【外国語学部】アイスランドに交換留学中の学生が現地の様子をレポート

2023.05.11

外国語学部 英語学科イングリッシュ・キャリア専攻 4年次生 山村りり子さん

2022年8月から留学生活が始まり、7カ月が経ちました。自分のペースをつかむまでは心も体も落ち着かない状態でしたが、慣れてきた現在は、平日は授業と課題に取り組みながらも、構内のジムやサウナへ行ったり、フラットメイトとリビングでお喋りをしながら、のんびりと過ごす余裕も出てきました。

今回は、私のアイスランドでの留学生活について、ご報告したいと思います。まず、アイスランドの社会や国民性、気候について紹介します。

違いに寛容なアイスランド社会

ダウンタウンの人気の写真スポットです。アイスランドではジェンダーダイバーシティを象徴するレインボーの旗をあらゆるところで目にすることができます。

アイスランドはグリーンランド南東に位置する小さな島です。人口は約35万人で、人口のほとんどが首都レイキャビクに集中しています。小さな国ですが、壮大な自然に囲まれ、「治安の良さ」、「英語力の高さ」、「男女平等社会」など様々な点で世界一を実現している素晴らしい国です。
留学生活を送る中で、そのようなアイスランド社会を知ることができました。

例えば、アイスランドは意外にも多文化、多民族、多言語社会であるため、都心から遠く離れた山奥やローカルなカフェなど、どこを訪れても嫌な顔一つせずフレンドリーに英語で話しかけてくれます。(アイスランドの公用語はアイスランド語です。)日本人であることを話すと、知っている日本語で話しかけてくれたり、日本語のアニメや映画が好きであるということを教えてくれる方もいます。

また、ジェンダーやセクシュアリティに対しての広い理解力からか、学校のサウナにはユニセックスの更衣室しかなく、最初はとても驚きました。日本では、男女兼用の更衣室の設置は、批判的な声や性犯罪が起こることへの不安などから、なかなか難しいことかもしれません。ルールによる規制や、細かいマナーに縛られることがなくても、治安が良い、快適な暮らしを維持できるアイスランド人の民度の高さを感じることができました。「違い」に寛容な文化と平穏な生活を経験することができたことは、留学においての大きな収穫です。

寒いけれど寒くない(?!)アイスランド

昨年10月に寮の前で撮影したオーロラです。裸眼で見ると白っぽいですが、カメラ越しで見ると緑色になり、よりはっきりと星空とともに観察することができます。

アイスランドというと寒い国という印象があるかもしれません。しかし、メキシコからの暖かい気流が流れているため、気温と体感温度に差があり、レイキャビクではそれほど寒さは感じません。夏は10度、冬には0度前後まで下がりますが、屋内は常に20度以上あるので半袖の人もいます。

また、台風を大幅に上回る暴風が吹き荒れるのが、日常茶飯事です。特に冬の間(10月~2月)は不安定な天気が続き、極夜(1日を通して太陽が昇らない現象のこと。)も重なります。3月頃からは、雨の日は少なくなり、白夜(1日を通して太陽が沈まない現象のこと)も経験することができます。

レイキャビクは世界で唯一、オーロラが見える首都で、寮の窓から観測することもできます。運の良い日にはピンクのオーロラや星空も撮影でき、その瞬間を逃すまいとキャンパス内の寮に住む学生達が大急ぎで次々外に出て、はしゃぎながら撮影する光景には毎回胸が弾むような気持ちでした。アイスランドに長く住んでいる現地の人でも、冬にしか見ることができないオーロラは貴重なものであるようです。

“já”— ことばと大学生活

公用語はアイスランド語で、町を歩いているとあちこちから“já”と聞こえてきます。“já”は“yes”を始めとして“let’s go”や“Are you coming? ”など13個の意味を持つといわれています。「世界一難しい」ともいわれるアイスランド語ですが、便利な言葉として最初に教えてもらった単語です。ちなみに、私はアイスランド語の勉強は全くしていませんが、英語だけで問題なく生活をすることができています。

授業のペースや課題の量は予想していたよりも大変なものではありませんでした。一コマ90分の授業は、前半45分+休憩10分+後半45分に分かれおり、前半と後半の間には、必ず10分間の休憩が入ります。この10分休みにはコーヒーを買いに退出する人がたくさんいます。時間内でできることを詰め込むというよりは、その日の授業内容が終われば定時前に解散するなど、頑張るときは集中し、休む時はとことん休むという、日本とは異なる文化を実感しました。

休日はバスで遠出をして自然を探索したり、友人とダウンタウンに美味しいものを食べにいったり、料理を楽しんだりと、充実した時間を過ごしており、時間の流れの早さを感じます。

物価

問題点を一つ上げるとすれば、物価の高さです。食べ物の物価は日本の2、3倍の価格で、卵6つで400円以上、ブロッコリーは300円ほど、サーモンは二切れで2,000円以上します。また、外食になるとさらにお金がかかってしまい、Tokyo Sushi という人気寿司チェーン店では、サーモン4貫で1,000円ほどです。

しかしながら、申請すれば家賃の4割ほどの支援が受けられるので、とても助けられています。また、休暇や週末に安価で欧州を旅行することもできます。私はクリスマスから正月にかけてフィンランドとエストニアを旅行しましたが、留学期間中に合計10カ国ほど旅をしている人もいます。私も残り少ない滞在期間の中で余裕があれば、また旅行をして留学生活を十分に謳歌したいと思います。

私が暮らしている寮の様子

この写真は、私が暮らしているキャンパス内の寮の様子です。地下1階から3階まであり、建物の中に合計10カ所のキッチンがあります。その中でもこのキッチンは一番大きく、14人でシェアをしています。冷蔵庫、豊富なキッチン道具、ソファー、テレビなどが揃っており、お気に入りの場所です。夕方からフラットメイトが集まって雑談をしたり課題をしたりする時間がとても好きです。

アイスランドの自然

運よく渡航と同時にMeradalirという山が噴火しました。その様子を見るために車で近くまで連れて行ってもらいました。
9月に現地の方に連れて行ってもらったロードトリップです。写真中央の大きな岩の割れ目の中に入ることもできます。
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