2024年1月の星空

今月の星空Starry sky of the month

木星もくせいJupiter

木星は南~西の空に圧倒的な輝きで目立っています。木星は太陽系最大の惑星で直径は地球の約11倍もあります。望遠鏡を使うと、縞模様と周りをまわる衛星のうち数個を見ることができます。縞模様の正体は、大気中に含まれるアンモニアやメタンでできた雲の模様です。木星の特徴的な模様に大赤斑があります。大赤斑は周囲に比べ温度が低いことから高気圧性の嵐と考えられており、その大きさは地球のおよそ2-3倍もあります。

赤色巨星せきしょくきょせいRed giant

恒星は安定して輝く時期が長く続きますが、恒星の内部の水素を使い果たすと恒星の内部が縮み始め、その際に発生する熱によって外側のガスはさらに外へと膨張し、巨大な星になります。ガスが膨れると表面の温度が低くなるため、赤色に見えます。太陽の約20倍です。オリオン座のベテルギウスは赤色超巨星で、直径は太陽の約650倍も大きいことが観測されています。恒星の寿命が尽きようとしていて、いつ超新星爆発を起こしてもおかしくありません。

散開星団さんかいせいだんOpen cluster

ペルセウス座にある2つの散開星団h-χ(エイチ・カイ)やおうし座のすばる(プレアデス星団・M45)、ぎょしゃ座のM36、M37、M38が見ごろです。h-χは、それぞれの星団には数十個から数百個以上もの星が密集しています。荒木望遠鏡では狭い範囲を拡大するため、2つの散開星団のうちどちらか1つを見ることになります。少しずつ集まり方の異なるぎょしゃ座の3つの星団も比べてみましょう。恒星は、ガスの濃いところで集団で生まれ、h-χやすばるのような、若い星たちが集まった散開星団となります。やがて、散開星団の星たちは、時間が経つと少しずつ離れていくと考えられています。

球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。

散光星雲さんこうせいうんDiffuse nebula

西に沈みゆくオリオン座の三つ星のすぐ南に並ぶ小三つ星のうち、真ん中の天体は星ではなく散光星雲で、この中で今も次々と星が生まれています。望遠鏡を覗くと、星雲のガスと、生まれてから約150万年しか経っていない赤ちゃん星が台形の形に4個並んでいるトラペジウムが見えます。明るく輝く生まれたての星々の光が周囲のガスを照らして温めることによって、オリオン大星雲は輝いています。

PICKUP!

冬のダイヤモンド

冬の夜空には、明るい1等星を結んで作る六角形があります。星座を作る「恒星」の中で最も明るいおおいぬ座のシリウス(青白)から時計回りに、こいぬ座のプロキオン(白)→ふたご座のポルックス(黄)→ぎょしゃ座のカペラ(黄)→おうし座のアルデバラン(赤)→オリオン座のリゲル(青白)と結びます。真ん中のオリオン座のベテルギウス(赤)と合わせると、「G」の形になることから、海外では「ビッグG」のほうがよく知られているようです。暖かい服装をしてカラフルな冬の空を楽しみましょう!