Coba(挑戦する)!を通して見えたコト!
〜インドネシア語専修生のある夏の物語〜

インドネシア語専修 4年次生 西尾 起代子

 言語学科インドネシア語専修4年次生西尾起代子さんは、充実した夏休みを送るべく毎年いろいろな活動に積極的にCoba(挑戦する)してきました。そこで、今回、大学時代の夏休みを振り返っていただきました。
 後輩の皆さんにも実りある大学生活、特に思い出に残る夏休みを過ごしていただきたいと思い、インドネシア語専修の若林先生にインタビューしていただきました。

IAAF世界陸上2007大阪でボランティアについて

 

卒業を来年3月にひかえ、学生時代の夏休みをふりかえったときに、思い出に残る出来事はなんですか。

 いくつかありますが、その中でも、次の3点が挙げられます。最初は、IAAF世界陸上2007大阪でボランティアとして参加したこと、次にインターンシップを体験したこと、そして、オープンキャンパスをサポートしたことです。

IAAF世界陸上2007大阪でボランティアとして参加したきっかけはなんだったのでしょうか。

 2007年8月25日から9月2日まで、大阪市・長居陸上競技場で行われた[IAAF世界陸上2007大阪]にボランティアとして参加しました。
 校内のボランティア募集ポスターに何気なく目を向けたときに、「これ、やらな!!」と直感で思ったのが始まりです。世界規模の大舞台に関れるなんて今しかない!と思い、すぐに参加登録をしました。

いつ、どこで、どのような仕事をしたのですか。

 私が参加したのは8月27日から9月1日の6日間で、時間は大体14:00〜22:00でした。主な仕事は、選手が滞在するホテルのロビーで道案内したり選手の行きたい場所がどこなのかを教えてあげたり、ホテルから出る競技場や練習場行きのピストンバスの出発案内や声かけをしていました。

 ホテル内のボランティアは午前と午後の時間帯に分かれていますが、大体半日5〜6人で成り立っていました。その中で、ホテル内での声かけグループとバス乗り場での誘導グループの二つに分かれて行動していました。メンバーの年齢は幅広く、学生から主婦、中高年の方々とさまざまでした。

ボランティアとして活動していた時のエピソードについて教えて下さい。

 必ずと言っていいほど、バスの出発時間に遅れてくるチームがいました。それはアフリカの方のチームだったのですが「お国柄」なのか、のんびりした雰囲気でやって来て、スタッフに急かされてようやく走り出すといった感じでした。また、バスの発車時刻まで選手と一緒にバスに乗り、選手の聞いていた音楽を聞かせてもらったり、バスに付いているテレビで一緒に競技を見たり、お話したりもしました。とても気さくな方ばかりで、今から試合をしに行くような人たちには見えませんでした。

IAAF世界陸上大阪にボランティアとして携って、得たものはなんでしたか。

 私はそんなに英語ができるほうではないけれど、片言の英語とボディランゲージによって会話ができたと思います。ある時、世界中からのメディアの方が宿泊しているホテルでボランティアだったのですがそこでエチオピアのラジオDJと仲良くなりました。相手はもちろん英語ペラペラで話してきたので、思わず身構えてしまったのですが、だんだんと相手の言っていることがスーっと頭に入ってきて理解できたのです。思ったことそのまま単語を並べて言っただけですが相手にも伝わり、それによって外国の方とも会話ができるのだ、ということがとても嬉しかったです。

インターンシップを体験

次に、多くの学生が体験するインターンシップにも挑戦したそうですが、申し込もうと決めたきっかけはなんだったのでしょうか。

 幼いころから“看護師になりたい”と思っており、3回生になってすぐたまたま友人とインターンシップの説明会に行ったところ実習先に病院があったため受講することを決めました。実習先は病院の医療事務だったのですが、自分が病院で働くことに適しているのか、自分の思っている世界なのかということを目で見て感じたかったのでインターンシップを受ける決意をしました。


いつ、どこで、どのような仕事をしたのですか。

 実習期間は8月6日から18日で、その中で二日間休みがあったので11日間の実習でした。毎日朝8:30から朝礼があり、出席や連絡事項の確認が行われました。最後には病院の理念を全員で復唱してから各科へ移動します。実習先の病院にはたくさんの科があったので、一日ごとや半日ごとに分けてたくさんの科の医療事務実習をさせていただきました。

 主な仕事は、患者さんの来院受付をパソコンに入力、カルテや伝票の整理、健康診断などの予定をパソコンに入力、カルテを診察室へ運ぶ、翌日のカルテファイルの用意などです。

インターンシップを体験していた時のエピソードについて教えて下さい。

 各科によって少しずつ仕事は異なりますが、みなさん“常に優しく、丁寧に、笑顔で”をモットーに仕事をされていました。医療事務科の科長さんの話を聞いて心に残っている事があります。“相手は自分の顔を映す鏡だ”ということです。例えば、相手が厳しい顔になっているのは、自分が同じ顔をしているからだ、とおっしゃっていました。自分が笑顔で対応していれば相手も不安はないし、笑顔になる、と。また、何年も働いている事務の方でも「患者さんに何か聞かれた時に答えられるようにしないと不安をあたえてしまうからね。」と言って病状や症状を知るために本を読んで、自分でノート作りをし、勉強されていました。

インターンシップ体験を通して得たものは何でしたか。

 自分の適応性についてはまだまだ足りないこともあると気づいたし、患者さんの様子をみて、臨機応変に対応できる広い視野を持つようにするには色々なところへ注意をしなくてはいけないということを感じました。しかし、この実習を通して、人のためになり、力になれる人になりたいと強く思うようになりました。自分の興味あることにチャレンジし自分で感じることで未来に向けて大きな目標を持つことができました。何より今まで自分になかった“仕事をするという意識”が高まりましたし、「とてもいい経験でした」で終わらせないためにも、これを励みにこれからの自分を大きく前進させていきます。

オープンキャンパスでの体験





最後に、学内では、オープンキャンパスでのサポートもしていただきましたが、具体的にはどのようなことをしたのですか。

 インドネシア語専修の教室では、[学びコーナー][遊びコーナー][相談コーナー]の3つを用意しています。そこでは、インドネシア語の教科書や雑誌、舞踊や影絵に使われるお面や人形、インドネシアのコマや楽器を来訪者の方々に手にとって見てもらえるように展示しています。また、留学していた人が現地で撮影してきた写真を、地域ごとに分けた写真展も行っています。毎年、竹で作られているインドネシア独特のコマは人気で、コマ回し大会をしたり、アンクルンと呼ばれるインドネシアの竹でできた楽器を来訪者と一緒に演奏したりと、インドネシアを全身で感じてもらえるようになっています。

何人の学生で対応していましたか。

 一回のオープンキャンパスにつき学生5〜6人で対応しています。1回生から4回生の間でメンバーが集められるので、この時にすべての学年がグッと近づき仲良くなります。インドネシア語は一学年一クラスなので、上から下まであっという間に仲良くなり、ここで作られた先輩・後輩の関係は強く、他学部からも羨ましがられるほどです。

来訪者にはどのようなことを説明しましたか。また、その時に心がけていたことは何ですか。

 オープンキャンパスに来てくださった方には、私たちが学んでいるインドネシアの文化や言語について、実際に使っている教科書を見せながらお話したり、説明したりします。また受験についての質問も多いので、自分たちの経験を踏まえて何をどう勉強したかといった話もします。しかし、大学に入ってこんな経験をしたよ!といった勉強以外の話もするので、どなたともすごくフレンドリーな関係になります。こういった雰囲気を持ち合わせているのも、インドネシア語の“魅力”と言えると思います。

 その時に、心がけていたことは、こちらの一方的な意見や、考えを相手に押し付けるのではなく、来訪者の方が何に興味を持ってきたのか、何を聞きたいのかをよく聞いて、それに対してわかりやすく答えるということです。そしてフレンドリーになって話を弾ませるためにも“笑顔”は欠かせません。

オープンキャンパスをサポートしていた時のエピソードについて教えて下さい。

 3年前にオープンキャンパスに参加してから毎年参加させていただいているのですが、その時に一緒に話をして、受験がんばってね!なんて話をしていた子が、翌年後輩としてやってきたことにはビックリしました!!しかも、オープンキャンパスで出会ったことを私だけじゃなくて、後輩も覚えていてくれたことが本当に嬉しかったです。「オープンキャンパススタッフやっていてよかったなぁ」と心から思いました。

最後に全体を通して、後輩の皆さんに一言お願いします。

 左藤先生が、「自分が希望した学校・学部に入学しても、たとえそうじゃなかったとしても大事なのは『大学に入った後、何をしたのか』ということだ。」と、おっしゃっていました。そのことを実感し、私自身が共感できて胸を張って言えるようになったのは、インドネシア語の先生や仲間に会い、それぞれの考え方や行動に刺激を受け、切磋琢磨し合えたからからだと思います。

 人との出会いは一期一会です。私は、学校の中でも外でもいろんな場所に参加し、そのたった一回の出会いでも人とふれ合う事でいつでも自分は変わることができるのだ、ということを実感しました。皆さんも、フィーリングを大切に、直感を信じて進んでみてはどうでしょう。たくさんの違った世界が見え、将来に向かっての大きな励みになると思いますよ。

 いつも笑顔でまわりの人を癒してくれる西尾さん、オープンキャンパスでも本当にお世話になりました。現在実施中の日本語実践ボランティアでも主要メンバーの一人として活躍しています。

 これから目指す道は、長く厳しくたいへんだとは思いますが、がんばって実現させてほしいと思います。そして、いつか同じ職場でインドネシア人と一緒に働く機会があれば、『最高!』ではないでしょうか。

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