2024年10月の星空

今月の星空Starry sky of the month

土星どせいSaturn

太陽系の惑星で木星に次いで2番目に大きい土星は、大きな環が特徴的なとても美しい天体です。南の空で黄色っぽく輝き、望遠鏡を使うと環に加えて土星の周りを回る衛星も見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。

二重星にじゅうせいDouble star

二重星は、肉眼では1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見える星です。はくちょう座のくちばしに輝くアルビレオや、アンドロメダ座のガンマ星(アルマク)も色の対比が美しい二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度が高い星です。

球状星団きゅうじょうせいだんGlobular cluster

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2、ヘルクレス座のM13などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。

銀河ぎんがGalaxy

太陽のような星が数千億個集まった星の大集団が銀河です。私たちの太陽系も、「天の川銀河」と呼ばれる銀河に属しています。アンドロメダ座にあるM31(アンドロメダ銀河)は、私たちの天の川銀河のお隣(距離230万光年)の銀河です。数十億年後この2つの銀河は合体し、1つの巨大な銀河になると予想されています。空の暗い場所では肉眼でも光のシミのように見えます。

赤色巨星せきしょくきょせいRed giant

恒星は、安定して輝く時期が長く続きます。しかし、恒星の内部の水素を使い果たすと、恒星は自身の重力で縮み始め、その際に発生する熱によって外側のガスはさらに外へと膨張し、巨大な星になります。ガスが膨れると表面の温度が低くなるため、赤色に見えます。ガーネット・スターとも呼ばれる、ケフェウス座のμ(ミュー)星は、このような赤色超巨星と考えられており、直径は太陽の1400倍も大きいことが観測されています。

PICKUP!

大彗星になるか?!紫金山‐アトラス彗星

2023年1月~2月に、中国の紫金山(ツーチンシャン)天文台と南アフリカのATLASシステムにより発見された彗星が、9月末から10月中旬に地球に接近し、明るく見えると期待されています。地球に最接近する10月13日前後には、夕方の西の空で長く尾を引く彗星を見られるかもしれません。神山天文台では、10月26日16:00~17:00に河北台長によるミニレクチャー「みんなで見よう!紫金山-アトラス彗星」を実施予定です(レクチャー後、特別観望も行います)。