前京都府知事 山田 啓二ゼミ 舞鶴市フィールド・ワーク~むすびわざプロジェクトinまいづる~

2019.07.07

7月6日(土)~7日(日)の2日間、法学部の山田啓二教授(前京都府知事)とゼミの学生18名が舞鶴市の協力の下、京都府の「1まち1キャンパス事業(大学・地域連携プロジェクト支援※)」としてフィールド・ワークを行いました。

山田ゼミでは地方自治の現場を実際に訪れ、そこの課題を知り、地方自治の感覚を身に付けることをテーマとしており、今回、舞鶴市をフィールドに「観光」、「治水事業」、「子育て支援」、「戦後の引揚港の歴史」、「海上自衛隊」などの多くの切り口から地方自治について学ぶことになりました。

このフィールド・ワークを皮切りに、今後継続的に舞鶴市について学び、来年の2月頃には学生視点で舞鶴市に対する政策提言まで進める計画になっています。

今回のフィールド・ワークの様子の抜粋を以下にご紹介いたします。

舞鶴でのフィールド・ワーク

オリエンテーション

舞鶴到着後早々、山田教授や舞鶴市役所の方から舞鶴の課題(人口減少・観光PR)や強みの紹介、今回のフィールド・ワークの主旨について改めて説明がありました。特に山田教授からは2日間で見るもの聞くこと全てにアンテナを張り、多くの「気づき」を見つけるようなアドバイスがあり、学生達は開始早々真剣に聞き入っていました。

「とれとれセンター」で昼食

京都府随一の水揚げ量を誇る舞鶴市。水揚げされた新鮮な魚介類を販売する「とれとれセンター」を訪問し、京都市内ではなかなか食べられないような新鮮な魚介類に目を輝かせ、舞鶴の特産品を目と舌で味わっていました。お店の方の差し入れもあり、早速現地の方からの暖かい「おもてなし」を受けていました。

高野川の治水対策

舞鶴市の担当者から治水事業についての説明を受ける様子
住宅の傍まで迫る水位の高野川
西舞鶴に流れる高野川流域は海抜が低いこともあり、台風などによる洪水や高潮による浸水被害が課題とされています。この日も川の水位は高く、川の傍に立ち並ぶ住宅に水面が迫る状況に、学生たちも驚いていました。この治水対策には舞鶴市だけでなく、京都府とも連携した総合的な取り組みについて、舞鶴市役所の方からレクチャーを受けました。

子育て交流施設「あそびあむ」

「あそびあむ」の設立趣旨などの説明を受ける様子
子どもと触れ合う学生
子育て支援として舞鶴市が力を入れている「あそびあむ」を訪問しました。
少子化や核家族化の影響、塾や習い事、スマホゲームの普及など、子どもの育つ環境は昔とは大きく変わっており、本来であれば「遊び」によって培われる乳幼児期の創造性・社会性・感性・身体能力が育ち難くなっていると言われています。
「あそびあむ」では、それらの課題の一助となるよう、市民参画による「豊かな遊び」を通した「学び」、「育ち」、「交流」をテーマにした施設として作られました。
視察した学生たちは、子ども達と一緒に遊び、「遊ぶ」ことが「育てる」ことに繋がっていることを実感していたようです。

ユネスコ世界記憶遺産登録「舞鶴引揚記念館」

戦後の「引揚事業」についての解説映像を見る学生
シベリア抑留についての解説を受ける学生
「白樺日誌」:シベリア抑留中の日々の様子や心情を、和歌で綴った日誌。白樺の皮をはぎ、空き缶の先を尖らせペンにし、煙突の煤(すす)をインクにして書かれたもの。
1945年、第二次世界大戦の終戦に伴い、当時、海外に残された日本人は660万人以上と言われていました。この方々を早急に帰国させるために船を出し、日本と大陸との間を行き来させました。これを「引き揚げ(引揚事業)」と言います。
日本各地で引き揚げのための港が設置され、舞鶴港もその一つであり、主に旧満州、朝鮮半島やシベリアなどからの引揚者を受け入れていました。
「舞鶴引揚記念館」は1988年、平和の尊さを世界に発信するため、日本全国からの寄付金を受けた舞鶴市が設立したもので、2015年にはユネスコの世界記憶遺産にも登録されました。
学生たちは展示品の数々の説明を聞きながら、真剣に当時の日本の情勢や引揚者の苦悩、それを温かく受け入れた舞鶴の人々の気持ちに触れていました。

海上自衛隊

「海軍の街」とも言われる舞鶴。明治時代に旧海軍により軍港として街がつくられ、現在は海上自衛隊の基地が置かれています。
今回は海上自衛隊のイージス艦「みょうこう」の見学と、自衛官の方から軍港としての舞鶴や海上自衛隊の役割などについてレクチャーを受けました。

グループワーク・発表 in 「赤れんがパーク」

旧海軍が倉庫として使っていた施設を「赤れんがパーク」として2日間の舞鶴市の視察を通して、学生それぞれが気付いた課題について発表し、情報共有をしました。

※「1まち1キャンパス事業」とは、大学等が市町村と連携し、当該市町村をフィールドとして取り組む大学等の授業や研究活動等のプロジェクトを支援することにより、京都の大学の魅力のさらなる向上と地域に愛着を持ち地域に貢献する人材育成に取り組むことを目的とした京都府の補助制度です。

PAGE TOP