2022.11.10

特集

海外の小説コンテストで最優秀賞を受賞!執筆者アイズウィック先生にインタビュー

受賞作『A Hole in the Head』を持つアイズウィック先生

共通教育推進機構の准教授アイズウィック・ジョン・アラン先生作の小説『A Hole in the Head』が、海外のコンテスト「2022 IndieReader Discovery Awards」で、なんとLGBTQフィクション部門・最優秀賞を受賞しました!そこで、アイズウィック先生に、執筆背景や小説に込められた思いなどを伺いました。「読書の秋」のシーズン真っ只中の今、この記事が在学生の皆さんの本を読むきっかけになることを願っています。

受賞作『A Hole in the Head』はどんなお話?

授業や研究で多忙な毎日を送りながら、小説『A Hole in the Head』を執筆し、今回の受賞に至ったアイズウィック・ジョン・アラン先生。本作は、世界中のインディーズ作家を支援する大手プラットフォーム「IndieReader」主催の海外コンテスト「2022 IndieReader Discovery Awards」で、なんと満点の5.0点を獲得!非常に高い評価を得て、LGBTQフィクション部門・最優秀賞を受賞しました。
『A Hole in the Head』。699ページの大作です。

『A Hole in the Head』は、主人公・元FBI捜査官ジェームス・ストレイトが数々の事件を解決するミステリー小説のシリーズ3作目です。本作では、とある連続殺人犯にジェームスの兄が殺害されたという事件から物語が始まります。ジェームスは事件の真相を追ううちに、兄がゲイであり、結婚していたという事実を初めて知ることに。兄の知らなかった新たな一面に、大きなショックを受けると同時に、ジェームスは自分がゲイに対して偏見を持っていたということを自覚していきます。

『A Hole in the Head』というタイトルには、「頭に空いた穴」という意味と「全く必要のないもの」という2つの意味が込められました。前者は、頭にドリルで穴を空けて殺害する作品内の連続殺人犯の手口を、後者は、偏見は愚かで不要なものだという作品のテーマを表しています。

「本作は、ミステリー小説として犯人を暴くシーンだけに留まらず、ジェームスがゲイに対して持っていた偏見と向き合っていく姿も同時に描いています。実は、LGBTQフィクション部門での受賞は予想外だったのですが、とてもうれしかったです!」と、アイズウィック先生は喜びを語ってくださいました。

秘訣はスキマ時間の活用!アイズウィック先生の執筆術と作家活動への思い

アイズウィック先生が小説を書きたいと思うようになったきっかけは、幼少期に遡ります。4歳の頃からSF作品が好きで、作家になりたいと思っていたそうです。小学1年生の時には、“The Walking Eye”という目に手足が生えたキャラクターが主人公の話を作ったことも。日頃からショートストーリーをたくさん考えていたそうです。その後、アイズウィック先生は、作家に憧れを抱きながらも、日本で教職の仕事に就きます。そこで学生と関わるうちに、小説を読まない学生が多いことを知り、「私が小説を執筆することで、学生と文学の距離を縮めたい」と思うように。10年前から執筆を開始し、現在に至ります。
アイズウィック先生と学生広報スタッフ。英語を交えながら気さくに話してくださいました。

小説家であり、准教授でもある、アイズウィック先生。教員として多忙な毎日を送りながらも長編小説を書き上げた秘訣を聞くと、「スキマ時間を上手く活用すること!」と教えてくださいました。
アイズウィック先生は、奈良の自宅から京都産業大学まで、片道2時間ほど通勤にかかります。なんと『A Hole in the Head』は、毎日の電車移動中に、2年間、膝の上でコツコツ執筆し続けて書き上げたそうです!この方法は執筆を始めた10年前から始められ、現在も『A Hole in the Head』の続編と他2作品を並行して、電車の中で執筆されています。

アイズウィック先生が執筆する作品では共通して、人種差別やフェミニズム、移民などの社会問題が取り上げられています。本作『A Hole in the Head』では、LGBTQの問題に触れています。これは、アイズウィック先生のお知り合いである3人のゲイの方をモデルにしているそうです。小さな街で育ち、自分らしく生きることが難しかったという彼らの背景を、主人公の兄に反映しています。小説で社会問題を扱い、読者に知ってもらうことで、悲しい出来事を世の中から無くしていきたいという思いがあるそうです。

アイズウィック先生おすすめの本は?

最後に、私たち学生におすすめの本をアイズウィック先生に伺いました!
「好きなテーマや本は人それぞれなので、好きなジャンルの本を見つけて読み進めてほしいです。それを前提として、英語で読む楽しみを広げてもらうのにおすすめなのが、“Graded Readers(多読資料)”です。英語レベルが0~6まで分かれているので、自分にあったレベルを選んで楽しく読むことが出来ます。京都産業大学の図書館には本当に沢山のGraded Readersがあるので、ぜひ利用してほしいです!」。

中でもアイズウィック先生が好きな本は、ハリー・ポッターシリーズだそう。ハリー・ポッターのような有名な作品であれば、日本語版と英語版があるので、読み比べることで、ネイティブレベルの英語力を鍛えることも出来ますよ。

京都産業大学図書館2階にある多読資料コーナーの一部。
アイズウィック先生オススメの多読資料とハリー・ポッターシリーズは、京都産業大学の図書館にも所蔵されています。ぜひ利用してみてくださいね。そして、アイズウィック先生の作品もぜひ読んでみてください!

感想

今回アイズウィック先生にお話を伺って、何より通勤時間中に本を何冊も書き上げられたことに驚きました。そして、行動さえ起こせば、やりたいことは何歳になっても始められることに改めて気づきました。アイズウィック先生のインタビューをきっかけに、私もスキマ時間に本を読もうと思います!

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