都市農村交流プログラム~山田啓二ゼミ 舞鶴市フィールド・ワーク

2019.11.13

10月22日(火)~23日(水)の2日間、法学部の山田啓二教授(前京都府知事)とゼミの学生約30名が舞鶴市の協力の下、フィールド・ワークを行いました。

舞鶴市でのフィールド・ワークは、7月実施に続いて今回で2回目であり、今回の活動は「子ども農山漁村体験プログラム開発フィールド・ワーク」と題して、中学生に対する教育旅行の開発を目的とした活動でした。

舞鶴市は総務省が実施している「子供の農山漁村体験交流計画策定モデル事業」の採択を受けており、今回の活動はその事業の一環となるものです。

訪れた場所は舞鶴市の北東に位置する典型的な漁村、大浦地域。
今回のフィールド・ワークでは地元の食材を使ったレストラン「ふるるファーム」での食事、野原漁協の協力による定置網見学や海洋プラスチックゴミに関する説明などを通して、地域の特性や、環境問題に触れSDGsの実現に向けての教育プログラムの開発の材料を収集しました。

今回のフィールド・ワークの様子の抜粋を以下にご紹介いたします。

舞鶴でのフィールド・ワーク

耕作放棄地や山林荒廃の問題

荒れた山林や耕作地を見学
「ふるるファーム」周辺では、人口減少の影響もあり、農地や山林を引き継ぐ人が少なくなり、整備できない土地の荒廃についてレクチャーを受けました。現地の食材を使ったレストラン「ふるるファーム」では、ポニーや羊などの家畜を放牧し、雑草で茂っていた土地を家畜の力で整備させることに繋げられたという話に、生態系を保つことの重要性を認識させられました。

漁業と漁村の暮らし説明・懇談ワーキング~野原漁協

野原漁協の方の協力により、大浦地区で代表的な漁法である定置網(ていちあみ)や、昨今世界的に問題になっている「海洋プラスチック(マイクロプラスチック)ゴミ」などの環境問題について解説を受けました。また、東舞鶴高校の高校生も参加し、大浦地区の抱える課題、漁業や大浦地区の将来などについてグループごとのディスカッションを行いました。

プラスチックゴミの回収

世界的に問題になっている海洋プラスチック問題。
今年6月に大阪で開催されたG20では、「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」が決められるなど、今や海洋プラスチックは世界規模の課題となっています。

前日に大浦地区での海洋プラスチック問題についてレクチャーを受けた学生たちは、朝から海岸に流れ着いてペットボトルなどのプラスチックゴミを回収しました。

1時間ほどの作業でしたが、大量のペットボトルを回収し、日本製か外国製かの分別作業を行いました。大量のペットボトルを回収したものの、まだまだ辺り一面には拾いきれないほどのごみが散乱しており、この問題の深刻さを肌で感じることとなりました。

カキ養殖場見学

舞鶴ではカキの養殖も盛んであり、学生たちは漁船に乗ってカキ養殖場の見学をしました。
カキ養殖で経済活動ができるという反面、現地にはカキ養殖による環境問題についても解説を受けました。

養殖場では台風や塩の影響で、海底にこぼれ落ちるカキがあり、それらのカキが増殖し、貝殻が20~30cmほど海底に堆積してしまうとのことでした。また、それらの貝殻は潮の流れにより海岸線に打ち上げられ、貝殻ゴミの問題にも発展している現状を目の当たりにしました。

ふりかえり

赤レンガパークにて2日間のフィールド・ワークで学んだ大浦地区の課題・魅力について、グループに分かれ整理し、発表しました。
各グループの発表に対し、山田教授から講評があり、今後の中学生を対象として教育旅行のプランニングの方向性について解説がありました。

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