2023年10月の星空

今月の星空Starry sky of the month

木星もくせいJupiter

木星は東の空に圧倒的な輝きで目立っています。木星は太陽系最大の惑星で直径は地球の約11倍もあります。望遠鏡を使うと、縞模様と周りをまわる衛星のうち数個を見ることができます。縞模様の正体は、大気中に含まれるアンモニアやメタンでできた雲の模様です。木星の特徴的な模様に大赤斑があります。大赤斑は周囲に比べ温度が低いことから高気圧性の嵐と考えられており、その大きさは地球のおよそ2-3倍もあります。

土星どせいSaturn

太陽系の惑星で木星に次いで2番目に大きい土星は、大きな環が特徴的なとても美しい天体です。黄色っぽく輝き、環に加えて土星の周りを回る衛星も望遠鏡を使うと見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。

二重星にじゅうせいDouble star

重星は、肉眼で見ると1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見えます。夏に見られる代表的な重星には、はくちょう座のアルビレオ(金色と青色の2つの星が寄り添って見える)、さそり座のβ星(爽やかな青いペア)があります。こと座には、二重星がさらに2つずつの二重星となっている、ダブル・ダブル・スターと呼ばれる星もあります。

球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2、ヘルクレス座のM13 などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。

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月と木星・土星の接近

木星や土星が東と南の空で見ごろとなっていますが、太陽系の惑星の軌道面はだいたい同じ平面内にあるので、地球から見ると惑星はだいたい同じ直線上にあるように見えます。また、月が地球の周りを公転する時の軌道面も、惑星の軌道面とだいたい一致しています(正確には、約5度ずれています)。したがって、地球から眺めた時に、惑星と月が接近するタイミングがあるのです。10月は24日に土星と上弦過ぎの月が、29日に木星と満月が接近します。