2023年9月の星空

今月の星空Starry sky of the month

夏の大三角なつのだいさんかくThe summer triangle

はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガの3つの明るい星を結んで描かれる大きな三角形は夏の大三角と呼ばれています。ベガとアルタイルは、七夕の伝説における「織姫」と「彦星」です。

二重星にじゅうせいDouble star

重星は、肉眼で見ると1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見えます。夏に見られる代表的な重星には、はくちょう座のアルビレオ(金色と青色の2つの星が寄り添って見える)、さそり座のβ星(爽やかな青いペア)があります。こと座には、二重星がさらに2つずつの二重星となっている、ダブル・ダブル・スターと呼ばれる星もあります。

球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2、ヘルクレス座のM13 などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。

土星どせいSaturn

太陽系の惑星で木星に次いで2番目に大きい土星は、大きな環が特徴的なとても美しい天体です。黄色っぽく輝き、環に加えて土星の周りを回る衛星も望遠鏡を使うと見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。

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9月29 日 中秋の名月~中秋?仲秋?~

「中秋の名月」とは、旧暦8月15日の月をながめる行事です。旧暦では7、8、9月を「秋」としており、8月15日はその真ん中なので「中秋」です。「仲秋」は秋の真ん中の月、8月を指す言葉です。「名月」という言葉を「満月」と解釈すれば、「仲秋の名月」でも間違いとはいえないですが、もともとの「8月15日の月」という言葉からすると、「仲秋の名月」よりは、「中秋の名月」の方がより正しい、ということがいえると思います。また、新月から満月までの期間は必ずしも15日とは限らないため、中秋の名月の日と満月の日がずれることはしばしば起こります。今年は中秋の名月は9月29日、満月も同日です。