【法学部】京都府警察本部訪問調査「特殊詐欺と暴力団の関わり」~近年の傾向と私たちにできることとは~

2023.06.23

法学部では、学生同士や教員とのコミュニケーションを通じて主体的に学ぶ「AL(アクティブ・ラーニング)科目」を多数開講しています。その1つである田村 正博教授の「3年次演習」(ゼミ)では、社会安全政策上のテーマについて、数人ずつのグループに分かれて京都府警察本部の担当者から話を聞くなどして調査し、授業内で発表・討議を行っています。今回は、「特殊詐欺と暴力団の関わり」をテーマに設定したグループの学生3人が、京都府警察本部で聞き取り調査を行った様子をレポートします。

(学生ライター 現代社会学部3年次 伊藤 淳仁)

京都府警察本部で聞き取り調査を行ったゼミ生3人と田村教授

ゼミ生に話をしてくださったのは、京都府警察本部特殊詐欺対策室の政 聖治(つかさ まさはる)警部と木下 智貴警部補です。
まず、近年の特殊詐欺の傾向や具体的な手法などについて説明を受けた後、京都府警察本部が行っている対策や暴力団との関わりについて質問しました。

近年は、受け子や出し子などと呼ばれる実行犯をSNSなどで「高収入」などとうたって募集し、匿名性の高いチャットアプリを使用して犯行を指示する手法が多用されています。特殊詐欺の背景には、暴力団といった組織的な犯罪グループが存在しているものの、SNSやアプリを使用することで、受け子等の実行犯との関係を警察につかませないようにしています。しかし、政警部は「受け子や出し子は必ず捕まります。安易に応募することで、犯罪者グループに個人情報を握られるだけでなく、犯罪者として自分の人生を台無しにします」と話されました。

真剣な様子でメモをとりながら話を聞くゼミ生
近年の特殊詐欺の傾向などについて説明を受けた
録音装置の活用について説明を受けた

また、特殊詐欺の多くは固定電話が入口となっていることから、その対策として、ナンバーディスプレイ機能や着信時に相手に対して録音を行うことを自動で伝える電話機や装置を活用することが紹介されました。電話機に防犯対策を導入しておくことが、詐欺に遭うリスクを減らすことにつながります。このような対策は、主に被害に遭う高齢者に限った話ではなく、孫世代である若者からの声掛けも重要であることが指摘されました。また、対策機器やサービスを有効に活用するためには、導入後に、利用者自身が設定を正しく行うことも重要です。

ゼミ生は、当初用意していた質問以外にも、政警部と木下警部補のお話を聞く中で気になった点を確認しながら、真剣な様子で調査を進めていました。


近年、特殊詐欺という言葉を聞く機会は多くありますが、被害は依然としてなくなりません。実際に京都府警察本部の方からお話を聞いたことで、誰しも被害に遭う可能性のある身近な危険である実感を持つことができました。祖父母や両親にも今回聞いた話を共有し、対策を呼びかけたいと思いました。

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