平成28年度 秋学期 公開授業&ワークショップ 実施報告

1. 法政策基礎リサーチ

① 実施日時・場所・参加人数

公開授業

下記の日程で、情報教室・雄飛館ラーニングコモンズで実施

2016年12月6日(火)3限
2016年12月8日(木)2限
2016年12月 8日(木)3限
2017年1月11日(水)3、4限(4クラス合同発表)

担当教員:久保 秀雄 准教授(火3限)、中井 歩 教授(木2限)、芝田 文男 教授(木3限)、焦 従勉 教授(木3限)
教職員のべ14名(教員10名、職員4名)が参観

ワークショップ

公開授業終了後
2017年1月11日(水)16:20~16:45に実施。
教員5名が参加。

②公開授業の概要

  • 「法政策基礎リサーチ」は、昨年度からの新カリキュラムにおける新規開講であり、法政策学科における初年次教育であると共に、フィールドリサーチに向けての準備的側面を持つ。その検証および今後の方向性を検討することも兼ねて実施することとした。
  • この授業は同一シラバスで4クラス開講がなされている。
  • 半年間のトレーニング(「アクションリサーチI」久保担当)を積んだSAがチーム(8~12人)となって、各クラスに入っていることが大きな特徴である。
  • 授業内容については担当教員間ですりあわせをしているほか(但し、個別の内容やグループワークの形態などはクラスの規模などによって変えている)、SAも教育内容や教材づくりに積極的に関与して展開している(「アクションリサーチII」久保・芝田・焦・中井担当)。
  • 「法政策基礎リサーチ」では、受講生が①政策に関する基礎知識の習得、②政策提言をするための課題発見・調査・議論・とりまとめ・発表というプロセスをグループワーク形式で体験、することを目指している。
  • 公開授業当日(12月分)は、各個人が課題と思われることや先行事例についての調査を持ち寄って、グループで行う提言の方向性について議論をするグループワークなどを行った。1月11日の合同ポスターセッションでは、4つのクラスが一堂に会して、ミニ発表と質疑応答を行った。

③ ワークショップでの意見交換内容

  • 合同ポスターセッションを見て、1回生が半年でここまでの水準・内容に達することができたことに驚いた、との評価があった。
  • グループ発表のレヴェルや個人の理解度については、まだ差がある。下位層の底上げがどこまでできるのかが、今後の課題であろう。
  • 合同ポスターセッションでは質疑応答は非常に活発にできていた。学生の表情にもそれが現れていた。
  • 教員が「よく調べている」と評価していた班の発表が、受講生(1回生)からも最多得票を得ていた。評価基準が共有できたということで、政策基礎知識についても理解が進んでいる証左だろう。

2. 法教育演習Ⅰ

① 実施日時・場所・参加人数

公開授業

2017年1月13日(金)3限(13101教室)
担当教員:増井 敦 准教授、山口 亮子 教授、中井 歩 教授
F工房職員
教職員のべ7名(教員6名、職員1名)が参観

ワークショップ

2017年1月13日(金)16:45~18:45(4号館会議室)
教職員のべ7名(教員4名、他職員3名)が参加

②公開授業の概要

  • 「法教育演習Ⅰ」は「プレップセミナー」に配属されるSAを育成することを主な目的にした、演習科目である。そのため、プレップセミナーについて担当教員との協働の在り方、科目内容と受講生との関わり方などが当該科目の重要なテーマであり、あるべきプレップセミナーのかたちを考える課題解決型学習という側面を持つ。法学部におけるユニークな(SA育成、課題解決型の側面)授業であること、SA候補の受講生と法学部教員がより良い授業について考える機会となることが、本科目を公開授業に選定をした理由である。今年度は、この科目の設置以来、協働・連携を続けているF工房が主に担当する授業回を公開することにした。
  • この回のテーマは、「観察とフィードバック」というものである。① 2人の対話の観察とフィードバックを実践するグループワーク、および ② ファシリテーション全般についてのレクチャーと、①の振り返りをもとにした全体での議論という展開で行った。

③ワークショップでの意見交換内容

  • 昨年度よりも受講生の数が多かったのでどうなるか心配であったが、受講生が今回のグループワークの意味を実感できたレヴェルは、例年通りの水準に達したと思う。ただ、「場の設定」をリアルにした方が、フィードバックの練習になると思われる。今回はただの「おしゃべり」だったので、対話の「善し悪し」について見ることができなかったからである。
  • 今回のワークではメモをとることが重要だったので、SAにとってもメモ付けを習慣づけることができるようになったと思う。メモをとることによって、「具体的に」フィードバックをできるようになることが伝えられて、よかったと思う。
  • SAと教員との連携のあり方、フィードバックのタイミングや方法についても、考えることができた。
  • 今後の展開として、先輩SAが後輩SAの育成にも関わるような仕組みができればと思う。学生同士で伝え合い、学び合う形を作っていきたい。
  • 法学部での初年次教育を考えるにあたっては、文学的な日本語表現ではなく、法学部では誤解のないような日本語表現を修得することが重要である。

3. 活動の効果を高めるための今後の方策

  • 公開授業と各教員のそれぞれの担当科目の時間帯が重なるのは、仕方がない。そのため、現在の方法では参加者を劇的に増やすことができない。その代わりに、プレップセミナーの担当者会議、フィールドリサーチ委員会などの、学部内の各種会議などの機会をとらえて、ワークショップでの議論を紹介するなどの形で、少しずつでも授業改善の試みを発信し、議論を重ねることが必要であると思われる。
  • 報告書類等の作成については、授業改善の取り組みへの「追加的な負担」になることがないよう、配慮が必要である。
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