【国際関係学部】トビタテ!留学JAPANなどの外部支援金を活用して海外調査を複数回実現した 渡辺 美琴さんを取材しました!
2024.09.20

学部の授業以外にも活躍の場を求めて積極的に取り組む学生を紹介する本企画。
今回は、トビタテ!留学JAPAN(文部科学省)などの外部支援金を活用して海外への挑戦を何度も行った、国際関係学部4年次 渡辺 美琴さんに話を聞きました。
渡辺さんは大学入学以降に4回長期の海外渡航(3週間以上の渡航)を経験されていますね。

1度目(必修科目:海外フィールド・リサーチ)の渡航について教えてください。
航前の想い
当時(1年次)、私は東南アジアの発展や歴史にとても関心がありました。渡航したマレーシアは、多様な民族・文化を受け入れて発展する国というイメージがあったので、単一民族国家といえる日本との違いや、多文化が共生する社会とはどんなものか自分の目で見て体験できることを期待していました。
現地での活動・感じたこと
現地では、協定校のウタラ・マレーシア大学に通いました。マレーシアの社会、民族、文化、宗教など多様性を学ぶ授業に参加したり、中華、マレー、イスラム、ヒンドゥーなど様々なバックグラウンドを持つ学生と英語の授業を受けたり、大学のアクティビティに参加しました。どんな人も私たちを歓迎してくれ、マレーシアは様々なルーツがある人を当たり前のようにも受け入れ尊重するという環境がベースにあることを実感しました。一方で、民族間の格差や対立の様子も見られました。そして、帰国後に東南アジア論を履修し、自身の経験を踏まえ学びを深めることができました。

2度目(外部支援金:行ってみ!チャレンジ)について教えてください。
応募目的
卒業論文を「ネパールの農村の内発的発展」というテーマで書くことに決めた私は、論文をより充実したものとするためにネパールに渡航し、先行論文だけでは見ることのできない、現地の人々の暮らしの様子や課題を知りたいと思いました。渡航費等の工面を考える中、一枝会が助成を行っていることを知り、応募しました。
現地での活動・感じたこと
滞在の始めと終わりに調査や施設の訪問、間の1ヶ月はインターンシップを行いました。日本のコーヒーショップがネパールに支店をオープンし、そこのスタッフとして接客や集客のお手伝いをさせていただきました。コーヒーショップで出すコーヒー豆を生産している農家に滞在させていただき、そこで得た情報も研究に活用しました。

3度目(外部支援金:トビタテ!留学JAPAN)について教えてください。
目的:これまでの国際関係学部の授業やヨーロッパへ調査に行った同級生からヨーロッパは環境保護に力を入れていると聞きました。ヨーロッパで環境保護の取り組みを学び、ネパールの持続可能な発展に応用したいと考えていました。というのも、前回のネパール渡航の際にゴミをそのまま畑に捨てる様子をみて、この状況を解決するためにどうしたらいいかと考え、先進事例を学びたいと思ったからです。
現地での活動・感じたこと
イタリアやフィンランドが環境保護に積極的である根底には、自然との距離の近さが関係しているのだと感じました。ネパール、イタリア、フィンランド私が訪れた場所の共通点は、農業や畜産業を営んでおり、町から遠く少し不便なところに暮らしていることや、時々、山に入って植物や 食べ物を採ることなどです。昔からの人々の暮らし方ですからそれもそのはずですよね。(笑) 一方で、決定的に違うのはインフラや制度の整備がネパールではあまり進んでいないことだと感じました。そのため、経済発展や開発に重点が置かれていて、自分たちの身の回りの豊かな自然を活用する選択肢を持っていなかったのではないかと考えました。イタリア(シランドロ)や、フィンランド(ユヴァスキュラ)では、町からでも自然にアクセスし易かったり、地球に優しい農業方法や生産を国が支援したり、ヴィーガンやベジタリアンの食生活を選択したり、持続可能性を意識して消費する両立を図ろうとしています。ネパール(ハルパン村)は、まき火でご飯を炊いたり、水を汲んで来たり、牛のために草刈りをしたり。けれど、不便さも豊かさと思える程に、私はネパールの省エネルギーな暮らし方が反対にとても良いと感じました。
昔は石けんも木の実だったと教えてもらった時は驚いたと同時に、それが一番経済的で自然に優しい!と思いました。それでも、購入した化学性の石けんが安いということでみんなそれを使っています。下水処理も十分でないネパールで水や土を守るためにどうすればいいのか、考えて出したアイデアは「石けん作りを広めること」です。このプロジェクト通して、ネパールの人々が自分たちの身の回りの自然を活用しながら意識して守っていけるようになったらいいなと考えています。現地で手に入れることができる材料で石けんを開発できたことは1つの成果と言えます。今後は、村で採れる植物やハーブを使った石けんを作るワークショップを開催し、村の人々が自分たちで作った石けんを楽しんで使ってくれたら嬉しいですし、収入を得られる1つの手段になったら素敵だなと思います。




4度目(交換留学:フィンランド ユヴァスキュラ大学)について教えてください。
応募目的
社会福祉制度が手厚く、特に教育に力を入れていることで有名なフィンランドの政治、国家体制に関心があったのでフィンランドへの留学を決めました。
現地での活動・感じたこと
フィンランドで教育を受けてきた人たちや教員から、教育について様々な意見を聞くことができました。生涯学習*¹を大切にしているだけあって、博物館や美術館、イベントなど無料で利用できる施設が多く、子どもからお年寄りまで何歳になっても学べる環境があることに感動しました。私自身も実際に暮らしてみて、フィンランドは「学生」として滞在するのに最適な国だと感じました。経済的な部分では、家賃も日本の一人暮らしの時と変わらないくらいで、学割も電車やレストランなど様々な場面で活躍します。物価が日本より高いので、学割はとても助かりました。また、大学内外でのイベントも盛んに行われており、フィンランドに暮らす人々との交流や、他地域からの留学生と仲良くなれる場、フィンランドの文化について知る機会が沢山設けられていました。教育がフィンランドのより良い社会作りに大きく貢献していると感じました。
*¹ 生涯学習…人々が、生涯のいつでも、自由に学習機会を選択し学ぶことができ、その成果が適切に評価される社会を指すもの(文部科学省 )



外部支援金への応募の際に心がけた(工夫した)ことについて教えてください。
私は、大きく2つのことをしました。1つ目は、一貫性のある課題解決の目的と手段を決定することです。支援金の志望動機を書くにあたって、どこの何が問題なのか、これをはっきりさせることが大切です。そして手段を選択します。これはできるかどうか確実である必要はないと思います。「(問題が)どうなることが望ましいか」を考え、それを実現させる可能性のある手段を検討することが一貫性のある志望動機を書くためのコツです!
2つ目は、渡航したいと考えている国、地域と関わる人とコンタクトを取ることです。支援を受けるために必要なのは自分の考え、やりたいことがどれだけ実現可能か明確にする必要があります。そのため、先に渡航先と繋げてくれる人物にリーチしておくことで、この人は既に実現に向けて動いていると支援側に理解してもらえると思います。


学生生活を振り返って感じるターニングポイントについて教えてください。



これから挑戦したいことについて教えてください。

挑戦をしたい高校生、大学生へのメッセージ
