法学会秋季講演会「PBLを活用した産学連携によるグローカル人材の育成」開催

2016.11.14

京都産業大学法学会秋季講演会が11月14日、NPO法人グローカル人材開発センター代表理事・京都信用金庫専務理事の榊田 隆之先生を講師に招き、神山ホールにて開催されました。

京都の経済人として幅広く活躍される榊田先生は、自己紹介の後、大学生が明確な職業観を持たないまま社会人になるという問題と、それによる学生と地元企業のミスマッチを指摘されました。そして、それを克服するために大学に求められているのが、従来型の集団講義で学生が試験の合格を目的とする「ありきたりの座学」から、少人数講義で学生が自らの成長を目的とする「個性豊かな人づくり」への転換であると強調されました。これを実践するものが、グローカル人材開発センターが産学協同で先駆的に取り組んでいる、PBL(企業から出された課題を学生がグループで解決する形式の授業・取組)です。

講演の後半では、産業界から見た人材育成の課題や大学への要望が語られました。榊田先生が接する中小企業経営者は皆、人材育成を重視していますが、学生の人気は大企業に集中し、就職活動において上述のようなミスマッチが生じています。優れた中小企業と学生が出会うためには、産学連携によって学生の就業支援を行い、適切な職業観を醸成することが求められています。しかし、企業と大学の間の相互交流や相互理解は乏しく、ここにもミスマッチが存在するのです。

これらミスマッチを克服する方策として榊田先生が着目されるのが少人数のゼミであり、そこで「フィールドワーク」・「チームワーク」・「プレゼンテーション」に基づく実践型教育を行うとともに、学生による教員評価を充実させ、真の意味での双方向コミュニケーションを充実させることです。またそれによって、起業家を目指す学生をもっと積極的に育成してもらいたいという要望も述べられました。

講演では、クリッカーを使って2択〜4択の質問に聴衆が答える機会が何度も設けられました。回答を見ると、少人数教育を指向する学生、中小企業志望者、起業を考えている学生などが、どれも決して少なくないことが明らかとなりました。このことは上記に照らし、本学の教職員にとっても頼もしいことだと思われます。終盤の質疑応答で学生から積極的な質問が飛んだことも、頼もしさを裏付けるものと言えるでしょう。

最後に、これらの内容をふまえて、充実した人生を送って欲しいというメッセージで、講演は締めくくられました。様々な工夫を凝らし、親しみやすい語り口でテンポ良く進んだ講演には、多くの学生が引きつけられていました。

講演する榊田氏
クリッカーも使い双方向の講演が行われた
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