法学会学生委員会主催 弁護士 射場 和子さん講演会 「こころを聴く」を開催しました

2024.07.10

法学会学生委員会主催の講演会が2024年7月3日に開催されました。

法学会は、京都産業大学法学部の教員と学生で構成する学術団体です。
今回の学生委員会主催講演会は、京都産業大学法科大学院の修了生で、現在は愛媛県松山市で弁護士としてご活躍の射場 和子(いば かずこ)氏に「こころを聴く」と題してお話しいただきました。学生や教職員、また一般の方も含め、約600人が聴講しました。

講演は、射場氏が43歳のときに法科大学院に入学したきっかけとなったエピソードや、法科大学院の在学中あるいは弁護士になって出会った周囲の人々・相談者などから得られた経験や気づきをもとに、わたしたちの社会のあり方や、社会に存在する問題にアプローチする方法についてお話しいただきました。

要旨は次のとおりです。

  • 社会の制度・構造が不当であるがゆえに生きづらさを抱えた個人は、しばしば自ら声をあげることができないほど弱りきっており、その「こころを聴く」こと、「こころによって聴く」姿勢で接することで、はじめて支援の一歩となる。
  • 法学を学ぶことは、社会の多数派が気づきにくい自己の無意識の偏見に向き合うことにつながる。「こころを聴く」ことは、いつからでも始められる。わたしたちの社会の法や制度を、検証し、変えていくことができるものだと捉えることで、自己や社会が前進できる可能性が生まれる。
  • 周りと自分を比べないで。自分がどのように生きたいのか感じてみること。しばられず、自分のこころを聴くことも大切。

講演後には質疑応答の機会がもうけられ、「法は個人を救えるのか」「法学を学ぶ意味は何か」「同性カップル差別の問題」など、聴講者からさまざまな質問が出て、射場氏が応答されました。会の終了後にも、列をつくって順に射場氏に質問する学生らの姿が見られました。

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