卵細胞の老化機構とアンチエイジング?〜アフリカツメガエルを用いた試み
2021.07.07
卵細胞の老化は、その生殖能力や発生能力を低下させます。これまでに、活性酸素種(ROS)が様々な細胞の老化を促進することが明らかにされています。
本学 生命科学部のトクマコフ アレクサンデル研究員(研究当時、現在・近畿大学)と佐藤 賢一 教授の研究チームは、老化したアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵細胞(未成熟卵母細胞と成熟卵母細胞(未受精卵))の生存率と機能性に及ぼす活性酸素の細胞内レベルを測定し、いくつかの選択的抗酸化物質(AOX)の影響を調べました。活性酸素検出に広く用いられている細胞透過性の蛍光色素DCFDAを用いて、新鮮な、もしくは人為的に老化させた卵細胞の活性酸素レベルを分析しました。
その結果、人為的に老化させた卵細胞では、細胞内の活性酸素量が増加していることがわかりました。さらに、活性酸素生成機構を標的とした選択的かつ細胞透過性のAOXを用いて、卵細胞内活性酸素の主な発生源は細胞膜NADPHオキシダーゼであり、ミトコンドリアの寄与はあまりないことを明らかにしました。天然有機化合物であるアポサイニンを用いてNADPHオキシダーゼを阻害すると、卵細胞の活性酸素濃度が著しく低下し、正常な卵細胞の形態と機能が維持されることがわかりました。
卵細胞などの配偶子に対するアポサイニンの有益な効果に関する報告はこれが初めてです。
本学 生命科学部のトクマコフ アレクサンデル研究員(研究当時、現在・近畿大学)と佐藤 賢一 教授の研究チームは、老化したアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵細胞(未成熟卵母細胞と成熟卵母細胞(未受精卵))の生存率と機能性に及ぼす活性酸素の細胞内レベルを測定し、いくつかの選択的抗酸化物質(AOX)の影響を調べました。活性酸素検出に広く用いられている細胞透過性の蛍光色素DCFDAを用いて、新鮮な、もしくは人為的に老化させた卵細胞の活性酸素レベルを分析しました。
その結果、人為的に老化させた卵細胞では、細胞内の活性酸素量が増加していることがわかりました。さらに、活性酸素生成機構を標的とした選択的かつ細胞透過性のAOXを用いて、卵細胞内活性酸素の主な発生源は細胞膜NADPHオキシダーゼであり、ミトコンドリアの寄与はあまりないことを明らかにしました。天然有機化合物であるアポサイニンを用いてNADPHオキシダーゼを阻害すると、卵細胞の活性酸素濃度が著しく低下し、正常な卵細胞の形態と機能が維持されることがわかりました。
卵細胞などの配偶子に対するアポサイニンの有益な効果に関する報告はこれが初めてです。


論文情報
タイトル | Modulation of intracellular ROS and senescence-associated phenotypes of Xenopus oocytes and eggs by selective antioxidants(選択的抗酸化剤によるXenopus卵母細胞および卵の細胞内ROSおよび老化に伴う表現型の調節) |
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掲載誌 | 国際学術誌「Antioxidants」 |
掲載日 | 2021年7月1日(木)(日本時間) |
著者 | Alexander A. Tokmakov, Ken-ichi Sato |
DOI | https://doi.org/10.3390/antiox10071068 |
研究支援
本研究は、文部科学省の科学研究費補助金(15K07083)および神戸大学の共同研究助成金(281027)の支援を受けて実施しました。本論文の出版にあたっては京都産業大学研究機構の専門雑誌掲載料助成制度の支援を受けました。