子どもたちの居場所づくり「竹の子学習ひろば」でボランティア!生命科学部2年次生・北原 雄太さんインタビュー

新聞を読むのが好きで購読しているという北原さん。

NPO法人「竹の子学習ひろば」にてボランティアをする本学生命科学部 産業生命科学科2年次生の北原雄太さん。先日、その団体の学生代表として、京都市と特定非営利活動法人きょうとNPOセンター主催の「輝く学生応援アワード2022」に出場し、オーディエンス賞を受賞されました。北原さん自身がボランティアに参加しようと思った経緯や活動内容、そして今後の目標を取材してきました!

—— 竹の子学習ひろばとは?
京都市西京区洛西地区で、小学1年生から中学3年生を対象に、「学習支援」と「居場所づくり」のための教室を運営しています。勉強を教えるだけの場ではなく、生活圏が学校と家だけで完結している子どもが、他者とつながれる場を目指しています。活動は、毎週土曜日の午後1時から6時まで。28人の子どもたちが在籍していて、総勢14人の大学生と社会人がボランティアとして活動しています。
子どもたちに勉強を教えている様子。
—— 参加しようと思ったきっかけは?
きっかけは2つあります。1つ目は過去の私の経験によるものです。私は小学生の頃から宿題などの問題をじっくりと考えて解くのが好きなタイプで、時には答えを見ながらでも、なぜこうなるのだろうと考え続けることに楽しさを見いだしていました。
しかし学校で答えを見ながら問題を解くなんてもってのほか。問題を解く際は、速さや正確さが重視されていました。そこに私は違和感を持っていました。勉強には、いろんな方法があると思います。そこで自分と同じような気持ちの子どもたちを肯定してあげたいという思いが芽生えました。

2つ目は、学生生活の中で「何かに取り組まなければ」と感じていたからです。私は新聞を読むのが好きなのですが、そこで教育機会の格差や経済的な理由で学習機会が失われてしまうという社会的な問題を知っていました。知っているだけで何もしていない自分にマイナスの感情を抱いていたのです。
そんなある日、本学のボランティアセンターで竹の子学習ひろばの募集チラシを見つけました。そこで一歩踏み出してみようと決意したのです。

—— いつ頃から活動をしているのですか?
昨年2月から活動を始めました。一昨年の12月に設立された比較的新しい団体なので、すぐに主力メンバーとして活動できるのではないかと思い、魅力を感じました。

—— 活動していて、困難なことはありましたか?
竹の子学習ひろばに来ている子どもたちの中には、ヤングケアラーや学校に行きづらいなどさまざまなバックグランドを持つ子もいます。ボランティアを始めた当初、学校の勉強についていけていない子に出会いました。私は、「早くなんとかしてあげたい!」と感じ、教材を用意して、勉強を教えてあげようとしました。しかし私が熱心に勉強を教えるほどに、その子と良い関係を築けなくなっていったのです。もしかしたら、私の行動がその子のプレッシャーになり、勉強への苦手意識を助長してしまったのかもしれないと思いました。それ以来、子どもたち自身の気持ちをくみ取り、本当にやりたいことを理解するように心掛けています。
勉強だけでなく遊びも!
—— 逆に、うまくいったことやうれしかったことはありますか?
私は子どもたちとの活動とは別に、個人で寄付金を集める取り組みを行っています。竹の子学習ひろばはNPO団体のため、活動を続けていくためには寄付金が必要不可欠です。寄付集めは、ボランティアとして課されたことではなく、私個人が自分にできることはないかと考えたことです。代表に申し出たところ、快諾していただきました。
寄付を集めるにあたり、所属学部の教授や40社以上の企業に手紙を送りました。すると、教授と企業1社に話を聞いてもらえることになりました。実際に教授からは寄付をいただくことができました。企業さんはお断りされてしまったのですが、活動に心から共感してもらえたことが分かって、何よりもうれしかったです。

—— 活動に共感する人が広がっているんですね。今回の「輝く学生応援アワード2022」でオーディエンス賞を授賞したことについてはいかがですか?
代表から今回のコンテストについて教えてもらい、活動を広めたいという思いもあって応募しました。1次の書類審査を通過し、2次のプレゼンテーションで「オーディエンス賞」をいただくことができました。
コンテストを通して、「居場所づくりとはつながることだ」と改めて強く感じました。授賞したことで、お祝いや応援の声が届き、いろんな人から気にかけていただいていることを再確認できました。居場所づくりは子どもたちと私たちだけではなく、保護者の方や寄付をしてくださる方など多くの方々の支援で成り立っているものです。そういう方々の存在を知る機会をいただいてうれしく思います。

—— 活動のモチベーションはなんですか?
子どもたちの抱える困難を根本から解決することは、大学生の私にはできません。でも、子どもたちとつながりを持つことで、その子たちが「自分のことを気にかけてくれている人がいる」ということを実感でき、それが励みになってくれたら…と思い活動しています。そして、竹の子学習ひろばで経験したことが、子どもたちの人生のアルバムにあたたかい記憶として刻まれていたら…と思います。

—— 熱い思いがあるのですね。竹の子学習ひろばでの経験が、将来に生きてくると思います!
そうですね。現在は生命科学部で学んでいるため、竹の子学習ひろばのような社会福祉の分野に直接関わることはないかもしれません。しかし、大学の学びとは別の分野を学べたことで、人生の幅が広がったことは間違いありません。

今後挑戦してみたいことはありますか?
個人としては、子どもたちに勉強を教えるだけでなく、いろいろな経験をしてほしいという思いがあります。例えば、他の団体やサークルと連携したり、大学の学びとつなげて科学教室を開いたりしてみたいです!
学生ボランティア募集中!!詳しくはX(旧Twitter)もしくはホームページまで。
【竹の子学習ひろばX(旧Twitter)】(@TakenokoNPO)
【竹の子学習ひろばWebサイト】

★京都市民活動総合センター主催イベント「市縁堂2022」に「たけのこ学習ひろば」参加中!
https://shimisen-kyoto.org/shien-do-2022



「興味がある…」「挑戦してみたい…」そう思ってもなかなか一歩が踏み出せない学生は少なくないと思います。そんな中で北原さんは一歩踏み出し、自分にできることを探しながら挑戦し続けています。取材中、北原さんの話されている様子から、熱意や信念が伝わってきて、私自身も鼓舞されました。学生生活は想像以上に早く過ぎ去っていきます。学業やアルバイトなどに追われる毎日かもしれません。しかし、自分と向き合い新しいことに挑戦したり、何かを成し遂げたりするという経験は、人生のハイライトとして自分の中に残り続けると思います。学生生活を楽しみながら、何かにチャレンジしてみると良いかもしれません!

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