【経済学部】倉本ゼミ・菅原ゼミ・関田ゼミの有志学生、香りを聞く
2025.02.19

経済学部専門科目「経済人特別講義」のゲスト講師としてお世話になっている、株式会社松栄堂代表取締役社長の畑 正高氏のご厚意により、倉本ゼミ・菅原ゼミ・関田ゼミの有志学生と教員が、松栄堂にて聞香(もんこう)を体験しました。聞香とは、茶道や華道と並ぶ日本三芸道の一つである香道のお香のたき方で、小さく割られた香木の入った香炉を掌にとり、繊細な香りを楽しむものです。その香りを鑑賞することを「聞く」と表現します。
香道について当日は、まず畑社長のご講演によって、文化・芸術史だけではなく、政治史や経済(貿易)史、宗教史などを交えながら、聞香や香道、香木に関するさまざまな人間の紡いできた長い歴史について学びました。その後に、香席へ移動し、難波津香(なにわづこう)という銘の組香を体験しました。これは、4種類の香木がたかれ、それぞれの香りを聞きわけあい、香りで表現されたテーマを鑑賞するというものです。はじめのうちは緊張していた参加者ですが、静かな空間の中、硯で摺った墨を用い筆で自分の名前を書き、香の僅かな違いを感じとって和紙に答えを書いていくという雅な体験に、まるで自分がタイムスリップしたような感覚になりました。
香りは、インターネット等では決して体験できない情報です。その上、参加者のほとんどにとって、そもそも聞香は見たことも聞いたことも無い全くの未知だったため、体験会で得られた感動もひとしおでした。悠久の伝統文化に触れるという京都の大学生ならではのこうした体験を通じて、好奇心の感度を拡げることができました。
参加学生の声(抜粋)
- 畑社長のお話から、聞香の伝来から現在の伝統文化として確立するまでの流れがわかり大変興味深かったです。聞香体験では人と寄り合って時間を共に過ごすことの楽しさを改めて感じることができました。また、香木の香りを聞き分ける際に何かに例えて覚えようとしましたが難しかったです。今回の体験をきっかけにして、日常生活の中で季節の香りの変化などを楽しんでいこうと思いました。
- 聞香の成り立ちからお話を聞かせていただき、昔の人の価値観や美意識が受け継がれてきているのだと、自分の知らない香の世界を知ることができました。実際に難波津香を体験してみたところ、1度目に聞いた際はなんとなく違いがわかったものの、何度も順に香りを感じていくと違いがわからなくなり、とても難しかったです。このような香りを当てるという一見簡単そうに思えることも体験してみることで、香というものの面白さや魅力について触れることができ、本当に良い経験になりました。
- 今まで聞香という文化があることを知らなかったのですが、今回貴重な経験をさせていただき大変嬉しかったです。茶道と違った素晴らしさがあり感動しました。香をみんなで寄りあって楽しむことができ、五感で感じることができました。香を回してくださった香元の方の所作がとても綺麗で見入ってしまいました。香道について今回で興味が湧き、畑社長のお話をもっと聞いてみたいと思いました。



