【法学部】チェコ交換留学日記#5「チェコの行事:欧州2大行事はどんな感じ?」
2023.05.31
現在、中欧のチェコ共和国へ交換留学中の法学部4年次生の加藤 弦さんが、現地から留学レポートをしてくれました。
ぜひご覧ください!
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チェコ留学日記#5
Dobrý den!(こんにちは!)
法学部法律学科4年次生の加藤です。
私は今、本学の交換留学生としてチェコ共和国・オロモウツにあるパラツキー大学オロモウツ(Palacký University Olomouc)に留学しています。
今回は、チェコにおける季節の行事について特集します!
チェコの2大イベント
キリスト教が主流である欧州において、クリスマスとイースターは特に重要視されています。前者はご存じの通り12月後半頃、後者は年によって異なりますが3月下旬から4月上旬です。
クリスマス(Vánoce)
この期間は休暇となると同時に各地でマーケットや関連のイベントが開かれるなど、大いに賑わいます。
チェコのクリスマスマーケットで特に人気の屋台といえば、ポンチ(Punč)とも呼ばれるホットワインでしょう。ワインにラム酒、果物などを混ぜたこの飲み物は、甘くもありながらアルコールで身体が温まるので、夜には氷点下5度も当たり前なチェコのクリスマスマーケットをゆっくり回る際には必須です。
クリスマスの日には、鯉料理を食卓で囲むという習わしがあります。場合によっては、クリスマス中のペットとしてバスタブで生きた鯉を飼うということもあるようです。クリスマスの料理ではありませんが、私も鯉料理をチェコで初めて食べました。少し揚げられている皮と白身の相性がとても良く、おすすめです。
トルデルニークはハンガリー、スロバキア、チェコで有名なお菓子です。チェコでは年中販売されていますが、特にクリスマスマーケットで見ることが多いです。ちなみにプラハの伝統的な甘味として売られていますが、文献をたどるとハンガリーやスロバキアのルーツが強いということです。
イースター(Velikonoce)
チェコのイースターの祝い方は少し独特で、男の人が女の人の家を訪ね、鞭で叩いて厄除けをして回るというもの。叩かれた女の人は、お礼にイースターエッグを男の人にプレゼントします。チェコの一部地域やスロバキアでは、鞭で叩くことに加えて水をかけることも。
鞭はヤナギのまだ柔らかい枝を編んで手作りされ、イースター期間中は駅で鞭をリュックに差した男の人が故郷へ帰る列車を待っている光景も見られます。
鞭はヤナギのまだ柔らかい枝を編んで手作りされ、イースター期間中は駅で鞭をリュックに差した男の人が故郷へ帰る列車を待っている光景も見られます。
イースター期間前からよくスーパーの店頭に並ぶのは、羊をかたどった大きなケーキです。これは昔に子羊のローストが用意できない人々が、そのしきたりを守るために羊型のケーキを焼いたことに由来するそう。
イースターといえば一番連想されるのがイースターエッグですが、表面をナイフで削って模様を作るのがチェコの伝統的なもの。場合によっては少しお高いですが、卵に施された細かなレース柄は一見の価値があります。
イースターといえば一番連想されるのがイースターエッグですが、表面をナイフで削って模様を作るのがチェコの伝統的なもの。場合によっては少しお高いですが、卵に施された細かなレース柄は一見の価値があります。
また、この時期にはその地域で異なるバリエーションを持った伝統衣装を着用します。男女ともに白基調ながら、色鮮やかな刺繍を身にまとってイースターをお祝いします。ちなみに、南モラビア地方出身の友達曰く、南側がより伝統的な風習が色濃く残っているそうです。
オロモウツチーズ祭り(Olomoucký tvarůžkový festival)
さらに、私の住むオロモウツでは「オロモウツチーズ祭り」とも言われる、毎年独自のお祭りが4月中旬に開かれています。
オロモウツチーズ(Olomoucké tvarůžky)は、匂いが独特なチェコのチーズの一種です。この祭りでは、オロモウツチーズを使った様々な料理を販売する屋台が中心部の広場に並び、ステージ上ではチーズの料理方法について料理人が解説を行うといったイベントも開催されています。もちろんチーズの即売会も開催され、チーズと関連商品が飛ぶように売れていました。
個人的には、どのイベントでもチェコの人々は家族みんなで楽しんでいる印象を受けました。特にクリスマスに関しては、近年の日本では恋人のイベントのようなイメージが強いです。しかし家族で過ごすという認識が欧州と日本で異なるからか、こちらではみんなで楽しむ、という違いがあるのが興味深かったです。