令和3年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

1回あたりの準備学習等(事前・事後学習)について69%の学生は1時間以上の取り組みをしていたが、1時間半以上の取り組みをしている学生は41%、2時間以上の取り組みをしている学生では21%であった。1時間半を超える学生数の割合を年度ごとに学部平均値の変化で見ると、前年度の秋学期46%と比較して、春学期50%、秋学期41%と大きな変動はない。 データからは、1回の授業あたりの準備学習が30分未満の学生が1割近くいることもわかる。この割合は前年度と変わらない。改善のために、アドバイザー面談、初年時のフレッシャーズセミナーなどで準備学習の重要性を働きかけたい。1回の授業あたりの準備学習時間の学部平均が1.5時間以上である点は「概ね従前からの学部目標に到達した状況にある」と考えている。そのほかに「学びの面白さ」「スキルアップ、成長」「総合的な満足度」の三項目における実感調査結果からは、いずれにおいても80%超の学生が「強くそう思う」あるいは「そう思う」と回答しており、講義の満足度が高い点は評価できる。
また、授業形態として最も適していると思うものでは、対面授業が50%、遠隔授業(リアルタイム)が15%、遠隔授業(オンデマンド)が28%であった。この結果から、コロナ後のデジタルトランスフォーメーションの推進は進めるべきであるが、授業によっては、対面授業の良さも合わせて考えて、より柔軟な取り組みが求められていることがわかる。

2.「公開授業&ワークショップ」についての報告

  1. 「公開授業」:なし
  2. ワークショップ:
    生命科学部FD/SD研修会 斎藤有吾先生(第2回全学FD/SD研修会)の動画を視聴し、カリキュラムマップとカリキュラムツリー作成について理解を深めた。

3. 総括

(1)1. と2. において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

本学部の授業·カリキュラムの長所として、次のことが挙げられる。R2年度において、各授業科目で提供すべき専門知識だけでなく、オンライン授業化に伴いその提供・共有方法についての共通理解および提供スキルが獲得され、それを生かした科目運営が実践されている。さらにR4年度からの学部目標「学生による学びを最大化・最適化する」を達成すべく、全学の取り組みに合わせて、カリキュラムマップの作成に取り組んだ。

(2)1. と2. において確認された改善すべき点

R4年度に行う学部カリキュラム改定を見据えて、各学科の学科会議において、カリキュラム委員を中心に「基礎科目間の連携」について議論され、その改善法を検討している。また、カリキュラムマップ、カリキュラムツリーの作成およびアセスメント方法について、学部構成員の全てが理解する必要があり、このためのワークショップを行った。これらの点については、今後さらに学部構成員全員が理解を深める必要がある。

4. 次年度に向けての取り組み

学部内における科目連携について、生命科学部1~3年次における講義科目と演習科目との学科内連携(受講生の立場からみた内容充実と科目連動性強化など)および学科間連携(学部教育としての内容充実と運営方法の妥当性確保など)を秋学期前後(9月および2~3月)に当該科目担当教員陣および2学科それぞれのレベルで検証してきた。これらを総括して、R4年度に学部カリキュラムの改定に取り組む。さらにカリキュラムマップ、カリキュラムツリーの作成およびアセスメント方法について学部構成員の全てが様々な方法で学習の機会を持ち、R4のカリキュラムとカリキュラムマップの改善に取り組みたい。
またR4年度も、教育デジタルトランスフォーメーションの一環として様々な学習成果データ(科目GPA、ベネッセi-CareerのGPS-Academic、その他)を統合した分析(本学IR推進室との連携)、並びに分析結果(エビデンス)にもとづく修学支援の実行など、学習者中心の学びの最大化・最適化をビジョンに掲げた取り組みを具体化したい。
さらにR4年度も、GC(グルーバルコモンズ)、GSCとの連携による英語修学支援に取り組みたい。卒業時のTOEIC点数は645点をクリアする学生の数を増やす。また各人のTOEIC点数の大幅アップを目指す。
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