在学留学体験レポート 松山 航さん(交換留学)

留学期間 国名 留学先大学名 留学の種別
2019年8月25日から
2020年1月10日まで
アメリカ プレスビテリアン・カレッジ 交換留学
私はアメリカのサウスカロライナ州にあるプレスビテリアン・カレッジで3年次の秋学期を過ごしました。海外で生活することは中学校で英語を勉強し始めた時からの夢であり、長期留学は大学生活で達成したい目標の一つでもありました。留学先をアメリカにした理由に大きく関係してくるのが、もう一つの目標である教員免許状取得でした。大学入学後すぐのガイダンスで教職科目履修と長期留学を両立して4年で卒業するのは難しいことを知り、両方を叶えたい私は留学を諦め、日本でできるだけのことをして英語力を上げようとしていました。私のこれまでの学校生活や塾講師としてのアルバイトの経験から、英語科教員との資格を所持するのであれば生徒たちがこうなりたいなと思う英語力を保持していなければならないという思いがありました。幸いなことに、教職員の方々のおかげで両立をすることが可能になり、諸事情によりずっと希望していた一年の長期留学はできませんでしたが、約半年間アメリカで学ぶ機会を得ることができました。

渡米中の飛行機で私はこれから始まる新しい生活に胸を膨らませる一方で、「これまで頑張って勉強してきた英語が使い物にならなかったらどうしよう」や、「友達ができるだろうか」などという不安もありました。実際に行ってみると、日本人留学生はもちろん、他国からの留学生も現地の学生も初日から積極的に話しかけてきてくれましたし、大学で開催されていたパーティーに参加することによって、いつまでもつながっていたいと思える友達を作ることができました。

留学先のプレスビテリアン・カレッジはリベラル・アーツ教育を行なっており、留学生も必修の英語のクラスに加えて学部授業を履修することができ、現地の学生と一緒に授業を受けることでたくさんの刺激を受けました。英語のクラスはReading、Writing、Listening & Speakingに分かれており、学部授業を受けるために必要なスキルを技能ごとに学びました。学部授業では特別英語のGender Studiesでジェンダーに興味を持ったためジェンダーについての授業を履修していました。50分授業を週に3回行われ、毎回のように、教科書を1章読んだ上で、クラスの共有ファイルに章の内容や学んだことをまとめるなどの宿題がありました。また、毎週のようにディスカッションを行い、先生も学生の中に入って立場に関係なく議論を交わしました。なかなか発言できなかった私でしたが、時々「日本ではどうなの?」や「この問題について日本人としてどう思う?」と聞かれることがあり、自分の意見を発信することに抵抗がなくなった一方で、自国のことについての知識が少ないことやうまく説明できないことを知りました。授業外であっても試験期間になれば図書館が二十四時間開放されていて、試験前やレポート提出前には相談をする時間がありました。私はよくオフィスアワーに行き、授業でわからなかったことや不思議に思ったことをわかるように先生と一対一でディスカッションをしたりしていました。正直、京都産業大学で学んでいる時よりも一つ一つのことに丁寧に取り組んでいたように思います。その結果として良い成績を収めることができ、Dean’s Listに名前が載りました。
自由時間にはジェンダーのコミュニティーに参加して意見交換をしたりプライドに出かけたりしていました。毎週日曜日の午前中には教会へ行き、プレスビテリアンについて知識を得るとともに、世代の離れた友達もたくさんできました。また授業の一環として趣味で続けてきたクラリネットのレッスンを受講していたので、大学で開催されるクリスマスコンサートに出演させていただき、帰国直前にはソロリサイタルを開催させていただきました。音楽を通して、授業をとっていなかった音楽学部の先生方や学生たちと知り合うことができました。

私がこの留学で学んだことは、やりたいことがあれば、多少無理をしてでも、自分の意志を通す道を探すべきだ、ということです。自分が本当にやりたいとことであれば、その気持ちが行動となって現れ、結果としてそれを見た周りの人々の協力を得ることができて、望みが実現する、ということを、今回体験しました。帰国前に私がリサイタルを開催するにあたり、寮の契約期間終了後の宿泊場所をホストファミリーに提供していただきましたし、教会で出会った方々や、音楽学部の先生方、留学支援オフィスにも、様々な協力をしていただくことができたのです。
また、私が充実した留学生活を送ることができたのは、幼い頃から続けてきた音楽があったからだと思っています。そのための楽器を与えてくれた両親にも感謝しています。アメリカで知り合った人々の半分近くは、音楽をきっかけに出会いました。

留学の目的は語学学習、という人が多いとは思いますが、英語は目的を達するための道具に過ぎません。これから留学を考える人は、英語を使って自分の趣味や特技、好きなことができないか考えてみてください。そうすれば、より多くの人々に出会い、より多くの経験をし、より多くのことを学べると思います。
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