教員紹介安藤 紘基
担当科目
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プロフィール
2013年3月 東京大学大学院(地球惑星科学専攻)にて博士(理学)取得
2013年4月~2016年3月 JAXAプロジェクト研究員
2016年4月~2017年3月 京都産業大学理学部 研究員
2017年4月~2019年3月 日本学術振興会特別研究員PD
2019年4月より現職
研究内容
特別研究※(ゼミ)テーマ・内容
地球型惑星大気の電波掩蔽観測
人工衛星や宇宙探査機から発せられる電波を用いて(電波掩蔽法)、地球・金星・火星という地球型惑星の大気構造やそれらの違いを調べています。特に金星・火星の場合は、遠く離れた所にいる探査機と地球を結んだ壮大なスケールの実験・観測です。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
金星の強風“スーパーローテーション”が生まれるメカニズムとは?
地球、金星、火星といった地球型惑星における大気構造や大気現象について研究しています。主な研究手法は、人工衛星から出る電波を使った電波掩蔽(えんぺい)法。受信する周波数から気圧や気温を明らかにする方法で、わかりやすくいえば電波という体温計を使って惑星の状態を調べるようなイメージです。
特に私が注目しているのは、地球の双子星と呼ばれる金星の大気構造。重力や質量など基本的なパラメーターはよく似た2つの惑星ですが、大気の状態はまったく異なります。たとえば金星では「スーパーローテーション」と呼ばれる毎秒100mのすさまじい強風が星全体を覆うように吹いていますが、この風がどうやって生成・維持されているのかは謎に包まれています。果たして地球の気象学はどこまで通用するのか。人工衛星のデータを使ってその謎に踏み込んでいくのがこの研究の醍醐味のひとつといえます。
水が存在しない金星は、いわば“究極の温暖化”が進んだ状態。つまり地球の悲惨な未来を映す鏡ともいわれます。金星の大気構造を知ることは、地球の温暖化を食い止める手掛かりになるかもしれない。地球の未来や環境問題を考えるうえでも有意義な研究といえるでしょう。