良い所だと思いました。全員で頑張ったからこそ優勝できて嬉しかったです。(2年次 西村さん)
  • 今回、二連覇できたのはゼミのみんなが協力してくれたお陰であり、ゼミのみんなで掴んだものです。来年度も三連覇を目指します!(2年次 布施さん)
表彰式の模様
岡本ゼミの皆さん

学生運営スタッフ 責任者 3年次 作野さん

春先からの新型コロナの影響でイベント事の中止を軒並余儀なくされる中、オンラインではありましたが、例年のように無事「刑法討論会」を開催できたことを心より嬉しく思います。

初めてのオンライン開催ということで、運営も例年通りというわけにもいかず、ほぼ一から準備しなければならない状況でした。特に、会場と受講生をどう繋げるか、紙媒体を使わず投票をどう行うのかといったことは常に暗中模索の状態で、開催への不安を感じ、正直何度も挫けそうになりました。しかし、若干のハプニングはあったとはいえ、無事に討論会が終了した時には、言い知れぬ達成感を感じることができました。そして、今では非常にやりがいのある仕事だったと感じています。

最後になりましたが、皆様の協力無くして、このような立派な大会の開催はできませんでした。この場をお借りして感謝を申し上げます。これからも各演習の日々の研鑽を発表する場が続くことを願っております。

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