2024年9月の星空
今月の星空Starry sky of the month

土星どせいSaturn
太陽系の惑星で木星に次いで2 番目に大きい土星は、大きな環が特徴的な、とても美しい天体です。黄色っぽく輝き、環に加えて土星の周りを回る衛星も望遠鏡を使うと見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。
海王星かいおうせいNeptune
海王星は、地球と太陽の間の距離の約30 倍(約45 億km)も太陽から離れて回る惑星です。肉眼で見ることはできませんが、大気に含まれるメタンが赤い光を吸収するため、望遠鏡でのぞくと青色っぽく見えます。
夏の大三角なつのだいさんかくThe summer triangle
はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガの3つの明るい星を結んで描かれる大きな三角形は夏の大三角と呼ばれています。ベガとアルタイルは、七夕の伝説における「織姫」と「彦星」です。
二重星にじゅうせいDouble star
二重星は、肉眼では1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見える星です。はくちょう座のくちばしに輝くアルビレオは、望遠鏡で見ると金色と青色の2つの星が寄り添って見える二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度が高い星です。また、詳しい観測によると、金色の星は、少し暗い別の星と連星系になっています。こと座には、二重星がさらに2つずつの二重星となっている、ダブル・ダブル・スターと呼ばれる星があります。
球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster
球状星団は、数十万の恒星の集まりです。私たちの銀河系の中には、約150個の球状星団があり、球状星団の中の星たちは非常に高齢で、100億歳以上の星もたくさんあります。夏には、ヘルクレス座のM13、りょうけん座 のM3、へび座のM5などの球状星団が見られます。
赤色巨星せきしょくきょせいRed giant
恒星は、一生の大部分は安定して輝く時期(「主系列星」と言います)が続きます。しかし、恒星の内部の水素を使い果たすと、恒星は自身の重力で縮み始め、その際に発生する熱によって外側のガスはさらに外へと膨張し、巨大な星になります。膨張すると表面の温度が低くなるため赤色に見えます。夏には、うしかい座のアークトゥルス(直径は太陽の約20倍)やさそり座のアンタレス(直径は太陽の約600-800倍)が見られます。
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9月17 日 中秋の名月~中秋?仲秋?~
「中秋の名月」とは、旧暦8 月15 日の月をながめる行事です。旧暦では、7、8、9月を「秋」としており、8 月15 日はその真ん中なので「中秋」です。「仲秋」は秋の真ん中の月、8 月を指す言葉です。「名月」という言葉を「満月」と解釈すれば、「仲秋の名月」でも間違いとはいえないですが、もともとの「8 月15 日の月」という言葉からすると、「仲秋の名月」よりは、「中秋の名月」の方がより正しい、ということがいえると思います。また、新月から満月までの期間は必ずしも15 日とは限らないため、中秋の名月の日と満月の日がずれることはしばしば起こります。今年は中秋の名月は9 月17 日、満月は翌日9 月18 日です。