2020.11.12

特集

【前編】京都産業大学の黒坂光新学長インタビュー!学長が両立を目指す2つの顔とは?

10月に新学長に就任した黒坂光(くろさか あきら)学長。学長室にはまだあまり物が置かれておらず、就任されたばかりであることが伝わります。

2020年10月、京都産業大学学長に生命科学部の黒坂光教授が就任されました。私たち学生は、学長と直接関わる機会は大学生活の中であまりありません。そこで、読者である学生のみなさんに新学長を身近な存在に感じてもらいたいと思い、学生広報スタッフの岡田が黒坂学長にインタビューをしました。
この前編では黒坂学長が両立を目指す2つの顔と、素朴な質問をご紹介します。
※この記事は10月上旬にオンラインで取材したものです。

学長と研究者、2つの顔をもつ黒坂学長

——はじめに、学長は具体的にどのような仕事を行っておられるのか、教えていただけますか?

【黒坂学長】大学のこと全てです。学生の教育環境のこと、教員の人事のこと、施設のことなど、大学全体のことが学長に集約されるので、本当にありとあらゆることに目を配らせないといけないポジションです。なかでも一番大事なのは、教育環境です。「京都産業大学の学生がいきいきと勉強できる環境をつくる」ために、学長に全ての情報を集めているのだと思っています。

——黒坂先生は生命科学部の教授でもいらっしゃいます。学長に就任されてからも研究は続けておられるのですか?

【黒坂学長】今もゼミ生とオンラインでやりとりをしながら、細々と研究を続けています。専門の生命科学の分野では新たな知見が日進月歩で生まれていますから、なんとか知識をつないでいきたいのですが、正直なところ自分の研究のこれからについては、就任して間もないため今はまだわからないです。学長の任期が終われば、生命科学部の教員として研究室に戻ります。研究を完全に止めてしまうと、生命科学の最前線から取り残されてしまいそうな気がするので、新しく出た論文を読むなど、情報入手は続けたいと思っています。
また、大学教員が高校までの先生と最も異なるのは「研究をしながら教えている」点です。高校の先生は教科書を教えますが、大学教員は自身が研究者としてテーマを追っているため、最新の研究内容を教えることができます。研究の継続は簡単ではありませんが、細々でも最新の研究を教育に還元するという姿勢が大事だと考えています。学生も、教科書の内容をそのまま学ぶのではなく、教員が自分自身で苦労したことを伝えられると印象が変わると思うんです。そのような教員の姿勢によって、学生も「ちょっと勉強しようかな」「調べなあかんかな」と感じてくれるのではないかなと思います。

——学長になられるって単純にワクワクすることのように思っていましたが、研究者のキャリアという面から見ると、研究の時間が失われてしまうという影響もあるんですね。知りませんでした。

【黒坂学長】そうなんです。でも私は学長の業務と研究を両立していきたいと思っています。

黒坂学長へのQ&Aコーナー

ここで質問コーナーです!黒坂学長のお人柄がわかる、素朴な質問をしました。

Q. 現在なにか趣味はお持ちですか?

A. 私は将棋が好きなんですよ。今は将棋を指す時間はないのですが、ニュースはチェックしています。あと、最近ランニングを始めたんですよね。実は、昔からランニングが嫌いで。野球やテニスはボールを追いかける、という走る目標があるからいいけれど、ただ単に前を向いて走るのが私は理解できなかった。でも、走り始めました(笑)。

——それはどうしてですか?

同僚と筋トレをしていたときに、事前に体を温めるために走ったのがきっかけです。「なんだ、結構走れるんだ」と。それで1人でランニングをしてみたら45分くらい走れたんで、「いけるな」と思って始めてみたらおもしろいんですよね。自分の気持ちとの戦いを楽しみながら走っています。
あと、体力づくりという面も大きいです。学内でもエレベーターなどは一切使わず、全部階段で移動しています。年を取っても、負荷をかけてちゃんと動ける身体にしておこうという考えです。私の研究室がある15号館から1号館(現 天地館)までは250段くらいありますが、階段で上ります。

Q. 座右の銘はありますか?

A, 「人間万事塞翁が馬」という言葉です。いいと思ったことが良くなかったり、あかんと思ったことが良かったり。人生どう転ぶかわからないという意味ですね。
人生って、本当にどう転ぶかわからないですよね。今回、私が学長に選出されるとは、まったく思っていなかったことですし。なぜかというと、立候補するわけではなく学長候補者選考委員会で選考される他薦で、教員と職員による投票で決まるので。私自身の体感としては、春学期にオンライン授業の対応をしている間に、あれよあれよと学長に決まった感じですね。

Q. 尊敬している人物はいらっしゃいますか?

A.尊敬という表現が適切かはわかりませんが、私は将棋が好きなので、最年長で名人になり、将棋連盟の会長も務められた米長邦雄さん(故人)ですね。人間味のある人で、言うことやることがおもしろいんです。将棋界のみんなが目指す名人位に6回挑戦してはその都度負けて、7回目の挑戦でようやく名人になった方です。その時がおよそ50歳。いまだにその年齢で名人になったのは米長さん一人のはずです。年齢に関係なく諦めずに頑張るところがすごいなと思いますね。
あと、著書も非常におもしろい。ユニークな視点をもっておられるんです。たとえば、「惜福」(せきふく)という言葉。「幸せは独り占めにしたらあかんのや。福は惜しんで、みんなで分けあわなあかん」という意味です。米長さんが実際にそんな生き方をしていたかはちょっとわかりませんが(笑)、彼の言葉は含蓄があっておもしろいなと思いますね。

研究室で目を引くのはスプーンのコレクション。海外へ行った記念に買って帰ることにしているそうです。

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