2023.12.10
キャンパスライフ京都産業大学のシンボル「神山天文台」を支える、神山天文台サポートチームとは?

豊富な設備がそろう本学の中で、「神山天文台」はシンボルとなっている施設です。神山天文台では、国内私立大学最大の「荒木望遠鏡」での天体観測や、宇宙の3D映像上映など、本学の学生だけでなく一般の方々も対象とする天体観望会が行われており、地域に開かれた施設となっています。この活動を支えるのが、学生有志による「神山天文台サポートチーム」です。神山天文台サポートチームは普段どういった活動を行っているのか、代表を務める理学部宇宙物理・気象学科3年次生 長瀬 達哉さんにお話を伺いました。
「神山天文台サポートチーム」は、どんな活動をしているのですか?
主に、毎週土曜日の19時(10〜12月は18時)から行われる天体観望会の運営サポートを行っています。他に、神山祭やサタデージャンボリーなど一般の方々がいらっしゃる際のイベント企画や運営サポートも行います。
天体観望会では、国内私立大学最大口径の荒木望遠鏡や小型望遠鏡を使って、皆さんに実際に星を見てもらい、季節ごとの星座や天体を紹介します。また、地下にある神山天文台ホールで宇宙の3D映像上映会を行い、そのナビゲーターをしています。担当は交代制で、それぞれが参加できる日を提出し、神山天文台事務室の方がスケジュール調整をしてくださいます。メンバーは学部生のみで49人。文系の学生も多いですよ。

なぜ神山天文台サポートチームに入ったのですか?
1年次生のときに天体観望会に参加し、活躍しているサポートチームの先輩を見て「自分もやってみたい」と思ったのがきっかけです。他の人も、先輩を見てやってみたくなった、星を見るのが好き、などが理由のようです。
日々の活動では、楽しみながら自然に宇宙のことが学べます。晴れの日には、親子連れや学生などの来場者の方々と一緒に、小型望遠鏡を使って土星や木星などを探したり、口径1.3mの反射鏡で光を集める反射式・荒木望遠鏡を使って季節の天体を見たりします。
3D映像上映会で地球からは見えない月の裏側や遠くの星を観賞します。また、光の性質に関する実験も人気です。実際の天体観測装置に使われている「分光器」と同じ原理で、光を波長ごとに分けて観察する実験を行います。分光後の光は虹のように見えるため、楽しんでもらえます。

やりがいを感じるのはどんなときですか?
イベントにお越しになった皆さんに、「すごい、きれい!」と喜んでもらえたときですね。
宇宙を身近に感じ、世界の天文学者も研究利用する神山天文台を知ってもらえたらうれしいです。また、皆さんに紹介することで、自身の理解が深まるだけでなく、知らない間にアナウンス力やプレゼン力がつく。そこも大きな魅力です。
神山天文台の館内には何があるのですか?
案内します!まずは、3階の天体観測ドームに行きましょう。

普段は教員や大学院生が星の調査・研究をし、理学部の学生が授業などで使用しています。案内時は、
「皆さま、京都産業大学の神山天文台へ、ようこそお越しくださいました。ここにある荒木望遠鏡は、国内私立大学の中で一番大きい望遠鏡です。口径1.3m、高さ5.5m、重さ11トン。ちょうどキリンの背丈とゾウ2頭分の重さです。これから、私たちの頭の上に広がる天体をのぞいてみましょう!」
というふうに説明しています。
すごい!今すぐ星空を見たくなります。
天体観望会では季節ごとの星座や天体が見られます。京都産業大学のシンボル・サギタリウスはいて座。諸説ありますが、ギリシャ神話に登場する半人半馬の賢者、ケイローンがモデルともいわれています。11月23日~12月21日の誕生星座はこのいて座ですが、実際その時期はいて座が太陽の近くにあるため、観測できるのは3~4カ月前、つまりサギタリウスが見えるのは夏の夜空になります。

他にも、木星の赤い目玉のように見える「大赤斑(だいせきはん)」をご存じですか?これは巨大な嵐の渦で、350年ほど前に発見された時は地球が2~3個入る大きさでした。ところがどんどん縮小し、今は直径が地球1個分。なんとあと25年ほどで消滅するともいわれています。地球から見られるのはあとわずか。ぜひ、今のうちに木星も見に来てほしいです。

次に地下1階の神山天文台ホールをご案内します。
ここでは天体観望会のときに、宇宙の3D映像上映会を行います。使うソフトは国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトが開発した天体シミュレーター「Mitaka」。大きなスクリーンに映る宇宙空間を自由に移動し、宇宙旅行をしている気分になれます。
土曜の夜は、私たちと一緒に壮大な星空の旅に出掛けませんか。ご参加お待ちしております!

神山天文台サポートチームのメンバーになるには?
毎週水曜日の昼休みに、神山天文台地下1階の天文台ホールでミーティングをしています。いろいろな学部の学生がいて、楽しく活動していますので、気軽に遊びに来てください。天体観望会の参加も大歓迎です!
天文学の知識に溢れる、長瀬さん。今回の取材でお話を聞き、初めて知ることがたくさんありました。大学のシンボルでもある神山天文台で活動するやりがいや天文学の面白さを感じることができました。また荒木望遠鏡について、堂々と自信を持って説明している様子を見て、活動の魅力が伝わりました。