2023年7月の星空

今月の星空Starry sky of the month

赤色巨星せきしょくきょせいRed giant

恒星は、一生の大部分は安定して輝く時期(「主系列星」と言います)が続きます。しかし、恒星の内部の水素を使い果たすと、恒星は自身の重力で縮み始め、その際に発生する熱によって外側のガスはさらに外へと膨張し、巨大な星になります。膨張すると表面の温度が低くなるため赤色に見えます。夏には、うしかい座のアークトゥルス(直径は太陽の約20倍)やさそり座のアンタレス(直径は太陽の約600-800倍)が見られます。

二重星にじゅうせいDouble star

重星は、肉眼で見ると1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見えます。夏に見られる代表的な重星には、はくちょう座のアルビレオ(金色と青色の2つの星が寄り添って見える)、さそり座のβ星(爽やかな青いペア)があります。こと座には、二重星がさらに2つずつの二重星となっている、ダブル・ダブル・スターと呼ばれる星もあります。

球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster

球状星団は、数十万の恒星の集まりです。私たちの銀河 系の中には、約150個の球状星団があり、球状星団の中の星たちは非常に高齢で、100億歳以上の星もたくさんあります。夏には、ヘルクレス座のM13、りょうけん座のM3、へび座のM5 などの球状星団が見られます。

惑星状星雲わくせいじょうせいうんPlanetary nebula

太陽程度の重さの恒星は、一生の最後に水素ガスを使い果たして赤色巨星となった後、外側のガスを周囲に放出します。この放出されたガスが輝いて見えるのが惑星状星雲です。望遠鏡で見たときに、まるで惑星のように丸くほんのり色づいていることから、このような名前がついています。こと座にはリング星雲と呼ばれる惑星状星雲M57があり、望遠鏡で見るとドーナツのような形を見ることができます。

PICKUP!

7 月7 日 七夕

織姫、彦星の物語が有名な七夕は、中国の裁縫の上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」と、日本の「着物を棚に供え、秋の豊作を祈り、穢れを払う行事」とが合わさった行事といわれています。裁縫だけでなく、書道や芸事など、いろいろな願い事をしますね。現在の暦では7月7日は梅雨が明けないことが多く、織姫、彦星も遅い時間にならないと昇ってきません。月をもとにした暦、旧暦のほうが季節感が合います。今年の旧暦の伝統的七夕は8月22日です。