【神山宇宙科学研究所】開設記念シンポジウムの開催(12月2日)

2023.11.09

令和5(2023)年10月1日付けで、神山宇宙科学研究所が開設しました。このことを記念してシンポジウムを開催します。

近年、民間企業によるロケット打ち上げが一般的なものとなり、とくに超小型衛星を中心として、宇宙開発は大きな時代の変革期を迎えています。本シンポジウムでは、超小型衛星技術を中心に、教育研究や宇宙ビジネスをテーマにした2つの講演と神山宇宙科学研究所の紹介を行います。

日時 2023年12月2日(土)14:00~16:30(13:30開場)
会場 京都産業大学 S301教室(サギタリウス館3階)
内容 第1部
講演「宇宙開発利用の新しい潮流と拡大するビジネスの将来」
講師:中須賀 真一氏(東京大学大学院 工学系研究科 教授)
議論・質疑応答
登壇者:中須賀 真一氏(東京大学大学院 工学系研究科 教授)
池田 優二氏(株式会社フォトクロス 代表取締役/京都産業大学 客員研究員)
具 承桓(経営学部 教授/神山宇宙科学研究所 所員/イノベーションセンター長)
進行:河北 秀世(理学部 教授/神山宇宙科学研究所長/神山天文台長)
第2部
神山宇宙科学研究所 取組紹介「神山から宇宙へ」
登壇者:河北 秀世(理学部 教授/神山宇宙科学研究所 所長/神山天文台長)
講演「複数の小型衛星を用いた金星衛星間電波掩蔽観測の可能性とその検討」
講師:安藤 紘基(理学部 准教授/神山宇宙科学研究所 所員)
申込 申込フォーム
  • 参加費無料です。
  • 当日資料準備のため、あらかじめ申込をお願いします。
対象 広く一般の方を対象としています(年齢等は定めていません)。

会場(サギタリウス館)への学内アクセス

<第1部>講演「宇宙開発利用の新しい潮流と拡大するビジネスの将来」

講師:中須賀真一氏 東京大学大学院 工学系研究科 教授

近年の宇宙開発利用は「官から民」「大型から小型」「少数から多数」へと大きな変革を遂げてきた。StartlinkやOneWebに代表されるように、数百機から数千機の小型コンステレーション・ビジネスが宇宙スタートアップによりスピード感をもって遂行され、政府がそのようなスタートアップの顧客になることで成長を支える「アンカーテナンシー」が行われるなど、官民の関係も大きく変わってきた。その中では、衛星の大量生産やアジャイル開発を支えるDX、打ち上げた衛星をソフトウエアで機能アップグレードするSoftware Defined Satelliteなどが重要な技術となっている。講演では、そのような世界の近況と今後の宇宙ビジネスの展開の予想、そして、その中で日本の宇宙業界が抱える課題と対策の案、東京大学における超小型衛星の活動などを紹介する。

講師紹介:中須賀 真一氏(東京大学大学院 工学系研究科 教授)

画像クレジット:東京大学

1988年東京大学博士課程修了、工学博士。その後、日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所、東京大学講師、助教授を経て、2004年より航空宇宙工学専攻教授。日本航空宇宙学会、SICE、IAA等会員, IFAC元航空宇宙部会部門長、UNISEC元理事長、およびUNISEC-GLOBALは設立時より委員長。超小型人工衛星、宇宙システムの知能化・自律化、革新的宇宙システム、宇宙機の航法誘導制御等に関する研究・教育に従事。世界初のCubeSatを含む超小型衛星12機の開発・打ち上げに成功。政府の宇宙政策委員会委員。

<第2部>講演「複数の小型衛星を用いた金星衛星間電波掩蔽観測の可能性とその検討」

講師:安藤 紘基 京都産業大学 理学部 准教授/神山宇宙科学研究所 所員

我々は、工学と理学の両面から複数の小型衛星を用いた金星での衛星間電波掩蔽観測について考察してきた。本案では、衛星間電波掩蔽観測を母衛星1機と子衛星2機で為されると仮定し、工学的に最適な軌道下での観測点数とその分布を推算したところ、スーパーローテーションの周回周期(4地球日)で179回の電波掩蔽観測が実施でき、観測点は全球に渡って分布することが分かった。短期間で全球的に気温・気圧の高度分布を得られることは、4次元の気象観測データを取得することと等価である。この4次元観測データに加えて、分光器やカメラによる光学観測が実施できれば、大気構造だけでなく雲物理や大気化学の理解にも繋がるであろう。また、大型計算機による理論的研究との融合により、精密な金星気象モデルの構築も可能になると期待される。本発表では、本案についての工学・理学それぞれの考察に関する進捗状況について話すと共に、今後の展望についても言及する。

講師紹介:安藤 紘基(理学部 准教授/神山宇宙科学研究所 所員)

画像クレジット:京都産業大学

2013年東京大学大学院修了、博士(理学)。その後、宇宙航空研究開発機構JAXA プロジェクト研究員、京都産業大学理学部 研究員等を経て、2019年より現職。神山宇宙科学研究所では、超小型衛星技術開発部門の部門長を務める。地球・金星・火星といった地球型惑星における大気構造や大気現象を、主に人工衛星から出される電波を使って研究している(電波掩蔽法)。現在は、日本の金星探査機「あかつき」の電波掩蔽観測チームのメンバーとして、金星大気の研究を精力的に行っている。また、将来の金星探査計画Venus Bridge(NASA)やEnVision(ESA)、火星探査計画NETSSEM(欧・米・日)に参画し、それらの電波掩蔽観測チームの一員として計画立案に関わっている。

お問い合わせ先
京都産業大学 研究機構
窓口取扱時間:月曜日~金曜日9:00~16:30
Tel.075-705-3255
Email. ksu-kenkyusuishin@star.kyoto-su.ac.jp
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