2023年11月の星空

今月の星空Starry sky of the month

木星もくせいJupiter

木星は東の空に圧倒的な輝きで目立っています。木星は太陽系最大の惑星で直径は地球の約11倍もあります。望遠鏡を使うと、縞模様と周りをまわる衛星のうち数個を見ることができます。縞模様の正体は、大気中に含まれるアンモニアやメタンでできた雲の模様です。木星の特徴的な模様に大赤斑があります。大赤斑は周囲に比べ温度が低いことから高気圧性の嵐と考えられており、その大きさは地球のおよそ2-3倍もあります。

土星どせいSaturn

太陽系の惑星で木星に次いで2番目に大きい土星は、大きな環が特徴的なとても美しい天体です。黄色っぽく輝き、環に加えて土星の周りを回る衛星も望遠鏡を使うと見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。

二重星にじゅうせいDouble star

重星は、肉眼で見ると1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見える天体です。はくちょう座のアルビレオ(金色と青色の2つの星が寄り添って見える)や、アンドロメダ座のガンマ星(アルマク)も色の対比が美しい二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度の高い星です。

球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。

散開星団さんかいせいだんOpen cluster

ペルセウス座にある2つの散開星団 h-χ(エイチ・カイ)が見頃です。それぞれの星団には、数十個から数百個以上もの星が密集している様子が見えます。荒木望遠鏡では狭い範囲を拡大するため、2つの散開星団のうちどちらか1つを見ることになります。恒星は、ガスの濃いところで集団で生まれ、h-χのような、若い星たちが集まった散開星団となります。やがて、散開星団の星たちは、時間が経つと少しずつ離れていくと考えられています。

PICKUP!

木星が観望シーズンに

木星が宵の空では東~南の空に圧倒的な輝きで目立っています。11月3日に衝となり、一晩中見ることができます(衝とは太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです)。また、木星を望遠鏡で観察する時に注目したいのは、木星の「縞模様」と、4つの「ガリレオ衛星」です。縞模様とともに、「大赤斑(だいせきはん)」という楕円形の模様もわかるかもしれません。木星の周りを公転しているガリレオ衛星は、時間がたつにつれて、位置関係が変わっていきます。
木星の近くにある天王星、西の空へと傾きつつある土星・海王星も楽しめますので、神山天文台の天体観望会でぜひ観察してみましょう!