2023年12月の星空

今月の星空Starry sky of the month

木星もくせいJupiter

木星は東の空に圧倒的な輝きで目立っています。木星は太陽系最大の惑星で直径は地球の約11倍もあります。望遠鏡を使うと、縞模様と周りをまわる衛星のうち数個を見ることができます。縞模様の正体は、大気中に含まれるアンモニアやメタンでできた雲の模様です。木星の特徴的な模様に大赤斑があります。大赤斑は周囲に比べ温度が低いことから高気圧性の嵐と考えられており、その大きさは地球のおよそ2~3倍もあります。

海王星と天王星かいおうせい てんのうせいNeptune, Uranus

海王星と天王星は、地球と太陽の間の距離の約30倍(約45億km)と約20倍(約30億km)も太陽から離れて回る惑星です。肉眼で見ることはできませんが、大気に含まれるメタンが赤い光を吸収するため、望遠鏡でのぞくと海王星は青色っぽく、天王星は青緑っぽく見えます。天王星は自転軸が90度倒れた「横倒し」の惑星です。

二重星にじゅうせいDouble star

二重星は、肉眼では1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つに見える星です。アンドロメダ座のガンマ星(アルマク)は色の対比が美しい二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度が高い星です。二重星は見かけ上、偶然近づいて見えるものと、重力により、お互いの周囲を回りあう連星とに分けられます。太陽程度の質量をもつ星では、連星はごくありふれた存在であり、北極星やふたご座のカストル(6連星)などがあげられます。

散開星団さんかいせいだんOpen cluster

ペルセウス座にある2つの散開星団 h-χ ( エイチ・カイ) やおうし座のすばる(プレアデス星団・M45)、ぎょしゃ座のM36、M37、M38 が見ごろです。h-χは、それぞれの星団には数十個から数百個以上もの星が密集しています。荒木望遠鏡では狭い範囲を拡大するため、2つの散開星団のうちどちらか1つを見ることになります。少しずつ集まり方の異なるぎょしゃ座の3つの星団も比べてみましょう。恒星は、ガスの濃いところで集団で生まれ、h-χやすばるのような、若い星たちが集まった散開星団となります。やがて、散開星団の星たちは、時間が経つと少しずつ離れていくと考えられています。

PICKUP!

12月13-15日頃 ふたご座流星群極大

2023年のふたご座流星群は、12月15日4時頃にピークとなり、この前後でとても活発な状況となることが予想されます。12月13日が新月で月明かりの影響もなく、極大時刻にほど近い12月14日夜から15日明け方にかけては、たいへん多くの流星を観察することができそうな絶好の条件です。「街明かりの少ないところ(周囲の安全に注意!)」で「なるべく空の広い範囲(寝転ぶのもおススメ!)」を「長い時間」眺めていると、多くの流星に出会えるかもしれません。寒さが厳しいので十分な対策と、マナーと安全を守って楽しみましょう!