2024年11月の星空

今月の星空Starry sky of the month

木星もくせいJupiter

木星は東~南の空に圧倒的な輝きで目立っています。木星は太陽系最大の惑星で直径は地球の約11倍もあります。望遠鏡を使うと、縞模様と周りをまわる衛星のうち数個を見ることができます。縞模様の正体は、大気中に含まれるアンモニアやメタンでできた雲の模様です。木星の特徴的な模様に大赤斑があります。大赤斑は周囲に比べ温度が低いことから高気圧性の嵐と考えられており、その大きさは地球のおよそ2-3倍もあります。

海王星、天王星かいおうせい、てんのうせいNeptune, Uranus

海王星と天王星は、地球と太陽の間の距離の約30倍(約45億km)と約20倍(約30憶km)、太陽から離れて回る惑星です。肉眼で見ることはできませんが、大気に含まれるメタンが赤い光を吸収するため、望遠鏡でのぞくと海王星は青色っぽく、天王星は青緑っぽく見えます。天王星は自転軸が90度倒れた「横倒し」の惑星です。

二重星にじゅうせいDouble star

二重星は、肉眼では1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見える星です。はくちょう座のくちばしに輝くアルビレオや、アンドロメダ座のガンマ星(アルマク)も色の対比が美しい二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度が高い星です。

散開星団さんかいせいだんOpen cluster

ペルセウス座にある2つの散開星団 h-χ (エイチ・カイ)が見頃です。それぞれの星団には、数十個から数百個以上もの星が密集している様子が見えます。荒木望遠鏡では狭い範囲を拡大するため、2つの散開星団のうちどちらか1つを見ることになります。恒星は、ガスの濃いところで集団で生まれ、h-χのような、若い星たちが集まった散開星団となります。やがて、散開星団の星たちは、時間が経つと少しずつ離れていくと考えられています。

球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。

PICKUP!

宵の明星 金星

土星、海王星、天王星、木星…とたくさんの惑星が見えるシーズンになってきました。そしてもう一つ、宵の明星・金星が、10月上旬ごろから、日の入り後の空で存在感を放つようになってきました。-4等級の明るさで輝く金星は、高度が低くても、夕焼けに染まる空でもキラリと目に付きやすいです。金星は2025年1月10日に東方最大離角となるため、これから徐々に高度を上げ、宵の明星としての存在感を増していきます。日の入り後の西の空に見える金星には、おおむね1カ月に1回の頻度で細い月が近付きます。11月、12月はそれぞれ4日、5日ごろに細い月と金星のランデブーを楽しみましょう!