【国際関係学部】「国際キャリア開発リサーチA・B・C」の合同成果報告会を行いました!
2023.11.02
各グループ代表の学生が、参加した約2~3週間のインターンシップおよびその事前・事後学習をとおして得た学びについて発表しました。
CDR-A カンボジア
履修生はこのプログラムを通じて、現地で実際に販売する商品を開発するため、PDCAサイクルに基づいたマーケティング調査や現地の方々との協働に取り組みました。最終的には、開発した商品を実際に現地のサッカーチーム「アンコールタイガー」の試合会場で販売し、その収益を現地孤児院に寄付する取り組みも行いました。
プログラムを通して、受講生はカンボジアの歴史や政治・経済の現状について学ぶだけでなく、海外実習における危機管理と対応策に関する理解を深め、海外で働く経験や開発途上国でのビジネスコミュニケーションについて学びました。そして、自主性や問題解決能力、情報発信能力、他者との協働に必要な調整能力など、海外でキャリアを築いていくのに必要不可欠なスキルを訓練し、それらの重要性を深く理解することができたとのことでした。
本プログラムが異文化理解やビジネススキルを磨く機会を提供してくれたこと、そして将来の国際的なキャリアに向けて準備をするための価値ある経験を提供してくれたと感想を述べてくれました。
CDR-A カンボジア 終了報告記事については、こちら
CDR-B マレーシア・ペナン
CDR-Bは、日本のNGOが民間の立場で世界各地において国際協力を行う現場での手法、すなわち、世界各地のコミュニティが抱えている様々な社会課題を把握し、その解決方法を見出し、その実行に資金面や人的資源の面で協力する活動の一端を履修生が体験することを目的としています。具体的には、東京に本拠を置く特定非営利活動法人パルシックの全面的なご協力・綿密なご指導のもと、マレーシア北西部ペナン州に2週間滞在し、都市部における多文化共生やゴミ問題、沿岸部における環境破壊(工業用地埋め立てやエビ養殖)によるマングローブ林の減少が伝統的漁業に与える悪影響などの問題に取り組む現地NGOの活動内容を学ぶとともに、それら諸問題の解決方法を自分たちなりに検討・提案する作業を行いました。
特に、ペナン沿岸漁民福利協会(PIFWA)のご指導のもと、マングローブの苗の植林作業を行なった上で、マングローブ林が果たす生態的・社会的な意義の重要性を整理するプレゼンテーションを作成・実施し、現地で高い評価を受けるなど、大きな成果を上げることができたようです。また、漁村コミュニティの一般家庭にホームステイする中で、言葉(マレー語)も宗教(イスラム教)も生活習慣も日本とは大きく異なる環境に驚きつつも、ホストファミリーと心同士でつながることができたようです。
実習を終えて履修生はそれぞれ、国際協力実務を将来の自分の仕事とする可能性を感じたり、民間企業の中で社会課題解決に貢献する仕事を見出していく展望を得るなど、各自のキャリア形成へ向けてのきっかけを得たとのことです。今回の報告会には、パルシックの事務局長・西森光子様がオンラインでご参加くださり、「最近、国際協力・国際交流への関心が日本国内で弱まってきている現状があるのですが、そのような中、今回の履修生の皆さんがNGOの活動に強く関心を持ち、様々な形で海外とつながる仕事をしたいと思ってくれたことを、心強く感じました。」とのご講評をいただきました。
CDR-C1 マレーシア
履修生は製品の特徴や鶏卵業界の基礎知識を事前に学び、同社の海外戦略について理解した上で、同社のマレーシア現地法人で生産現場の体験やサプライヤー訪問、営業同行などに臨みました。滞在を通じて、「高品質の日本製品が国際市場で評価されている一方で、耐久性やアフターサービスの充実が求められる」「競合のヨーロッパのブランド力との差別化が重要である」という発見をしました。また、同社の「日本・中国・マレーシアの工場をどのように活用すべきか」という課題にも取り組み提案も練りました。
履修生は実習を通じて、「大学を卒業後、海外で働きたいという目標のために、何が必要なのか、これからどういう行動が必要かを発見した」「就職活動の軸が明確化した」と、将来のキャリアに向けても充実した期間になったと発表されました。
担当教員からは、慣れない異国の地で、現地スタッフと協力しながら仕事をしなければならない状況は、異文化環境対応能力や言語コミュニケーション能力を高めることになり、「サバイブする力(生き抜く力)」を身につけることができた、通常の大学生活を送っていては覗くことのできない「B to Bの国際ビジネス」を体験でき、国際的視野が広がったと評価されました。
CDR-C1 マレーシア 終了報告記事については、こちら
CDR-C2 パラオ
大統領府(Office of the President)
また、パラオの人々は、小さな島国だからこそ助け合いの精神や連携力が強いと感じたそうです。何気ないコミュニケーションを日々大切にしているからこそ、何かハプニングがあったときも全員で乗り越えることにつながっていると感じたことから、将来の社会人生活においてもこの経験を役に立てたいと話してくれました。
コロール州リサイクルセンター(Koror State Solid Waste Management Office)
イノベーションの歴史を学び、実際に施設のスタッフとして働くことで、国際協働に取り組む上で何を見据えどのように次の段階に繋げていくことが大切かという視点から発表しました。
その中で、以下のことを学んだと発表がありました。
- 資源と資金の両方がサーキュラーエコノミーの成功に不可欠であるとの認識は、持続可能な開発に向けた国際協力活動において重要であること
- コンポスト活動を通じて、フードセキュリティーの向上に貢献する可能性を認識し、それはパラオの未来を守ることにつながること
- 限られた資源を有効活用し、パラオの産業を発展させ新たなエネルギーをもたらす「資源の有効的な活用の重要性」や、小さくも強い繋がりをもつ「コミュニティ」が重要であること
この経験を踏まえて、「海外で働くことや国際協力により関心をもっているからこそ、広い視野をもつことを大切にして今後のキャリアパスを具体的に考えていきたい」との感想が述べられました。
観光チーム(受入れ先機関:Palau Visitors Authority ならびにBureau of Tourism)
また、ホームステイを通じて、文化的な交流や実地体験が重要であることを理解し、言葉や文化を実際に体験することが、異文化理解を促進し、国際協働において重要なスキルであると感じたそうです。
今後については、「パラオにおける観光政策や環境保全をさらに深め、ゼミでの研究に役立ていきたい」とのことでした。
CDR-C パラオ共和国 終了報告記事については、こちら