【法学部】チェコ交換留学日記#10「チェコでの交換留学生としての楽しみ」

2023.10.26

中欧のチェコ共和国へ交換留学されていた法学部4年次生(留学当時)の加藤 弦さんからの留学レポートです。
ぜひご覧ください!

チェコ留学日記#10

法学部4年次生 加藤 弦さん

Dobrý den!(こんにちは!)
法学部法律学科4年次生の加藤です。
本学の交換留学生としてチェコ共和国・オロモウツにあるパラツキー大学オロモウツ(Palacký University Olomouc)に留学し、7月に帰国しました。
帰国しましたが、まだまだチェコと私の留学について伝えたいことがたくさんありますので、あと何回分かお付き合いください!

今回は、留学中の生活について特集します。

授業

教室移動中に雪の降る広場を通り抜ける。授業の間に降り出した雪が外に出る頃にはしっかり積もっていることも。

授業は主に私の所属していたFaculty of Artsの建物(メインキャンパス)で行われていましたが、大学全体で見るとオロモウツ市内中に大学の教室が点在しているので、遠い教室を選択してしまうとトラムを使ってまで移動をしなくてはならないことになります。

しかし、移動教室中にも時間さえあれば観光を楽しめてしまうということもあります。実際、私は15分の授業間に中心部の広場を横断する形で移動しなければいけない授業を取っていましたが、冬にはクリスマスマーケットの雰囲気を楽しみつつ、同じ授業を履修している人たちと話をしながら移動することができました。そのような部分では少し遠い教室を選ぶことも楽しいかもしれません。

チェコ語の辞書は必須。ミニサイズのものも本屋で購入できるのでおすすめ。
今学期、私は前もって申請していた授業を変更して履修しました。
渡航前には書面(しかも授業名のみ)でしかどの授業を履修するか決める手段がなかったこともあり、歴史の講義をチェコ語の授業に変更することにしました。結果、その判断は妥当であったようで、自身のチェコ語の知識を日常会話レベルにまで押し上げることができました。
空き時間には市内に複数箇所ある大学図書館で気になる本も読めます。法学部の図書館の本棚にて。
授業を受けた中で最も驚いたのが、ほとんどの講義が少人数制であるが故の自由度の高さです。
冬学期で履修したある政治学の授業では、2週間に1回は教室ではなくカフェで論文をまとめた発表を行うなど、先生によって日本以上に様々な授業スタイルがあることも実感できました。もちろん、その分だけ授業内容はしっかり難しいので大変でしたが。

留学生向けのイベント

ESN(=Erasmus Student Network)という欧州圏内留学生のための学生団体があり、その団体が主催するイベントやパーティーでたくさんの留学生の友達ができました。
学期はじめにはOrientation Weekという1週間で親睦を深め、大学のことをより知ることができるイベントを毎日行ってくれます。
私はビザ発給の関係上、冬学期のOrientation Weekには参加できませんでしたが、夏学期のものには参加ができ、お酒を飲み交わしながらクイズなどで親睦を深めたり、街中を現地学生に案内してもらうツアーで知識をつけたりなど、とても楽しい日々を過ごすことができました。
地元のブルワリー見学の会にも参加。何度でも言いますが、チェコは1人当たりのビール消費量が世界一です。
自分の国をプレゼンするNational Presentationというイベントもあります。
個人的なおすすめはPub Quizというイベント。その名の通り2週間に1回パブに集まり、チームを組んでクイズ大会を行うというものです。
レベルは少し平均よりは高めですが、その分毎回の優勝賞品はしっかりとしています。チェコ名産のBechelovkaやRepublikaというお酒が出てくるため、どのチームもちょっと本気でしのぎを削っていました。

基本的にチームを組んだ上で申込みをするようですが、私はあえて1人だけで申し込みをしたところ、たまたま入れられたチームで意気投合して、Pub Quiz以外でも全員で集まるほど仲良くなりました。
Tram Partyの様子

また、Orientation Week時に大人気なのがTram Partyです。
オロモウツ市交通局協力の元、寮の最寄りの電停に到着した貸し切り車両に乗り込んで、市内を何周かしている間に車内でパーティーをして楽しむというもの。もちろん、車内でパーティーを楽しんだ後は車両がクラブの最寄りで停まり、そのまま全員で「2軒目」へ向かうというハイカロリーなイベントです。私も参加しましたが、他の留学生たちとの体力差が顕著に感じられました…。

チケットが早めに売り切れてしまうので、パラツキー大学の留学生で絶対に行きたい方はアナウンスがあればすぐにESNオフィスで購入することをお勧めします。

普段の生活

留学中、最初は一緒の授業を履修している人どうしで仲良くなるものなのかなと思っていましたが、意外にもイベントやひょんなことから仲良くなるケースも多く、楽しかったです。
ある友達はたまたま参加したボウリング大会で出会ってから、別の人たちも巻き込んで旅行へ行く仲になりましたし、また別の友人はフラットメイトとよく一緒にいる中で次第に意気投合して、スポーツを中心にお互いの国のことを教え合うようになりました。

とにかくいろいろな知見を得たかったので、「広く深く」を目指してどんな場所にも積極的に顔を出していきました。おかげさまで最終的には40カ国以上の人と仲良くなり、一部とは帰国後も連絡を取り合っています。
またバディ制度があり、渡航前に前もって申請しておくことでマッチングした現地学生と友達になれます。タイミングにもよりますが、渡航前にマッチが成功すればオロモウツ到着時に合流することもでき、最初の手続きや住むための準備などをしっかりサポートしてくれるので安心です。

イベントで知り合った友人たちと。一度出会ってからは定例会のようなものを開いてイベント以外でも集まるほどの仲に。

旅行

チェコはヨーロッパでも中央に位置しているため、移動手段も安価で豊富です。そのようなこともあり、期間中は週末ごとに近隣国家へ足を運び、様々な文化を堪能することができました。

ただ、オロモウツはプラハなどの大都市と比べて幹線が多くないため、まずはプラハに出てから、という動きをしなくてはならず、少し旅行には不向きかもしれません。しかし、ポーランドやオーストリア、スロバキアなどの隣国へはプラハよりも行きやすいので、こちらもおすすめです。

ヘルシンキ大聖堂(フィンランド)

私が行った国:(チェコ)、ハンガリー、オーストリア、ポーランド、ドイツ、オランダ、イタリア、フランス、イギリス、ラトビア、エストニア、フィンランド

行けていない国も多く、もう少し時間があればチェコ人御用達の人気旅行地であるクロアチア、複雑な歴史を持つボスニア・ヘルツェゴビナや北マケドニア、フィンランドのついでに行きたかったものの、「さすがにキツい」との理由で計画破棄となってしまった残りの北欧諸国などなど、もう少し時間と知識があれば…と思う瞬間が多くありました。
ヨーロッパへ留学を考えている皆さんは、ぜひ十分な計画と潤沢な資金を持って挑んでください。

ブダペストの国会議事堂(ハンガリー)
チェコもかつてはオーストリア=ハンガリー帝国の一部だったため、歴史的にも興味深い国でした。
リガ旧市街の「三人兄弟の家」(ラトビア)
バルト三国に「あまり日本人で行く人がいなさそうだから」というひねくれた理由で行ってみたのですが、今まで全く日本人観光客に会わなかったのにも関わらず、リガで3組も遭遇しました。
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