【法学部】朝日放送が紹介 学生が福岡の更生支援施設でフィールドリサーチ「社会安全フィールド・リサーチ(服部クラス)」

2022.11.24

田川ふれあい義塾女子塾生(女子少年院出院者)との交流

今年9月に法学部の「社会安全フィールド・リサーチ(服部クラス)」では、福岡県の更生支援施設などを訪問し、「生きづらさ」を抱えた少年や刑務所を出られた方たちの社会復帰支援の現状を学んできました。

この模様は朝日放送の「newsおかえり」でも紹介され、この時の模様はYouTubeで公開されています。

今回の活動に参加した学生から、現地での活動レポートを書いてもらいました。
是非ご覧ください。

福岡で学んだ更生のための活動と社会が考えるべき社会復帰支援とは

服部 達也 教授の社会安全フィールド・リサーチクラスでは、「生きづらさ」を抱えた少年や刑務所を出られた方たちの受け皿になる更生保護施設や協力雇用主の活動状況をリサーチし、社会復帰支援はどうするべきであるか学んでいます。

2022年9月15日から17日にかけて福岡に行き、少年院出院者や刑務所出所者の更生支援をされている「田川ふれあい義塾」、「ふれあいの森」、「中溝観光開発」、「福岡弥生寮」に訪問し、更生には何が必要かなどについて話を伺いました。

(学生ライター 法学部 2年次 杉原 翔)

1日目

触法障害者の共同生活施設「ふれあいの森」入所者(少年院出院者)とのグループワーク

田川ふれあい義塾とふれあいの森に訪問し、入所者の方からお話を伺いました。
田川ふれあい義塾の工藤 良 氏から入所者と接する上での難しさや現状の更生支援のシステムの問題点や「『マークイズ福岡』であったような事件を完全になくすことはできなくてもこのような事件の発生を1年に1回から20年に1回にはできる」など熱いお話をして頂きました。

ふれあいの森では入所者が親元に帰ることのできない事情を抱えていることや支援していく上で何が必要かお話していただきました。

2日目

協力雇用主をされている中溝 茂寿 氏が代表取締役をされている中溝観光開発の訪問させて頂き、刑務所出所された従業員の方と一緒にテナントや従業員の寮の清掃をさせて頂きました。

その後更生保護施設の福岡弥生寮に訪問させて頂き、更生を支援する側のお金の問題で若い職員を雇うことができないなどの悩みや更生保護施設であることが知られていない現状をお話しして頂きました。

3日目

中溝観光開発従業員(刑務所出所者)とのグループワーク

久留米大学の廣末 登先生から更生支援に携わっている企業の多くが土木関係で体力勝負になるが成人受刑者は刑務所では屋内作業なので外に出て体力勝負になると倒れてしまうことがある事や普通の会社で即戦力を求めているが支援する会社はそうではないなどについて講義して頂きました。

中溝 茂寿 社長には自分が協力雇用主になった経緯や従業員の一言一言を観察し、従業員を否定するのではなく聞いてあげることや「自分の背中を見せるのが責任」や「(私たちに)人の痛みをわかる人間になってほしい」など私たちの心を動かす言葉を話して頂きました。
その後、中溝観光開発の従業員の方に質問などをさせていただきました。

今回の調査で感じたこと

今回の福岡でのフィールド・リサーチを通して参加した生徒の感想として「普通の女子と変わらないが過去の大人への不信感を持っていた」、「信念を持っていて前向きな人であり、更正には社会とのつながりが必要であると思った」、「非行に走った人たちは私たちと何ら変わらず、私たちとの違いは今まで過ごした環境が虐待などで過酷な環境であったこと」、「非行に走った人たちは加害者である前に被害者であり、社会的孤立を経験してきた人が必要なのはただ寄り添ってくれる人でした。」がありました。

私が福岡で印象に残る出来事がありました。

それは2日目の夜、屋台に行った時のことです。
屋台の店主の方と私たちが福岡で更生について学び、更生支援が必要であることを話した際、店主の方が「罪を犯した者は更生しない。刑務所に入っていた方がいい。」ということをおしゃっていました。
更生支援の活動を多くしている福岡であっても更生支援について広まっていないこと、更生についてよく思っていない現状があるのだと思いました。

また、犯罪を起こした人と関わりたくないと考える人もいると思います。
このような現状ではいけないと思います。
この現状を変えるために社会復帰支援について社会の一人一人が考えていかないといけないのではないでしょうか。

考えるために更生支援について知る必要があると思うのでYouTubeで「田川ふれあい義塾」、「中溝観光開発」と調べてほしいと私は願います。

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